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柳ケ瀬エレジー:過疎と路面電車

2005-05-14 00:03:00 | 旅・鉄道・グルメ…
柳ケ瀬エレジー:過疎と路面電車

 岐阜市内と近郊を走る名鉄岐阜市内線が、今年(05年)の春に全廃された。不採算が、その理由だ。

   
                        揖斐線廃線跡

 岐阜市とその近郊を廻ってみて驚いた。中心の過疎化が進むドーナツ化現象の典型である。人びとの居住地区は、かつて水田か雑草地しかなかった郊外に向かって急速に伸びている。通勤・通学・買い物客も、マイカーかバスで中心街を通過し、名鉄名古屋本線の名鉄・岐阜駅若しくはJR・岐阜駅へ出る。そこから名古屋へ向かう。そのような大きな流れが定着してしまっている。

中心街は、往還とも、単なる通過点に成り下がってしまった。岐阜市の中心的繁華街であった柳ケ瀬は、休日でも閑散として人通りすら疎らだ。かつての面影はどこにもなく、痛ましい限りだ。目抜き通りですら廃業してシャッターを閉めている店が多い。



ドーナツ化現象は岐阜市だけに限った問題ではない。しかし岐阜特有の原因も垣間見える。少なくとも岐阜の路面電車がもっと便利であれば、名古屋への往還に際して中心街が素通りされることは少なかっただろう。
一般的に、中心街へのアクセスに関しては、路面電車が、バスやマイカーよりも格段に秀れているからだ。


だがなぜ岐阜市の場合、路面電車の廃止が進むのか。岐阜特有の要因のひとつが、“往時には網の目のように張り巡らされていた「路面電車網」の活用を、長い間、等閑(なおざり)にしてきたこと”である。
市内と近郊に僅かに残された路面電車の路線も、今春に全て撤廃となった。

 これでは国が、環境や高齢者、身障者、子どもに配慮して推進している‘トランジットモール政策’にも反するのではないか。トランジットモールこそ、中心街の過疎化回避と活性化に必要なウルトラCなのだ。



それにはLRT(低床式で騒音の少ない次世代型路面電車)の導入が欠かせない。国土交通省は05年度に、「LRT導入」に対して、補助金50億円を予算化する方針を固めた。岐阜市の場合は、この流れに完全に逆行している。

平成17年5月13日

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