#競争考3 安倍晋三元首相狙撃考犯Y君は母が宗教団体に入信し、献金で生活苦に陥り、その団体に恨みを抱き、団体トップを狙おうとしたが難しかった。阿部氏は団体とつながりがあると見て狙った、と。こんなことをして何が解決するのか。社会を混乱と不安に陥れ、民主主義社会の安定を損ない、新たな恨みを拡散させることになる。社会の被った損失はあまりに大きい。
恨みを抱くのであれば、母の精神に向けるべきではないか。母が説得を受け入れなければ、自分はそんな人間にならないと決意し、どうすればこの社会を変えられるかを思慮し行動する人間になるべきではないのか。
人間は生きている限り、悔しいこと、無念なこと、悲しいことにしばしば遭遇する。そんなことがあっても恨みという思考回路を自分の中につくるべきではない。幼時から「罪を憎んで人を憎まず」の回路をこそ涵養すべきだろう。
彼の母は1億円をこえる献金を教団にし、そのために子どもたちは日常の食べ物にも困ったと。これでは教団は彼女を救済したと言えない。宗教とは何かという深刻な疑問を投げかけている。
もし、Y君の苦悩をじっくり聞いてあげ、解決につなげる機関・組織があったらと思うと残念です。教団の献金問題などに取り組んでいる弁護士、ジャーナリストなどがあるという。そういう人たちを大きな束にまとめ、強力な集団にし、教団の問題点を社会に問うべきではなかったのか。そういう組織があれば、そしてY君をそこへつなげてあげていたら異なる結果になっていたのではないか。
Y君は就職氷河期の世代です。厳しい競争社会の中で身の置き場を見つけることが出来なかったという面は否定できません。政治家は、強いもの勝ちの社会、格差社会の現状にもっと目を向けるべきでしょう。