もんく [とある南端港街の住人になった人]

輸出しよう

また給料日が来た。何だか1ヶ月が過ぎるのがとても早い。ちょっと前に給料が入ってどうのこうのと書いたばかりのような気がする。今回は要求しなくてもちゃんと給料明細をくれた。そしてちゃんと税金が引かれていた。これで一応安心だ。

明細書を見るとベース賃金が高いのでそれ以上の何とか手当てのようなものは最初から無い。日本で仕事をすることを考えるとこの給料はそれほどでもないどころか安いかもしれない。しかしこちらの水準からすれば役職が付いた人並のはずだから仕方ない。仕方ないと言うか、逆に申し訳ない。何しろこちらはまだ入って1年も経たないし、半年間はトレーニング中の名目なのだから。一所懸命に忙しく働いている人たちは給料がこの数分の一だったり、家族と分かれ国を離れ何年も出稼ぎに来ては仕送りしていたりする。

こちらはたまたま日本に生まれたと言うだけでこうして有利な方に差が付いている。これも親とその上の世代ががんばって日本ブランドを育ててくれたおかげなのだろうと思う。今はその財産を食いつぶしながらやっている。それもいつまで続くかわからない、もう本当に後が無い状況だけれど。


昨日ICを作りに連れていってくれた人事の人と車の中で話した。

日本人はよく働くねえ。我々マレーシア人はそんなことできないよ。いやいや、今の日本人はそうでもないんですよ。働いているように見えるけれどそれはスタイルの話で、実際に仕事がちゃんとできているかとか、それを本当に必要だと思ったり楽しんでやっているってこととは違いますって。そうですか、マレーシア人は仕事は生活のごく一部だと考えているから日本人のみたいに一所懸命に打ち込んで仕事はできないよ。マレーシアに来ても夜遅くまでよくやっているしね。日本人のこのスタイルは自分で考えたものじゃなくて、親世代や先輩を真似してやっているんですよ。それ以外のやり方を我々は知らないんです。こんなに豊かになったのにそれで幸せってわけじゃないですし。でも、日本はすごいから我々マレーシア人はもっと日本に学ばないといけないと思ってるんだけどなあ。いえいえ、我々日本人こそマレーシアに学ばないといけませんよ。だってこんなに短期間で社会をこんなに豊かにしたのに、仕事一辺倒でなく仕事は生活のごく一部だって言えるの生き方は素晴らしいと思いますかれね。そうだね、お互いに学ぶべき事がいろいろあるってことか。それじゃ、今度は工業製品じゃなくてマレーシア人の生き方を日本に輸出してくださいよ。はははは。はははは。
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