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a green hand

残りの5日

まだまだハルとの生活が続いている。

昨年夏はとても可愛そうなハルだったが、今年は一段と大人びて自らの意思で長期滞在だ。

母親の入院で不安定だった昨年に比べ、そういった生活に慣れたのか、「ママは病気なんだ」の諦めがみえる。

潔癖症なる病を持つ母親は、手洗いはもちろん、洗い物をすると止められなくなることが苦しく、食事は作らないという。

「ハルが学童保育に持参する弁当を作らなければ」と考えると不安になるのが我が家に滞在させる母親側の理由である。

昨年は入院中もハルに会いたがってすぐに退院していたのに今回はそういうことがない。どちらにしても心配の残る精神状態である。

アトピーの傾向があるハルは日常の食生活が災いしていたとみえ、痒みがひどい状態で来た。

日常生活が子どもの表情にも体にも影響が出ることはわかるが、ハルの笑いやお喋りが多いことが幸いであり、それがうれしい。

誰でもが学童保育での生活が楽しいわけではない。
夏休みを過ごせるパパの家があることはいいことだと理解する。

夜寝る時に「まーばあちゃんの子どもの頃の話をして」の催促に応え、友達と鉛筆を取替えっこして帰ってお怒られたり、まっすぐに家に帰らないで叱られたことなどをはなした。

もっとお話してというので、小学生の頃、お母さんが死んだらどうしようお母さんが死んだら自分も一緒に死にたいと思って泣いたことがあると話し、大人になってからはそう思わなくなったと話すと、「人間は誰でもいづれは死ぬでしょう、だからぼくは怖くなって泣いた」と6歳のハルがいう。
5歳の頃の話だという。

私が死を怖いものだと思ったのが小学生も高学年だと記憶している。
多分祖母の死からだと思う。

きっかけさえあれば、小さい頃から死というものを考え怖くなるものなんだとハルの言葉を単純に受け止めることにした。

昨年の夏はいろいろな絵本をたくさん読んであげたが今年の夏は「1年生の音読」の宿題があり、私の方が絵本を読んでもらっている気分だ。

愉しみながら読んでいるようすだが、家へ帰るまでの残り5日のあいだに、心に響く絵本を選んで読んであげようと今、思っている。
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