こんな夢を見た。
勤め先の経営状態が良くないというのは仕事の量から薄々気がついていた。
それ以前に社屋の引っ越しやら、同業者との合併、それによる急な職員の増員で、どうやって給料を払っているのか不思議だった。
印刷会社だったので、1人に給料を払うために一体何枚の印刷物を印刷しないといけないのかと思っていた。
今事務所では会社幹部と営業でこれからどうするか、話し合っているらしかった。
「どうやら給料カットらしい」
聞き耳を立てていた社員の1人がやって来て言った。
「給料カットしたからと言って、一体どれだけ倒産を先延ばしにできる?」
他の社員が言った。
「もう少しするとまとまった金が入るらしい。それで社員に給料が払えるそうだ」
そこで社員全員が事務所に呼ばれた。
社長が話し始める。
「社員の皆さんには給料遅延というご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ないと思っています。未払いになっている給料は必ずお支払いします。あと少ししたらまとまった金が入ります。それで払います。それまでどうか辛抱して協力していただきたい。まとまった金が入れば経営状態も改善して会社は通常通り経営していけるのです」
その通常状態が、低賃金で長時間重労働、残業代を払ってたら会社は潰れるという理由で払われていなかった。
そんな通常状態に戻ったところで、またこんな状態に戻るのは明白だ。
私はもはやこれまでと思っていた。
会議はお開きになり、皆仕事に戻る。
まずは人員削減だろと私は思った。
何もしていない奴が多過ぎる。
そして次は業務縮小だ。
身の丈にあった仕事量で、その稼ぎで食わせられるだけの人員で会社を動かす。
それができないならば傷を拡げないうちに廃業すべきだと思う。
この会社に入った時は社員は六人だった。
今では総勢六十人を超えて食わせるだけで火の車である。
見栄っ張りの二代目社長のおかげで、こんな事態になってしまった。
愛人を秘書にするべきでは無かったとも思う。
仕事をしていると職員が一人一人呼ばれていく。
ハンコ持参らしい。
なんでも給料の減額を伝えられるので同意書にハンコを押す為らしかった。
私は今のうちに逃げる用意をすることにした。
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