テレストリアル

６月に入って夏本番のようないい天気が続いている。昼間はカンカン照りで、午後は夕立。そんな毎日だ。
そろそろ半袖で入渓したくなってきた。
ケガや虫さされのことを考えると、本当は長袖であるべきだろうが、私は暑がりなのだ。
今年も防虫グッズにお世話になろう。


夜明けの檜原村は、雨上がりの霧で幻想的な風景をつくっていた。
釣り支度を整え、沢へと続く踏み跡をゆっくり下っていく。
まるで、もののけ姫の森のよう。コダマでも出てくるんじゃないか？


昨晩、多摩西部に降った雨は結構な量だったみたいだ。
この前はチョロチョロとしか流れ込んでいなかった小沢からは、勢いよく水が落ちてきている。
川は笹濁りで、大物が出そうな雰囲気だ。


たまには違うルアーを使ってみたくなった。
今日は、ストゥープは封印する。
まずは、唯一持っているバルサミノーで。
普段使わないから、思うようにアクションをつけられない。
自分の予想と違うところを泳いでいたりする。いかんな。
ラインがフックに絡んで、表層をじたばた回転しているのにヒットした。

一丁上がり！　パーマークがきれい。


ほい、二丁め！　調子が出てきた！

と、思ったら…
このあと、アタリがぴたっと止まる。
ふと気が付くと先行者の足跡が…
頭ハネか！
それにしても、どこから下りてきたんだ？？？

ルアーをいろいろチェンジするものの、反応がない。
足跡を追いかけるような遡行が続く。
そうこうしているうちに、気が付くと水の色がだいぶクリアになってきた。
ゴールデンタイム終了？


出すか？伝家の宝刀


封印解除ぉぉぉぉ～　…困ったときはやっぱりストゥープ


ほら釣れたー


また釣れたー


すぐ釣れたー
みんなベリーにフッキング。気分いい～！

いつの間にか、先行者の足跡も消えていた。
どこに行った？？？　
退渓できそうなところは無かったはずだが…
なんかキツネにつままれたような感じ…
ま、いいか。釣れているし。


暫く進むと谷が開けてきた。
薄い雲を通して朝日が差し込んでいる。
トロ瀬では、水面ぎりぎりに羽虫が飛び交っている。
それに飛びつく魚を発見！

先行者もいなくなったし、またまたストゥープを封印することに。

選んだのはコレ。

バグミノー。かわいいテントウ虫カラー。
魚は表層を意識している。
このテレストリアル系のルアーで、水面に落ちた虫を演出するのだ。
水面を割ってガバチョとバイトするシーンを想像する…ワクワクするではないか！

ただ、心配なのは、これで釣れたことがない。

ま、いいか。

25mmの極小ボディーにしては、きちんと飛ぶ。
アップクロスで、対岸ぎりぎりのところに落とす。
水面に落ちた虫がじたばたするイメージで、ティップを上げてチョコチョコ小刻みにルアーを震わせる。
リトリーブはほとんどしないが、あまりルアーを見せ続けると見破られそうなので、少しずつ巻いてくる。
なんか、フライでもやっているような気分になってきた。


２投目。
着水して波紋が消えてから、チョコチョコアクション。
きた！
黒い影がサーッと迫ってきて、飛沫を上げてガバッと食らいついた！

ヤッホー！
テレストリアルパターン、大正解～！
う～ん、サイコー！

水中で金色に光る魚体。
イワナ？　






ねぇ、君、どっからきたの？ニジ君