お気楽ナチュラリスト

都内に住んでも心はナチュラリスト。
週末は山と川で遊びたい。

恒例 南ア源流釣行

2017年07月31日 | 釣り
ここ数年、夏の恒例行事となっている南アルプス源流釣行。shinichiさんとともに今年も行ってきた。
1週間前から天気予報が怪しげに推移していたものの、楽観主義というか希望的観測のもと出発した。
深夜の高速道路を走っているときから、すでに雨が降ったりやんだりを繰り返している。


タクシー待ちをしていると、ここでも雨がポツリポツリ…。
待合場所の小さな軒下に身を隠し、雨をしのぐ。

もし雨がひどくなったら…、と二重三重の策をshinichiさんと話し合いながら、現地に向かう。
予想したよりは何とかなりそうな感じになってきたので、初期の目的通り歩き始めた。


明るくなってからも空は重い。
雨は相変わらず断続的に続いているが、レインウェアを着込むほどではない。

途中で会った方から、クマの情報を得る。
「この先にクマがいるから気をつけて。」
クマに気づいて逃げてもらえるよう、手をたたいたり、声をあげたりしながら、緊張して歩く。
おかげで、長く単調な道のりがスリル満点になり、いつもより短く感じた。


目的地に到着するころには雲の合間から青空も見えるようになり、お互いの晴男力を称賛しあう。
やっぱりこうでないと。



テントは久しぶりにモンベル・ゴアアルパインドームを持ってきた。
すでに絶版となっているこのテントは、少々重いものの、設営しやすさと耐久性に絶対の信頼を寄せている。
雨がちな天候の中、素早く設営できるシングルウォールは大きなアドバンテージだ。

今回の快適なテントライフはこれで約束された、はずだったのだが…。
まさか、あんなことになろうとは。


このあと起きる悲劇を予想することもなく、早速テント場近辺の様子を探りに出撃。



事前情報で渇水が心配されていたものの、気にするほどのレベルではなかった。
イワナはセオリーどおりの場所に着いていて、一投目でイワナはミノーをひったくった。



試したかったBLINK飛燕にイワナは素直に反応してくれた。
瀬に出ていたイワナの目の前をフローティングミノーは小気味よく踊り、そしてステイ、たまらずイワナは食らいつく。
楽し~!




居付きを示すオレンジの腹。
いい色だ。



短い時間で4尾を釣って、気分よくテント場に戻る。
shinichiさんとともに、これまた恒例の小屋のラーメンをいただく。

ラーメンができる間、小屋のアイドル・にゃんこ先生に遊んでもらった。
野菜たっぷりのラーメンを食し、午後の釣りへのモチベーションが高まる。



しかし、天気がよかったのはここまで。
この後は、雨が強くなったり弱くなったりを繰り返す展開になった。
せっかくだから雨がひどくなるまでは釣ろうということで、谷に分け入る。




先行者が入っているとのことだったが、ここは先行者のプレッシャーなど関係ない。
フローティングでもシンキングでも、イワナが居さえすれば釣れるのだ。



このイワナもBLINK飛燕で出た。さっきとは色違いのアユカラー。



谷を奥へ進む。
もちろん目当てはヤマトイワナだ。



釣れるイワナは、だんだん白点が薄くなり、ヤマトの血が濃くなっていることを感じることができる。
釣れた瞬間は「あっ! ヤマトだ!」と歓喜の声をあげるが、よく見るとうっすらと白点が混じっていて、「ほぼヤマト」にちょい格下げとなる。



クライマックスは、この一尾。
シンキングのあなさんミノーに、勢いよく喰らいついた。

28.5cmの厳つい顔をしたイワナ。
尺には届かなかったが、凄みのある個体だ。
部厚い口元、ヒレの大きさ、濃いオレンジ色の腹部、いずれも素晴らしい。

白点は、よく見ると尾びれの近くにうっすらと数個確認できた。

純血まであと一歩だったが、今日はこれで十分である。
雨がひどくなってきたので、谷を下ることにした。
短時間ではあったが、私もshinichiさんも十分な数のイワナを釣り、癒された。



晩飯の時間には、まだ早い。
shinichiさんは、テント場付近で釣りを続行していたが、私は雨の音を聞きながら疲れて寝てしまった。



なんとなく足に冷たさを感じて目を覚ますと、テントの中はえらいことになっていた。

おどろいたことに、テント内が水浸しになっている。
慌ててタオルでふき取り、ジャージャー絞る。
浸水個所を探ると、テントの隅2か所から水滴がしみている。
そこにタオルをあてがい、とりあえず様子を見ることに。


