谷川岳・強風

天気図を確認するのは山をやるものとして当然の行い。
それをやらないからこういうことになる、という反面教師の記録。

今回、同行したのは友人のwata君。
「山がやりたいっす！」という彼の願い受けて、昨年は北アルプスの穂高に行ったが、悪天で敗退。今回はそのリベンジだった。

１０月８日は快晴のはずだった、が、日本海側は予想以上に低気圧が発達し移動も遅かった。
東京を出発したのは、３：５０。
南を見ればオリオン座、北を見ればカシオペアと北斗七星が燦然と輝いていた。
雨が降り出したのは関越赤城高原ＳＡあたり。みるみる強風＆豪雨に。
水上で下りたときには、道路は強風で折れた枝や木の葉が散乱していた。

「７時までに低気圧が通過すれば登れるだろう」と楽観して車中で仮眠。
周りには、やはり山に来た人びとが空を見上げてウロウロしている。

駐車場係のお兄ちゃんが来て窓ガラスをノック。
「昨日からこんな感じで…どうします？　ゴンドラは動かないし。もし、帰られるようでしたら、駐車料金は要りませんから…」
もともとゴンドラに乗るつもりはなかった。
今回は西黒尾根の末端から１１００ｍ一気に登る予定。
とりあえず、お兄ちゃんに料金５００円支払う。

８：００。
風は地響きのようにうなりを上げ、横殴りの雨もどんどんひどくなる。
寝るのも飽きたので、ゴンドラ駅へ行ってみると、レインウエアを来た登山者が数十人ウロウロしている。
どうやら強風大雨警報が発令されたようだ。

９：００
ゴンドラは午前中運行中止が決定と放送された。
これで、ゴンドラを使って稜線にアプローチすることもできなくなった。
駐車場の車はみんな帰って行く。

ここまで来て何もせずに帰るのは馬鹿馬鹿しい。
かといって、無謀に登ってにっちもさっちもいかなくなるのも恥ずかしい。
５秒ほど思案して、行程を大幅変更。
旧道を通って、一の倉沢の出合まで「お散歩」することに決定！

さっそくレインウエアを着込み、出発！
ざっと風速３０ｍ。千鳥足になってしまう。
旧道は、折れた木の枝や葉が散乱している。
西黒尾根の入り口をさっさと通り過ぎ、先を急ぐ。
wata君と和やかに山談義をしつつ、マチガ沢に到着。
谷には深く雲がたれ込めている。東南稜の末端がわずかに見える。
強風で、沢の水が横殴りに飛んできた。さらに先に進む。

ぎゃー！
木が折れて道をふさいでいる！
歩いているとき、あんなのが降ってきたらひとたまりもないぞ。
その先にも落石があった。
風がうなりを上げるたびに、斜面を見上げる。

約１時間で一の倉沢出合に到着。
出合にはテントが一つ張られていた。
一の倉沢の陰気な景色が、この天候で一層不機嫌さを増し、威圧感を持って迫ってくる。
滝沢下部に落ちてくる滝の流れは、強風に煽られ飛沫となって消えていく。
wata君は、一の倉沢を初めて見る。
あまりの迫力に低くうなり声を上げていた。

とりあえず記念写真。右がwata君。左は私。
うー、風が強くてとばされそう。
アンパンと水で一息ついて、さっさと退散。

１１：００過ぎに駐車場到着。お疲れ～！

＜おまけ＞
帰りに温泉に寄った。
谷川温泉「湯テルメ谷川」。水上町営の日帰り温泉施設である。

料金は５５０円。町民なら３５０円。
露天風呂も広くて気持ちよい。
眼下にはきれいな谷川が流れる…はずだが、今日は濁流。

食事は沼田駅近くのレストラン「エルベ」に入った。

「谷川のパスタ」がウリ。この店は１０年前に山の師匠に教えてもらった店。
実になつかしい気持ちで入った。
今回食べたのは、スープ納豆＆バナナジュースの「エルベ定食」１０００円也。
スープ納豆？？
かべにはこんなイラストが。

う～む、よくわからんが、体には良さそうだ。

で、出てきたのがコレ。

スープパスタである。
納豆は自家製だそうだ。
拡大すると、こんな感じ。

きざみ海苔の下に大量の納豆が。
でも、これがすごく美味しかった。
ボリューム満点で、パスタは２人前ぐらい入ってそうだった。
フレッシュなバナナジュースも花マル
これで１０００円はお得。
また食べたくなる魔性の味といったところか。