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鉄道エッセイ・・21世紀への警鐘・・

2005-05-14 12:28:10 | 旅・鉄道・グルメ…
鉄道エッセイ・・21世紀への警鐘・・

京福電鉄また正面衝突》という事件を扱った小論です。2001年07月頃、東京新聞の朝刊に「21世紀への警鐘」と題して掲載されました。

・・21世紀への警鐘・・
 25日朝刊一面に《京福電鉄また正面衝突》という大きな見出しが踊っていた。昨年の12月17日にも、正面衝突を起こしたばかりだ。それから未だ半年経つや経たずだというのに、このような重大且つ深刻な事故を短期間に二度にも渡って繰り返すとは、一体何がどのようになっていて、何がどのように説明されるというのだろうか。京福電鉄の責任はもとより、国の監督責任はどうなっているのだろうか。事故が起こるたびに当事者の陳謝と善処の言葉が繰り返される茶番劇に、国民はもう我慢が出来ない。言葉の遊戯は、もう沢山だ。
半年前の事故のときに、ATSを導入すべきと言う多くの論者の意見には、私は賛成しかねた。ローカル路線では、輸送量や車両の運行量を勘案した場合『必ずしもATSは、必要ないのではないか』というのが、その根拠だった。しかし今回の事件は、その見通しが間違っていたことを見事に示した。とても残念でならない。
地域に独占的な権益を持つ鉄道事業者が、一番心すべきことは「胡座をかく」経営姿勢であろう。今回は、図らずも京福電鉄が自らの姿勢を問わず語りに語ったものとも言えなくはない。
 だが今回の件は、一地方電鉄の問題というよりもそれを越えて、この国の社会全般に横たわる構造的な問題として捉えられるべきではないか。明治以来のこの国の全てのシステムが、制度疲労を起こしていると捉え直されるべきである。明治から百年以上を経過した今、社会全般に渡って、あらゆる制度矛盾が露呈してきているのが現状である。
今回の悲劇は、政治的・経済的側面を含めた社会的システム全般がもう一度見直されるべき時期に来ていることを示唆する21世紀への警鐘として、受けとめたい。

平成17年2月19日  YBB

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