夕方になってshinichiさんが戻ってきた。
小屋の仮設テントの下で簡単な夕食を済ませた。

雨は降り続いているし、テントは濡れるしで、ビールを飲むこともなくテントに戻った。


雨は強まったり、弱まったりを繰り返し、テントを打ち続けた。
浸水は夜通し続き、うとうとしかかっては、しみ込んでたまった水をふき取る作業を延々と続けた。
ゴアの部分は全く問題ないのだが、どうやらゴアとフロア面のつなぎ目が原因ではないかと思う。
シームテープが劣化して、そこから水が沁みてくるようなのだが、場所の特定ができない。
いつの間にかフロアにあちこちで水が溜まってきてしまうのだ。
唯一の救いは、エアマット。乗っていれば、水に濡れることはなかった。
半身用エアマットと、ザックを下敷きにして、微動だにせず横たわる長い夜だった。



明るくなってからも雨は続いた。
すでにテンションが最低レベルにまで落ち込んでいた私は、釣りに行く気力は1ミリも沸いてこなかった。
shinichiさんには申し訳なかったが、朝食を済ませて撤退することに同意してもらった。


小雨の中、片づけを急いだ。
装備すべてに水を含んだザックは、来た時より1.5倍くらいの重さになっていた。



帰り道、天気は不安定さを保ったまま、時折り晴れたり曇ったり小雨をぱらつかせたり。
釣りをしようと思えばできなくもない天候だったので、shinichiさんには大変すまないことをした。



shinichiさんに言われた。
「毎年、なんかありますよね。」

うぐぐ、返す言葉もない。
去年は、足を怪我した。おととしは、ロッドティップを無くした。
ひょっとして、私は南アと相性が良くないのだろうか???


まぁ、悪いことはサッパリ忘れて、また心を躍らせながらここに戻ってくるんだろうな。

来年の夏は晴れますように!
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« キャラバンKR_3R WIDE | トップ | 南アルプスの女王はいつもき... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 (高崎)
2017-07-31 21:26:08
ここのところの雨で状況は改善したようですね。
28.5センチのほぼヤマト、やっぱりええですねえ。
僕は先週、大井川源流のいぶし銀ヤマトに会いたくて3泊の予定で向かったのですが
椹島までの道路工事が3か所で通行時間が制限されていたた
めやむなく野呂に転身したのですがひどい渇水で数は釣れても7寸止まりでござんした。
水浸しのテント、またいい思い出がひとつできましたねえ!
返信する
Unknown (shinichi)
2017-08-01 07:54:19
今年は黒部も南アも雨にやられちゃいましたね~。でも行けばやっぱ楽しい\(^-^)/
テント浸水は災難でしたね。
毎年の事件も笑っていられるうちは良いのですが。大事に至らぬよう、わたしも今一度気を付けようと思います。
またよろしくお願いします!
返信する
Unknown (ヒルマ)
2017-08-01 14:15:08
今回は南アルプス源流ですか!いいですね~
渓相も岩魚も素晴らしいです

ゴアのテント、モンベルのアフターは優秀らしいので、シールの貼りなおしで綺麗に直ればいいのですね
返信する
お返事 (papachan)
2017-08-01 20:45:27
>高崎さん
こんばんは!
大井川は残念でしたね。私は、大井川は行ったことがないので、いつかは挑戦したいと思っています。
雨が功を奏したのだと思いますが、いい感じのサイズが出てきて満足しました。
テントの浸水には参りましたが、高崎さんのおっしゃる通り、いい思い出かもしれませんね。
何事もプラス思考が大切ですね。

>shinichiさん
こんばんは!
釣りの内容は充実していましたが、今回も何かと足を引っ張りがちで反省しております。
アウトドアでの遊びにハプニングはつきものですが、それにしても多すぎですね。
来年こそは、はじめから終わりまでトラブルなしで行きたいものです。

>ヒルマさん
こんばんは!
とりあえず、今シーズンのビッグイベントは終了です。
飛燕の活躍の場が作れてホッとしております。
テントは自分で補修しようかなと考えていましたが、モンベルに出すのが正解でしょうね。
愛着のあるテントなので、末永く使いたいです。
返信する

コメントを投稿