今日は、いよいよ槍の穂先へ。
しかし、落とし穴は下山時に待ち構えていた!?
※前編はこちら
眠りが浅い私でもさすがに疲れが溜まっていて、それなりに眠ることができた。
起床は、4:30。
スマホのアラームが鳴ると、隣のブースでも同じ音が鳴っていた。
今日中に下山するとなると、やはりこれくらいの時間に起きないと難しい。
山小屋の朝食は5:30からだったので、お弁当にしてもらった。
支度を整えてから食堂に降りていくと、5時に照明が着いた。
ストーブも焚いてあり、暖かい。
ポットのお湯も自由に使わせてくれた。
スタッフさんの心遣いが素晴らしい。
お弁当のおにぎりをむしゃむしゃ食べる。
5:15、スタッフさんにお礼を告げてから出立の準備をする。
気温は、5℃。
防寒のため、レインウエアを着こんだ。
5:20、ヘッドランプをつけてスタートだ。
薄明に浮かび上がる槍と明かりが煌々としている槍ヶ岳山荘。
まずは、あそこまでがんばる。
テント場を突っ切って登山道に出る。
つづら折りの道の先には、先行している登山者のヘッドランプが点々としていた。
振り返ると、雲の切れ間から御来光が差し込んできた。
おはよう、日本。
5:55、槍ヶ岳山荘に到着。
大勢の登山者でにぎわっていた。
荷物はここにデポして、空身で槍の穂先に登る。
その前に、息子はヘルメットを借りるために槍ヶ岳山荘の受付へ。
レンタル料は、500円也。
赤いヘルメットなんておしゃれだな。
なかなか似合うじゃないか。
それでは、ぼちぼち槍の穂先に参りましょう。
ここからは息子を先に行かせた。
ゆるりと、そしてしっかりとね。
完全渋滞ではないが、それなりに人が連なっているので、落石に注意しながら間隔を空けて登る。
ぐいぐい高度を上げていく。
槍ヶ岳山荘は、あっという間に眼下に見下ろすようになる。
おなじみの小槍も姿を現した。
童謡「アルプス一万尺」に出てくる、あの小槍だ。
あの上でアルペン踊りなんて狂気の沙汰である。
息子曰く、「ちなみにアルペン踊りって、どんな踊りなの?」
ううむ、それは知らん。
今日は気温が低いので、鎖や梯子が冷たい。
私のグローブは息子に貸してしまったので、素手だとけっこうキツイ。
最後の長い梯子まで来た。
頂上では順番に撮影会をしているので、過密になりすぎないように声を掛け合いながら、時間差で登っていかねばならない。
上から合図があって、いよいよ最後の登り。
息子はヒョイヒョイと登ってピークへ。
6:30、槍ヶ岳(3180m)登頂。
お疲れ様~。
360℃の大絶景だ。
大キレットから続く穂高の峰々。
雲海の向こうには、双六、水晶、雲の平へと続く北アの最深部。
遠くに白山。
御嶽山、南ア、中ア。
八ヶ岳の向こうには富士山。
記念撮影の順番を待ちながら、久しぶりの槍からの展望を楽しんだ。
山頂には、20人くらい居ただろうか。
みなさんお行儀よく撮影の順番を待って、そして撮影後は粛々と下山の列に並ぶ。
狭い山頂では、お行儀よくしていないと、落っこちたら大変だからね。
撮影の時は、後ろで待っている人にシャッターを押してもらうのがお約束。
下山も慎重に。
事故防止のため、十分間隔を空けて降りていく。
7:15、槍ヶ岳山荘まで戻ってきた。
息子はヘルメットを返却して、山バッジを購入。
バッジの種類が多すぎて、悩みに悩んだ末、私に意見を求めてきた。(笑)
やるべきことは達成できたので、心置きなく下山しましょう。
さらば槍ヶ岳、また来る日まで。
紺碧の空に映える槍の雄姿を振り返りながら山を下りていく。
息子は、「いい山だったなぁ。」を連発していた。
このまま登山が終わればよかったのだが、注意一秒ケガ一生。
なんと私にアクシデントが発生した。
膝の故障を抱えている私は、下山は特に慎重になる。
膝にサポーターを装着して、ストックも使う。
一歩一歩慎重に足を運んでいたにも関わらず、何でもない岩の上でいきなり右足をグギッとひねり、バランスを崩してそのまま転倒した。
自分の右側斜面が2mくらい切れ落ちており、体が吸い込まれた。
こりゃまずい、落ちると思ったが、なんとか上半身と腕で大岩にしがみつき、落下は免れたが、膝と脛を強打してしまった。
