お釈迦様が生まれた日。
父はそんなおめでたい日にこの世と別れを告げた。
昨日、1日早かったが妹と御墓参りに出向いた。
母も誘ったが、1日考えて行かないというので2人だけで行った。
53年目のお墓まいりである。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
当時、発症後2年という命であった。
きっかり2年後だった。
若かった私に、父の死はとてもショックであり、自分の命の基準を50歳と決め、生きてきた。
その年齢も過ぎ、儲けの命で生きているように思う。
50歳で仕事も辞めた。
無理をしないで生きている私は長生きしそうである。
大好きな父であり、1週間は涙も出なかった。
そこを過ぎたらまいにち毎日、パッフェルベルのカノンに慰められながら泣いた。
であるから私にとって、今でもパッフェルベルのカノンは父であり、涙が滲んでくる。
なぜこの曲だったのかどこから来たのかも覚えていない。
その時の心情にぴったりだったのだと思う。
亡くなった日、咲き始めた菩提寺の桜をひと枝持ってお坊さんが来てくれた。
そんなことを思い出しながら桜を眺めてお参りした。
急に暖かくなり、昨日が咲き始め。
命日の今日は、花曇かいくぶん肌寒い。