奥山舎 オウザンシャ

寺内はキリスト教とCharles Dickensの独立研究者。専門分野だけでなく広く社会問題に関心があります。

#われら定時制の会 #我ら定時制の会 #「われら定時制」の会 #「我ら定時制」の会

2023年12月08日 | 日記
定時制高校で学んでいる皆さんへ。
 住む家がなく仕事もなくなったのであれば、厚生労働省の支援組織がありますよ。ここを開いて
< https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000073432.html >
< https://minna-tunagaru.jp/ichiran/ >
大阪ならここ< https://minna-tunagaru.jp/ichiran/osaka/#a-02 >

特定非営利活動法人サンカクシャ」もありますよ。
「サンカクシャは、親や身近な大人を頼れない15〜25歳くらいまでの若者が孤立せず、自立にむかえるよう、若者の社会サンカクを応援する団体です。 」
ここを開いて< https://www.sankakusha.or.jp/about/ >

  くじけるな、こけてもこけても立ち上がれ!

「われら定時制」の会はつぎの経緯で生れました。前段が少し長くなりますが我慢してください。 
 寺内孝は太平洋戦争(1941-1945)の勃発前に生まれました。先祖は醍醐寺三宝院の寺侍でした。祖父は明治から大正期にかけて国鉄の車掌をしていました。そういう関係で、九州に行った時には当地で大量に炭を仕入れ、京都で販売して一定の財をなしました。大正時代の初期に、京都で5階建てのビルを建設する計画がありましたが、1,2の理由で、話が進みませんでした。この計画に代替するものかどうか知りませんが、祖父は、賀茂川をはさんで、植物園の対岸に家を3軒建てました。後にこれらの家は、理由は知りませんが、売却されました。それを知った、建築にかかわった大工の棟梁が大変驚き、残念がったという話を母から聞いています。祖母は段通(模様のある厚手の敷物 )織りに長けた人でしたが、1918年-1920年(大正7年-9年)に猛威を振るった スペイン風邪に感染して死亡しました。祖父は娘(7歳)(長男夭折)一人をほっておけないとの理由で、助役直前であった車掌職をあきらめ、京都駅近くで小さな宿屋を始めました。母は二条女学校に入学しましたが、何かの理由で大谷裁縫女学校に転校し卒業しました。母はわがままな性格の人で、生きる力に欠けていた人でした。わたしの父は、京都の友禅の型彫師で、友禅彫刻業を営んでいましたが、肋膜炎を患い、それがこじれて離縁に至りました。母のわがままな性格と無関係ではないと思っています。わたしは2歳でしたので父のことは知りません。我が家に、確かな跡取りがいなかったことと戦争が始まったことで、一家は坂道を転げ落ちるように転落していきました。祖父は昭和20年に栄養失調(だったと思います)で死亡しました。祖父健在の間は、鉄道員の恩給がありましたが・・・。生きる力に乏しく、我が儘な母は男児2人をかかえて、戦後の荒れ野で路頭に迷いました。わたしは中卒で就職しましたが遊び慣れして育ったものですから、仕事は長続きしませんでした。そうして2年間が過ぎたとき、これではいけないと猛省し、北野高校の定時制課程に入学しました。教室の机に座った時に、感激・感動で胸が震えたのを今も忘れていません。ここで出あった級友たちはみな素晴らしい人たちばかりでした。境遇が似ていましたので気心が通じ合ったのです。先生方は学者ぞろいでした。強い刺激を受けましたので、よし大学へ行こう、と決心したのです。決心したとはいえ、勉強なんてしたことがなかったものすから、それはそれは大変でした。中学校の勉強から始めなければなりませんでした。獅子奮迅奮闘、死に物狂いで勉強しました。貧しい生活の中でしたのでよくまあ結核(当時「国民病」といわれた)に感染しなかったものと何度思ったことか。お陰様でいまは定年退職、年金生活者です。
 私たちの学校は1937年 4月大阪府立北野夜間中学(定時制の前身)として発足し、2009年 3月閉課程となりました。この間、有為な人材が多数輩出しました。これは事実です。わたしの在学当時、ある先生が「昔は教師も生徒も紙一重だった。最近の生徒ときたら・・・」と嘆息されたのを記憶しています。
 定時制の同窓会・北辰会は1941年に発足しましたが、2024年12月31日をもって解散します。一卒業生としてまさに断腸の思いです。
 本年(2023年)4月、京都で、65年来の3人の友人と会いました。私たちのグループは6人でしたが、うち一人は50代半ばで心臓弁膜症で他界し、もう一人はコロナの最中、すい臓癌で亡くなりました。京都での集まりの席で、「われら定時制」の会の提案をしましたら、みな二つ返事で賛成してくれました。会の趣旨は、私たちの学校が存在していたことを発信することと、全国の定時制卒業生の仲間とネット上で手をつなぎあい、苦しい中を生き抜いてきたという感情を共有することと、いま定時制高校で学んでいる生徒たちに、私たちの存在を知ってもらい、エールを送ることです。「毎日はしんどくとも、くじけずに、真面目に辛抱強く働き学び、こけても、こけても、こけても、立ち上がれ!これが定時制魂だよ」と。私たちには資力はありませんから経済的な支援は出来ないのが残念ですが、せめて精神的な支えになれば、という心境です。
 私たちの学校はなくなりましたが、大阪にはなおも16校の府立高校定時制課程が存在し、堺市立・岸和田市立を合わせれば18校になります。私たちは戦争犠牲者の一面がありますが、今の生徒たちは経済格差社会の犠牲者とも言えるでしょう。子どもの7人に1人は貧困家庭といわれています。これらの子どもたちが、働きながら学ばなくともよい社会の実現を願わずにはいられません。