夢中で岩の上に這い上がり、膝と足首の痛みでしばらく動けなかった。
骨は折れていないようだったので、少し休憩してから歩き始めたが、痛みが強く、右足首の不安定さが気になったので、テーピングで足首をガチガチに固定した。
膝や脛からも出血していたが、こちらはそれほど問題なさそうだった。
これでなんとか下山できる目途がついた。
少々ゆっくりではあるが、コースタイムくらいのスピードで下山することができた。
しばらくすると、右足の登山靴に違和感を覚えた。
おお…、なんとソールが剥がれている。
これが原因で転倒したのか、それとも転倒してこうなったのかは定かでないが、まったくの不運続きである。
山の神の逆鱗に触れるような覚えはないのだが…。
このままでは歩けないので、テーピングテープをぐるぐる巻きにして補修完了。
テーピングテープは、用途が広くて便利。
すったもんだはあったが、無事に徳沢まで戻ってきた。
名物のソフトクリームで一息ついた。
15:20、観光客でごった返している河童橋に到着。
すっきり晴れた秋空に穂高連峰が存在感を放っていた。
下山中にトラブルはあったものの、結果オーライで充実した登山ができた。
二日間で40km、登距離2100m超を踏破できて満足感が高い。
息子もすっかり逞しくなって、そろそろ私が連れて行ってもらう立場に逆転しそうだ。
来年のことを言うと鬼が笑うが、高速道路の渋滞を乗り切るには、来年の山のことを話すに限る。
奥穂? 劒? 北岳? 富士?
息子が行きたいところは、どんどん湧いて出てくるみたいだ。
しかし、落とし穴は下山時に待ち構えていた!?
※前編はこちら
眠りが浅い私でもさすがに疲れが溜まっていて、それなりに眠ることができた。
起床は、4:30。
スマホのアラームが鳴ると、隣のブースでも同じ音が鳴っていた。
今日中に下山するとなると、やはりこれくらいの時間に起きないと難しい。
山小屋の朝食は5:30からだったので、お弁当にしてもらった。
支度を整えてから食堂に降りていくと、5時に照明が着いた。
ストーブも焚いてあり、暖かい。
ポットのお湯も自由に使わせてくれた。
スタッフさんの心遣いが素晴らしい。
お弁当のおにぎりをむしゃむしゃ食べる。
5:15、スタッフさんにお礼を告げてから出立の準備をする。
気温は、5℃。
防寒のため、レインウエアを着こんだ。
5:20、ヘッドランプをつけてスタートだ。
薄明に浮かび上がる槍と明かりが煌々としている槍ヶ岳山荘。
まずは、あそこまでがんばる。
テント場を突っ切って登山道に出る。
つづら折りの道の先には、先行している登山者のヘッドランプが点々としていた。
振り返ると、雲の切れ間から御来光が差し込んできた。
おはよう、日本。
5:55、槍ヶ岳山荘に到着。
大勢の登山者でにぎわっていた。
荷物はここにデポして、空身で槍の穂先に登る。
その前に、息子はヘルメットを借りるために槍ヶ岳山荘の受付へ。
レンタル料は、500円也。
赤いヘルメットなんておしゃれだな。
なかなか似合うじゃないか。
それでは、ぼちぼち槍の穂先に参りましょう。
ここからは息子を先に行かせた。
ゆるりと、そしてしっかりとね。
完全渋滞ではないが、それなりに人が連なっているので、落石に注意しながら間隔を空けて登る。
ぐいぐい高度を上げていく。
槍ヶ岳山荘は、あっという間に眼下に見下ろすようになる。
おなじみの小槍も姿を現した。
童謡「アルプス一万尺」に出てくる、あの小槍だ。
あの上でアルペン踊りなんて狂気の沙汰である。
息子曰く、「ちなみにアルペン踊りって、どんな踊りなの?」
ううむ、それは知らん。
今日は気温が低いので、鎖や梯子が冷たい。
私のグローブは息子に貸してしまったので、素手だとけっこうキツイ。
最後の長い梯子まで来た。
頂上では順番に撮影会をしているので、過密になりすぎないように声を掛け合いながら、時間差で登っていかねばならない。
上から合図があって、いよいよ最後の登り。
息子はヒョイヒョイと登ってピークへ。
6:30、槍ヶ岳(3180m)登頂。
お疲れ様~。
360℃の大絶景だ。
