奥山舎 オウザンシャ

寺内はキリスト教とCharles Dickensの独立研究者。専門分野だけでなく広く社会問題に関心があります。

#競争考2

2022年02月23日 | 日記

 

人間は太古の昔より競争しながら存在してきた。その競争は産業革命以来、奪い合いの状況にあり、食うか食われるかといった猛獣的競争に傾いている。敗者の中には社会の中で自分の居場所を見つけられないか、見つけにくい人がいる。そのタイプを便宜的に3つに大別しておこう。1.自傷他害のケース。自傷は自らに留まるが、他害は被害者とその関係者を突然の不幸に陥れる。例を挙げよう。17歳少年の東大前殺傷事件、18歳少年の岡山駅構内での他者突き落とし事件、18歳少年の西鉄バスハイジャック殺傷事件・・・。事件を起こすのは少年だけでない。大阪・診療所放火殺人事件、秋葉原殺傷事件、大教大付属小殺傷事件・・・。2.うつ、不眠症等のケース。この種の患者は現在、心療内科や精神科にあふれている。3.引きこもりのケース。現在、中高年だけでも61万人余がこの状況にある。

 仮に競争の勝者であっても栄光は永遠でない。大阪の警官襲撃ピストル強奪、東京練馬の息子刺殺、東京湯島の息子撲殺、東京新宿の孫による祖父惨殺、・・・。

 以上の諸問題は誰の身にも起こりうること。明日は我が身と考えた方がよい。私たちの社会は硬直化している。柔軟な思考法が求められているのではないか。高卒後すぐに大学へ、はよいが、回り道も悪くないし、ペーパーテストの勝者だけを勝者と見るのではなく、職務の中で技能・頭脳を鍛錬した人にも道を大きく開くという複線思考が大切では。学習の目的は高位高所得獲得にあると考えるよりも心の豊かさの涵養にあると見るべきではないか。

 競争(勝利)至上主義に偏った、硬直した社会を軟化させる視点の1つは次のことではないか。所得・分配格差の是正(子供の7人に1人は貧困家庭)、非正規雇用の正規化、同一労働同一賃金の完遂、1日8時間労働の定着、年休完全消化とともにサバティカル(的なこと)の導入、行き場を見失っている人には親身に相談にのれる組織と機関の充実、・・・。これに関わって、上記「61万人余」の問題で1つ提案しておこう。この人たちには、このままで現世を終わってもらいたくない。生まれてきて良かったと実感してもらいたいのです。瀬戸内海には限界集落の島があると聞く。その地で空き家を借り受け、つつましい生活の中で、魚をとり、果樹野菜を栽培しながら、体力・能力に応じた労働をしてもらうのはどうだろうか。——理想を言い実現しようとすれば、私たちの所得は多少低下するかもしれないが、安心安全で、落ち着いたゆとりのある社会の形成には何かを耐えねばならないのではないか。私見にはご批判もありましょうが、私たちが日常的に抱えている困難な問題をどうすればよいのかを考えているのです。皆さんも社会の閉塞状況を打開する道を課題にしてくださっては・・・。

 

 

 

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#競争考1

2022年02月19日 | 日記

北京五輪第14日、高木美帆さんがスピードスケート女子1000メートルで五輪新記録の金メダル!このメダルで、冬季五輪1大会4個目の、日本勢最多のメダル獲得である。記録破りはこれにとどまらない。彼女はこのメダルで、夏冬通じた日本女子最多記録のメダル7個取得の偉業達成!まさに天才、おめでとうございます。強靭な体力、鋭利な滑走能力、不屈の意志力・忍耐力。すべて天賦の才だが、天賦であっても磨かなければ開花しない。そこに高木さんの不断の忍耐・努力があってこその満開。脱帽!ありがとう。高木さんの前方に、7歳年長のスプリンター小平奈緒さんがいる。この先人こそ高木さんの高峰。その背を追いかけ追いつき、今回の快挙。小平さんもアスリートの大天才!それだけではない。彼女の中には他者への深遠な思いやりと精神の豊潤さがある。彼女曰く「ともに世界を渡り歩いてきた。想像を超えるぐらい大きく成長したなと、リスペクトしている。」まあ謙虚!小平さん、ありがとう。あなたの中には精神の金メダルが輝いて見えます。そうですね、アスリートの狙いの本義は心技体の調和的錬磨にあるのですよね。このお二人は、斯界で金字塔を打ち立てた競争の勝者。いつものことだが勝者の陰に敗者がごまんといる。スポーツ界だけのことではない。人間の日常は競争で成り立ち、少数の勝者と大量の敗者が・・・。