「われら定時制」の会、会員
定時制の課程 21期生 寺内孝、西田正夫、松井義隆、渡邊成彬(50音順)。

大坂の定時制高等学校を知る資料
< https://www.pref.osaka.lg.jp/kotogakko/hp/tei.html >
< https://www.osaka-c.ed.jp/sano-t-p/teitsu/28/ichiran.htm >
公益財団法人 全国高等学校定時制通信制教育振興会 <  https://kokotto.com/list/ >



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#寺内孝の経歴と業績

2023年12月08日 | 日記
経 歴
大阪府立北野高等学校定時制の課程卒業 / 神戸大学教育学部英語科卒業 / 大阪教育大学大学院修士課程(英語教育英語第二講座)修了 / 高校教員のかたわら研究に従事。定年退職後無職 
業績(ホームページhttps://tera-u-chi.sakura.ne.jpも参照してください)
 1.論文等
1.Charles Dickensの小説は大抵が扉のつぎに‘Characters’(登場人物表)を載せているが、このリスト(1980年代現在)には誤謬が含まれていた。Hard Timesでは"THOMAS GRADGRIND, his youngest son; a selfish ..."とあり、The Chimes in Christmas Booksでは"TUGBY, porter to Sir James Bowley"とある。これらは誤謬で、それぞれ、"THOMAS GRADGRIND, his eldest son; a selfish ..."、"TUGBY, porter to Sir Joseph Bowley"が正しい。この資料をOxford University Press に送り、同社から2通の書簡で謝辞と共に、上記の指摘が正しい旨、回答を得た。約100年間、誤記が見過ごされていたことになる。
2.Murray, James A. H., et al., eds.  The Oxford English Dictionary. (Oxford: Clarendon, 1933, 1989)に対し、"material" "quotations" "additions and corrections" など4、50の資料を提供した。この業績により、Oxford 社から5通の謝状を得た。
3.Norton Critical Editions, Charles Dickens, Hard Times: An Authoritative Text, Backgrounds, Sources, and Contemporary Reactions, Criticism.   Edited by George Ford and Sylvère Monod. (New York: Norton, 1966) はタイトルにあるようにHard Times.の権威テクストである。しかし本書には幾らかの不備が含まれ、拙稿For a Better Norton Critical Edition of Hard Times (Studia Anglistica No. 2 [1982] 所収)で指摘した。この業績により、① Monod教授(b. 1921-d. 2006)から’your eagle eyes’の評価を得た ② Charles Dickens. Hard Times(New York & London: Norton& Company, 2nd. ed., 1990, p. xii. / 3rd ed., 2001, pp. x, 239. / 4th ed., 2017, p. 253)に私の氏名が出た ③ 本論を含むHart Times関係5点の論文でPhilip Collins教授(b. 1923- d. 2007)から次の評価を得た:‛You must be not only the champion Japanese scholar on these topics, but also in many areas of verbal and textual detail the world champion!’ 
4.The Letters of Charles Dickens. (Oxford: Clarendon Press, 12 vols.)のSupplements の作成に貢献した。この業績により、Andrews, Malcolm, ed. The Dickensian に私の氏名が10回出た。なお同書簡の更なる不備を指摘し、Andrews教授から2019年8月28日付で”Thank you for your sharp-eyed alert to the Pilgrim inconsistency”の謝辞を得た。
5.インターネット上の討論の場The Dickens Forumに19回登場した。その中に、Forumの編集者Patrick McCarthy教授(b. 1922 - d. 2019)の次の記事(dated 11 November 2011)が含まれる。
Friends of the Forum,
 Being under the scrutiny of your fellow subscriber, Takashi Terauchi (Mr.) occasionally makes your editor nervous about his own fastidiousness.  Writing from Nomura, Kusatsu City, Shiga, Japan, Mr. Takashi Terauchi has been scrutinizing the text of the 12-volume Pilgrim Edition of _The Letters of Charles Dickens_ with the eye of a hawk.
6.The Mystery of Edwin Drood is Finished, not “Unfinished”を執筆し、学会誌に投稿したが掲載不可となり、ホームページに掲載。これがネット上のフォーラムVICTORIA (the online discussion forum for Victorian Studies)の目に留まり、2020年7月4日付で世界に配信され次の反応を得た。
①  I’m sorry it has taken me so long to get round to reading your essay on Drood with its highly ingenious argument identifying Grewgious’s clerk Bazzard as the mysterious Datchery who suddenly appears in Cloisterham and its discovery of such great significance in the title of his play The Thorn of Anxiety.  The essay does contain rather a lot of unproven, and often rather startling, assertions, such as that Dickens underwent a ‘spiritual conversion’ after Katey left Gad’s Hill, that he showed Ellen his will, and that his death resulted from an overdose of opium, but it certainly makes for lively reading and is calculated to send one back to the text with fresh interest.  I am sure it must have occasioned some lively discussion when you read it to the Japan Dickens Fellowship.  Thank you again for sharing it with me. (By Professor Michael Slater、dated 9 July 2020)
② Thank you for the two links leading to your articles which I found very interesting. I apologise for not writing sooner but it took me time to read the two articles and I am going to publish the first one about Charles Dickens (with the link naturally) life and excellent piece about his work. Not the second one as I don't quite understand it and the mind you wrote it; besisdes I'd rather avoid talking of a private aspect as faith and moral behaviour, as it can be so differently interpreted. I hope you don't mind though and I 'll make the most of the first one. (By Professor Annpôl KASSIS, dated 7 October 2020) 文中のthe first oneはThe Mystery of Edwin Droodを指す。the second oneは拙著Charles Dickens: his last 13 years.の前半部分を指し、その後、後半部分を提示し、現在反応待ち。
 2.著書
1.『チャールズ・ディケンズ「ハード・タイムズ」研究』あぽろん社、1996.
2.『簡素への誘(いざな)い―荒廃から再生へ』日本図書刊行会、2001.
3.『神の成長―古代ユダヤ教とキリスト教の神の研究』あぽろん社、2002.
4.Revivalism and Conversion Literature: From Wesley to Dickens.  Hon’s ペンギン、2005.
5.『英国一周鉄道知的旅日記』ブックコム、2008.
6.Charles Dickens: his last 13 years. ブックコム、2011.
7.寺内孝「ユダヤは『律法』で滅びキリスト者は『律法』破棄で勝利した―閉塞の支配知識階級と無学者の突破」、鶴見良次・編『成城イングリッシュ モノグラフ』第43号、青木健教授退職記念号(東京:成城大学大学院文学研究科、2012年3月、224-25頁)。
8.『キリスト教の発生 イエスを超え、モーセを超え、神をも超えて』奥山舎、初版(2018.11.28)、改訂版(2020.10.17)、二訂版(2021.3.26)、新装版第一刷(2021.12.27)。
 3.復刻:下記カタログに“FOREWORD”をつけて復刻
Stonehouse, J. H., ed.  Catalogue of the Library of Charles Dickens from Gadshill … Catalogue of the Library of W. M. Thackeray…(London: Piccadilly Fountain Press, 1935), with “FOREWORD” by Takashi Terauchi, a member of the Japan Branch of the Dickens Fellowship.(自費出版、2003年) 本復刻本はThe Dickensian (Spring 2004) の“Brief Notices” (pp. 62-63)とDickens Quarterly (June 2004)で紹介された。
所属学会 
ディケンズ・フェロウシップ日本支部 / 日本英文学会中国四国支部 / 日本ヴィクトリア朝文化研究学会
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#聖書の無誤性(せいしょのむごせい)と聖書無謬説(せいしょむびゅうせつ)

