今日は、Yさんがうちに見える日である。
「あなたに話すことがたくさんあるの」
「それでは庭の紫陽花のアナベルがライム色から白くなったらにしませんか?」
という事で今日を迎えた。
赤い綿のセーターがとてもお似合いのYさんが現れた。
私はこの方とのお喋りもワクワクする。
自称「遊び人」
もともと都会育ちで田舎に嫁いだ。
実家のある横浜はもちろん銀座好きなので私と比べたら田舎から都会への距離感はだいぶ違う。
持参された本「フランス人は「老い」を愛する」「知的な老い方」「皇后雅子」「小和田家の歴史」の4冊である。
知的な老い方の著書に外山滋比古とあり、え?まだご存命なのと口走ってしまった。
93歳であるという。
この方の講演を若い頃に聞いたことがあり、とても愉快な人という印象で、何を話されたか覚えていないのだが、ひとつだけ私の心の奥深くまで残ってしまったエピソードがある。
それは算数の問題で、「ここに鉛筆があります」と先生が話すと生徒はすかさず「それは三菱鉛筆ですか?トンボ鉛筆ですか?」と質問したという。
そういう子はどうだこうだという部分は忘れてしまい、その質問をした子をおもしろいな〜と思ったのである。
それで外山滋比古先生イコール鉛筆の話として私の心に残ってしまった。
その質問した生徒にダメな私が似てなくもないな〜と思ったのかもしれない。
皇室関係はご主人の関心ごとであり、雅子皇后に魅力を感じているのだろうと推察。
私も誇らしい皇后と感じているので喜んでその本を迎い入れた。
1番はフランス人は「老い」を愛する。
である。
老いが明るいではないか。
この4冊、早起きした時に読もうと思う。
そうすれば、眠れなくても、ちょっと早すぎた目覚めにも楽しみができる。
午後いっぱいをかけて若い者のように夢中で話したり、聞いたりした。
最後は、棺の中の自分をイメージさせられた。
「わたしはね、コーラスの衣装?とも考えたのだけどやっぱり赤い自分の振袖にしたい」
「それではYさんは、頭に白い三角の紙とか載せないの?」
「そんなことしないように遺言をするつもり、あとね、必ずお寿司を入れてって頼んでおくのよ」
「あなたは何を入れて欲しい?」
絶句!
「ちょっと考えてみますね」
こんな話をした人は今までにいなかった。
棺に何を入れてもらいたいか?
そんなことを考えてみるのも、不思議と楽しみになっている自分を発見した。
それにしても、楽譜を入れてもらいたいと言ってた同じ仲間がいたが、音楽好きなYさんが楽譜よりお寿司なのだと思うと、その意外さは相当愉快だった。
楽しい午後のアナベルの日があっと言う間に過ぎていった。
庭の花をブーケにし、テーブルに飾ったものをおみやげに差し上げるととても喜ばれた。
アナベルも入れてのブーケだ。
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