電車の中で座っていて、読みかけの本をバッグから出したまま、ついうとうとと眠ってしまったことがありました。
はっ! と気づいた瞬間、そこは降りるべき駅でした。
ドアが閉まる前に私は慌てて降りたのですが、しばらくして、本がないことに気づきました。
慌てて降りたせいで、本は車内に落としてきてしまったようです。
思い起こせばあの瞬間、私の意識は電車から降りることのみに集中していたせいで、その他のことは、まったく無意識状態でした。
バッグだけは、よくぞ手に握って降りてきたものだと思います。
もしかしたら、「本を落としましたよ!」と、車内にいた誰かが親切に声をかけてくれたかもしれないけれど、そんなことにも気づけませんでした。
その時の私の意識は、電車から降りることのみに集中していました。それ以外に関することは、そこに存在していても、私にとっては存在していないも同様でした。
これは、人生にも当てはまることだな、と改めて考えさせられました。
私の人生は、私が意識を向けているもののみで構成されているのだな~ と強く実感!
意識を向けることは、暗闇の中でそのものにスポットライトを浴びせることと同様です。
人はなぜわざわざ、見たくないものにもスポットライトを当ててしまうのでしょうね。
取り越し苦労なんてものは、姿なきものを勝手に創りあげた上に、意識というスポットライトも当てているわけですから。
なにが楽しくてそんなことをしてしまうのだ自分!? …と、自分に問いかけてみたところで答えは得られず。
意識の外に排除してしまえば、それは存在しなくなるのはわかっているんですけど。
それが難しい。