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これは早い方である。
庭に面した戸を開け、雨の庭を眺めた。
常に身近なところにある、双眼鏡。
庭が広いわけではない。
部屋にいながら植物の様子がよく見えるのがうれしい。
コンサート用に求めた双眼鏡である。
先日はお気に入りのバラに集まる虫の存在に気付き、走り寄ってバラを守った。
バラを守った事は、虫好きの人には悪いことをしたわけだ。
今朝は、雨降りなので植物は安全。
と思ったが、松の木の枝に1羽の野鳥が止まり鳴いている。
野鳥としては大ぶりである。
すると、より大きな野鳥がやってきた。
先にいた野鳥と話している。
親子か夫婦?
そうこうしているうちに大きな方が、そこを離れ何か口にくわえて再びやってきた。
双眼鏡でしっかり確認、咥えているのは先日購入したばかりの「ブルーベリー」の実。
うちのブルーベリーではないか。
でも咥えた姿は、なんと可愛い。
絵本の世界である。
小ぶりな方の野鳥にあげるのかと思いきやそのまま二羽で飛び立ってしまった。
しばらくしてリビングに行くと、窓際で急に騒がしい囀り。
見ると、4、5羽の仲間がブルーベリーの木の辺りで騒いでいるのだ。
網戸を開ける音に驚いて飛び去ってしまった。
咄嗟にブルーベリーを守る気持ちが網戸の開け具合に伝わった。
先日、庭好きなTさんの庭を訪ねた時のこと。
ジューンベリーの木に沢山の野鳥が集まっていた。
その時、Tさんが、シッと野鳥を追い払いながら放った言葉を思い出した。
「ジューンベリーは採らないから食べられてもいいんだけど、〇〇は欲張りだからイヤなの、違う小鳥に食べさせたい」と弱い者の味方だった。
あの野鳥仲間たちだと今日の野鳥から思った。
名前を検索してみるとそれは「ヒヨドリ」
ヒヨドリ?なんだ。
コミュニケーション能力の高そうな野鳥で盛んに仲間に知らせていたのかもしれない。
「ね、ね、あの庭の窓際にこんなものがあるよ、行ってみようよ」
と知らせるためにブルーベリーをくわえて2羽で飛び去ったのか、そのあと、そのブルーベリーは自分で食べたのか、それとも一緒だった子どもか奥さんにあげたのか非常に興味のあることである。
が、ヒヨドリの仲間でない私には追跡不能である。
生きるため野鳥たちも一生懸命だな〜と感じたが、ブルーベリーも守らないとと思った今朝の出来事である。
ちなみにブルーベリーの苗木は、母が我々の結婚記念日としてのプレゼントである。
ジューンベリーもそうだった。
6月の結婚記念日は、ベリー類というのもなかなか洒落ていて好ましい。
またヒヨドリの声が聞こえてきた。
またあの仲間だ。
ブルーベリーが今、危機に瀕している最中である。