リュウノヒゲがワンサと繁る庭、思いがけずに「アッ!見つけた」の感覚であるラピスラズリの青。
私がこの青い実に初めてであったのは、20代始めの頃である。
青い実が入った小さな瓶を大事そうに持ってきた目のクリクリとしたおとなしい5歳の女の子Tちゃん。
この世にこんなにきれいな実があったことに驚いた。
宝物のようなそれを私にくれるために持ってきてくれた。
その5歳のTちゃんは生涯にわたり「青い実の女の子」である。
幼稚園教諭になりたての頃である。
寒くても外に出る、そして地面に近い子どもならではの発見だったのかもしれない。
「センス・オブ・ワンダー」である。
新しい年にこの青い実を庭に見つけた私は、さまざまな思いと共にうれしくなれる。
そしてこんな歳になって初めて思ったこと。
実がなるということは花も咲くはず、まだ見たことがない。
今度は花を見てみたいなあ……。