大キレットから続く穂高の峰々。
雲海の向こうには、双六、水晶、雲の平へと続く北アの最深部。
遠くに白山。
御嶽山、南ア、中ア。
八ヶ岳の向こうには富士山。
記念撮影の順番を待ちながら、久しぶりの槍からの展望を楽しんだ。
山頂には、20人くらい居ただろうか。
みなさんお行儀よく撮影の順番を待って、そして撮影後は粛々と下山の列に並ぶ。
狭い山頂では、お行儀よくしていないと、落っこちたら大変だからね。
撮影の時は、後ろで待っている人にシャッターを押してもらうのがお約束。
下山も慎重に。
事故防止のため、十分間隔を空けて降りていく。
7:15、槍ヶ岳山荘まで戻ってきた。
息子はヘルメットを返却して、山バッジを購入。
バッジの種類が多すぎて、悩みに悩んだ末、私に意見を求めてきた。(笑)
やるべきことは達成できたので、心置きなく下山しましょう。
さらば槍ヶ岳、また来る日まで。
紺碧の空に映える槍の雄姿を振り返りながら山を下りていく。
息子は、「いい山だったなぁ。」を連発していた。
このまま登山が終わればよかったのだが、注意一秒ケガ一生。
なんと私にアクシデントが発生した。
膝の故障を抱えている私は、下山は特に慎重になる。
膝にサポーターを装着して、ストックも使う。
一歩一歩慎重に足を運んでいたにも関わらず、何でもない岩の上でいきなり右足をグギッとひねり、バランスを崩してそのまま転倒した。
自分の右側斜面が2mくらい切れ落ちており、体が吸い込まれた。
こりゃまずい、落ちると思ったが、なんとか上半身と腕で大岩にしがみつき、落下は免れたが、膝と脛を強打してしまった。
夢中で岩の上に這い上がり、膝と足首の痛みでしばらく動けなかった。
骨は折れていないようだったので、少し休憩してから歩き始めたが、痛みが強く、右足首の不安定さが気になったので、テーピングで足首をガチガチに固定した。
膝や脛からも出血していたが、こちらはそれほど問題なさそうだった。
これでなんとか下山できる目途がついた。
少々ゆっくりではあるが、コースタイムくらいのスピードで下山することができた。
しばらくすると、右足の登山靴に違和感を覚えた。
おお…、なんとソールが剥がれている。
これが原因で転倒したのか、それとも転倒してこうなったのかは定かでないが、まったくの不運続きである。
山の神の逆鱗に触れるような覚えはないのだが…。
このままでは歩けないので、テーピングテープをぐるぐる巻きにして補修完了。
テーピングテープは、用途が広くて便利。
すったもんだはあったが、無事に徳沢まで戻ってきた。
名物のソフトクリームで一息ついた。
15:20、観光客でごった返している河童橋に到着。
すっきり晴れた秋空に穂高連峰が存在感を放っていた。
下山中にトラブルはあったものの、結果オーライで充実した登山ができた。
二日間で40km、登距離2100m超を踏破できて満足感が高い。
息子もすっかり逞しくなって、そろそろ私が連れて行ってもらう立場に逆転しそうだ。
来年のことを言うと鬼が笑うが、高速道路の渋滞を乗り切るには、来年の山のことを話すに限る。
奥穂? 劒? 北岳? 富士?
息子が行きたいところは、どんどん湧いて出てくるみたいだ。
槍のてっぺんからの眺望、雲海、飛騨泣き、みんな素晴らしい!
僕は大学1年の夏に初めて槍ました。
てっぺんで飲んだビールが最高でした~!
お大事になさってください。
ソール剥がれ、登山中は厄介ですね。
テーピングテープ、私も持ち歩くようにしようと思いました。
こんにちは!
槍ましたよ~!
25年ぶりの槍は、体力的にハードでしたが、存分に楽しめました。
大キレットを眺めながら、昔の縦走を思い出しましたよ。
あのときは、90リッターのザックを背負って歩いていたなんて、今では考えられません。(笑)
>blue-wing-oliveさん
こんにちは!
転倒した瞬間は、まさにスローモーションのようでした。
ヘリを呼ぶことにならなくて良かったです。
やはり、山行前に登山靴のチェックはやらないとだめですね。
それで不具合が発見できるかどうかはわかりませんが、そのくらい意識が高くないと事故は起きてしまうのだと反省した次第です。