お天気が良いだけで幸せになれる自分は単純だが好きだ。
庭に出た。
風が爽やかで半袖で過ごせる。
あちこちの花や草たちが雨後のタケノコのようにニョキニョキ生長している。
ふと頭がよぎる。
今、この時を生きることの幸せを。
こうして小さな幸せに浸っている自分もいつの日か不幸のどん底に落ちることがある。
お天気が良くて幸せなのはお天気が悪くなったら幸せの度合いが減る事になる。
感動が大きければ悲しみも深い。
ここに白いスミレが咲いている。去年、植えたんだった。
枯れたと思っていたボタンが遅ればせながら芽が動き出した。
今年は無理しなくて良いよ。
来年はこの辺に白いスミレを咲かせようかとか頭の中が忙しく駆け巡る。
ダメダメ、夢中になると身体が疲れすぎて後が大変……などと自問自答しながら庭にいた。
部屋にくると夫は寝息をたてて眠っている。
また心配になる。
もう夫の庭仕事は無理をする部類になる。
ま、いいか、夫は庭よりキッチンが好きなんだから。
こうした不安を抱えながら生きていくと思うと、今この時を幸せと思って生きることが一番な年齢になったことを自覚した。
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