ただ、この記録を取る事は難しい。そして記録を保存するのも難しい。
記録するにはスキルが必要だあし、記録を他人が参照できるように、そして時間が経過した後もそれが可能なようにするのは至難だ。日本ではこれまで長期に渡る企業での勤務が想定されていたから記録が人の中に保存されている事が多かった。それはきっと今でも変わっていないかと考えられる。
自分は1つの企業に長くいる事が無いのでそうした記録に接する事があまりない。接すると言ってもほとんどそこには紙やディスクに保存された記録は無くて、人に聞くと言う意味になるが、こちらが知らない事は聞くインデックスすら知らないので聞けない事が多い。
ある意味、そうした状態はマレーシアと日本で共通する。マレーシアは仕事が属人的であるために、日本でもこれまでの雇用形態から安心して知識やノウハウを生身の人間に貯めてきた。日本は人間が会社の所有物なのでそれに関してマネジメントが行われない。マレーシアは不文律として口出さない事になっている。それで、蓋開けてみたら中は空っぽだったりもする。経験上よくある事。
いずれにせよノウハウも何も、貯まらないには違いが無い。

最近はそうした事への対策でいろいろなソフトツールが出てきている。全て知っているわけではないけれども、完全に良いとも言えない気がする。と言うのは、人と人のコラボレーションを重視しているからだ。と言う事は、守備範囲が時間軸の上での最近になるからで、昔の事はやはり積み重なって埃だらけで手も触れないものになってしまうのは変わらない。
多くの人が全てその分野の歴史を学んで来ているわけではないので古いものが今のものと同等に扱えるツールであるべきと考える。20年前の中古車は物としてはダメかもしれないが、造形上の美しさでは最新型と比べて論じても良いと言う事だ。ギリシャの彫刻とゴッホの絵とオノ・ヨーコの作品がともに美術館に置かれるようなもの。
だんだん話が変な方向へ行ってしまったので戻すけれども、記録していつでも、いつまででもそれが参照できるように何かした方が良いのは確かだ。そうでなければ集団としての財産が消えていってしまう。お金は流れ、物は出て行く。どんな知識も経験もそれが唯一の財産なのだから。
そしてその上で知識と人とまた別の人達を時間を超えて結びつけるのがマネジメントだろう。
今の仕事場では、実はあまり上手くできていない。ずっと以前からある問題が解決されないままに今もある。と言うのは問題がある以上、時々蒸し返されて出てくるからわかる。あれ、それまだできてないの?今まで何やってたの?と。少なくとも何か起きた時の事が詳細に報告されてシェアされていたり、以前やった事がすぐに検索できたりリアルタイムで回覧されるようになっていればそうはならないだろう。
そうした状況が改善できないところからしてマネジメントができてないってわけだけれども....