2023年12月06日 | 日記
 聖書の無誤性とは、聖書が原典において全く誤りがない神の言葉であるという、聖書の教理の前提である。この立場では「歴史と科学の分野を含んで完全に正確」であり、誤りの部分はないと主張する。無誤性は、聖書は「信仰と生活との誤りなき規範」であるが、歴史や科学の分野には誤りがあるとする聖書無謬説(限定無誤性、部分的霊感説)とは区別される。(出典:ウィキペディア「聖書の無誤性」) 付記、ウィキペディア「聖書無謬説」も有益です。
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#心神喪失状態と犯罪予防

2023年12月03日 | 日記
 神戸市で2017年に、32歳の男性が、祖父母と近隣住民の計3人を殺害し、母親ら2人に重傷を負わせた。被告は裁判の結果、心神喪失状態での犯行として無罪が確定しました。
 重ぐるしい事件です。この種の事件はどうすれば回避できるのでしょうか。思うに、被告の犯行動機は、ある日突然に発生したのではなく、いくつかの前段階があったのではないでしょうか。犯罪を予防するには、その前段階を捉えて、被告の環境を変えるべきではなかったか、と思うのです。病院となれば、抵抗感があるでしょう。むしろ人里離れた静かな環境、つまり療養所のような避難所が必要と思うのです。罪を犯しそうな人が、「助けて」の声を上げれば、助けてもらえる環境をつくるのです。そういう場所で、投薬をうけながらゆっくり回復してもらうのです。こういうアイデアは価値がありませんか。

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