奥山舎は一人出版社です。舎主は寺内孝です。寺内は英国19世紀の文豪チャールズ・ディケンズの研究者ですが、キリスト教の研究もしています。英国はキリスト教を国教とする国ですから、キリスト教のことが分からなければ、英国人の内奥が理解できないと信じるからです。
奥山舎の最初の刊行本は「キリスト教の発生――イエスを超え、モーセを超え、神をも超えて」です。イエスは律法維持者、モーセは律法受領者、神は律法授与者です。この律法を、キリスト教原始教会(初代教会)は西暦48年頃に使徒会議(教会会議)を開いて事実上の廃棄を決定しています。つまりイエスを超え、モーセを超え、神をも超えたのです。そして彼らは、ユダヤ戦争(66-70年)を避けて、ローマ世界へ移動し、ローマ帝国下で、激しい迫害に耐えながらキリスト教を布教し、西暦392年、ローマ帝国で国教の地位を得ています。「キリスト教の発生――イエスを超え、モーセを超え、神をも超えて」は良書と自負します。