例えば、インドネシアのバリの人は初対面の人に会うと必ず出身地を聞く。自分の出身地に近いほど親近感が強くなる。また自分の身内や知り合いにその相手の出身地とつながりがあればそれも良い。
そうした事はその相手との距離感を決めるだけでなく、第三者との相対的な関係にも影響するものとなる。違う意見を言う二人に対する判断をする場合には、自分と近い方に加担するのが普通だ。スポーツの国際試合であれば、自国のチームがもう負けてしまっているような場合、それまで敵対的に思っていた国のチームでも近くの国の方に勝ってもらいたいと思うような事もある。
また内部がまとまらない国をまとめるには外に仮想敵国を作るような事もよく行われるが、それも1つの例だろう。

今の日本に関して言えば、領土問題も拡大している事などから隣国の中国や韓国には良い印象を持たない人も多い。食べ物についても気候が同じようなので同じ種類の食べ物があるならば、日本人は韓国のそれよりも日本のものの方が絶対に美味いと思っている。
ただ、それが日本を離れてマレーシアに来るとその判断は全く違ってしまう。どうもマレーシアでは韓国米などの韓国食材が日本人に好評であると聞く。日本では韓国の食品などキムチ以外に良いとは聞かないのだけれども、マレーシアに来ることで韓国は相対的に日本に近くなるのだろう。
つまり、逆を言えば、マレーシアの食品が美味しくないと言うことだ。もちろんそれは絶対的にそうであると言う意味ではなくてあくまでも日本の位置を基準にだんだんと美味しさの山が下がってくる、だから韓国が良くマレーシアがダメと言う意味だ。
人間の判断のし方は面白いものだ。これがもしインドや中東まで行けば、きっとマレーシア産ももっと高評価されるのだろうな、と想像する。どうだろうか?
この柿は韓国産。マレーシアでも普通に買おうと思えるほど今日は安くなっていた。