 

 

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#<善と悪>の分かれ道

2022年02月15日 | 日記

 もと魚屋の尾畠春夫さんと大教大付属池田小事件犯

 前者は小学5年で奉公に、65歳で鮮魚店を閉めボランティア活動に、2018年8月行方不明の2歳男児救出。後者は8人殺害・10人傷害、死刑台へ。二人の分かれ道、<善と悪>の分かれ道はどこにあったのか、思慮・思索する価値がある。(2022.2月頃公開)

すぐれた短歌に出会いました(2022.11.5)
「いだかれて ありとも知らず おろかにも われ反抗す 大いなるみ手に」
九條武子夫人による短歌です。武子夫人は、本願寺第二十一代・大谷光尊さまのご息女としてお生まれになられた方です。またこの言葉は、武子夫人の逝去後に、大谷嬉子お裏方さまによって編纂された『九條武子全歌集 無憂樹(あそか)』(本願寺出版社、一九八三年)のなかに挙げられています。しかしも
とは、武子夫人存命中に夫人著として出版された歌集『無憂華』(実業之日本社、一九二七年)のなかに、「幼児のこゝろ」と題して掲載された歌です。
ここには、(続きは下記ホームページ)
(出典「浄土真宗本願寺派光明寺ホームページ」)

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#キリスト教の発生

2022年02月05日 | 日記

 #キリスト教考 キリスト教は大きな虚構と矛盾の上に成り立っている。旧約聖書は「律法」で「神」を「全能の神」と規定していますが、実態はユダヤの神、すなわち民族神なのです。後代、初代キリスト教会のペテロとパウロらは、ヘレニスト信徒のステファノに倣い、ヘレニスト信徒に転生して紀元48年頃「律法」を事実上放棄し、ローマ社会で布教に努め、392年キリスト教の国教化を勝ち取っています。それから5年後の397年、キリスト教会は新約聖書とともに、「律法」を含む旧約聖書24書(邦語聖書は39書)を正典と決めています。つまり、民族神を全能神と規定するとともに、いったん捨てた「律法」を再び取り入れているのです。他方、「律法」を命がけで守ったユダヤ教徒は二度のユダヤ戦争に敗れ135年亡国しています。彼らの神は全能神ではなかったのです。・・・・エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地ですが、そこに刺々しい空気が充満しています。「律法」でいう「神」は天地万物創造の全能神でなく民族神に過ぎないのですよ。信徒の皆さん、柔和な顔をされてはどうでしょうか。                                           

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#自己紹介

2022年02月05日 | 日記

戦火抜け、母子家庭、赤貧、中卒、就職、離職、離職・・・、一念発起、夜間高校、やったことのない勉強、大学受験、失敗・・・、合格、高校教員、大学院、教員の傍ら論文執筆、英米仏の有名学者から’your eagle eye', 'the eye of a hawk', 'your sharp-eyed alert', 'the world champion!'の評言。敗北王でも忍耐辛抱我慢して一生懸命生きておればいくらかの道は開ける。本を書いています。

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#統合型リゾート(IR)の誘致

2022年02月05日 | 日記

大阪市が夢洲に統合型リゾート(IR)の誘致に取り組んでいます。横浜市民は市長選挙選で、「博打は許さん」とIR誘致拒否の意思表示をしました。これの道筋をつけた一人が「ハマのドン」藤木幸夫さん。彼の活動が2020年2月6日、朝日放送テレビ「ハマのドン”最後の闘い”ー博打は許さないー」のタイトルで放映されました。いわく、博打は夫婦別れ、親子別れのもと、侠客とは「弱い者をたすける人」と。藤木さんの腹の座った生き方に感じ入りました。藤木さんありがとうございました。

 

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