江戸しぐさという処世術 とても興味があります。
江戸しぐさとは、江戸時代の商人達が実践していた、礼儀作法や粋(いき)な所作のこと。だそうです。
代表的なものとしては、狭い道で人とすれ違う時に、肩がぶつからないよう、互いに身体を斜めにするような形で譲り合って通り過ぎる『肩引き』とか。
雨の日に人と人とがすれ違う時、相手に雨のしずくがかからないよう、相手と反対の方へ傘を少し傾ける『傘かしげ』とか。
バスや電車であとから人が乗ってきたら、こぶしひとつ分、さり気なく腰を浮かせてすこしずつ幅を詰めながら、一人分の席をつくる『こぶし腰浮かせ』とか。
この動作はたぶん、CMやポスターで目にした人も多いはず。
数ある江戸しぐさの中でも、おおっ!と感動して気に入ったのは、
『うかつあやまり』
これはいい!
これはいい!
どういう動作かというと、人混みなどで足を踏まれた際,踏んだ側が謝るだけでなく,踏まれた側も自分の不注意さを詫びて、相手を気遣うことです。
たとえば自分が誰かの足を踏んでしまったとして、『あ!すみません。。』と謝ったのに、相手からムッ!とされたら、謝って損したー!とさえ思ってしまいますよね。
でも、そこで相手から((いえいえ、気にしないで。こちらも不注意だったのだから))という想いの伝わるような言葉や、優しい表情を返されたら、とても救われるし、温かい気持もわいてきませんか?
お互いに、嫌な感情を残すことはなくなって、気分もいい♪ ですよね!
私は自分で言うのもなんですが、公共の場でのマナーはわりといい方なんじゃないかな、と思います。そのせいか、人にぶつかってこられたり、足を踏まれたり、割り込まれたり、といった頭にくるようなことは滅多になく、道を譲られることは多く、ありがとう、とか、すみません、というしぐさや言葉をきちんと返すことのできる、マナーのいい人によく遭遇します。
これはやはり、公共の場で自分がどう意識して振舞うか、ということが、大きく影響するような気がします。
そもそも「江戸しぐさ」は下町の人口密度が現在の数倍もあった江戸の町で、人々(大半は商人)がどうしたら気持ちよく生活できるか作り上げられたものらしいです。
現代でもどんどん広まって、復活されていくといいなぁ。