当日ののんびり旅は、ローカル線のなかで過ごした時間のほうが多い。
普段、話す機会がないので、電車の中は夫々に喋りを楽しんでいる。
その中でも、とりわけ面白く共感を得る言葉があった。
「時間のかかるローカル線、こういう仲間となら時間を過ごせても夫と二人旅では過ごせないわね~・・」
夫婦などそんなものだ。
どうしてそういう夫婦になってしまうのか・・。
楽をしてしまうんだろうな?と自分の事を考えると思う。
夫といるとお喋りではない自分がすごくお喋りな人間になったような気分にさせられる。
当日朝、車で送ってもらった30分の道のりのなかで話したことは二言ぐらいだろうか。
これは私が相手に気遣いなしの場合である。
しかし、そうではないご夫婦もいる。
一緒に楽しそうに旅行をしているAさんご夫妻の写真を見せてもらう・・。
ずっと年の離れれたご夫婦である。
歳の差婚とか同級生ご夫婦は仲睦まじそうで羨ましい。
これって出会いかな~。
問題は残る。
あるご夫婦はペットが夫婦を繋いでいる。
「犬と話すよう私にも少しでも話して・・」とご主人に言ったというMさん。
笑って話せるだけまだいいのかも知れない。
ずっと年上のご主人のSさんが「この仲間には離婚したとか何とかいう人はなく皆幸せな人たちなんでしょうね・・」と私に聞いた。
「そうねぇ~だれでも大変さは抱えていると思うけど皆幸せそうね、離婚はしていないけど離婚したい人は一杯いるんじゃない?」と笑って応えておいた。
そしてまた「でんでんむしの悲しみ」が頭を過る。
真面目なWさんが奥さんのことで大分悩んでいる。
内容は面白いTさんと似ているが立場が全く逆である。
Wさんは、暗く、Tさんは明るく同じ内容を話す。
人生、この違いかな~。
さらにWさんの奥さんは私と立場が同じであるので身につまされる。
私の過去の修羅場を思い出す。
人生50年と言われた時代から倍になるだろう豊かな国ニッポン。
結婚とは・・一緒に長年暮らすということにはコツと知恵が要る。
ただ一日を積み重ねて行けば良いでは済まされないものを感じる。
結婚にも卒業があり、独身に戻れるようなら楽しいのかもしれないが、そう簡単には行かない。
何がそうさせるのか?
時代の垢に染められ洗っても洗っても落ちないこびりついた年代というものが我々を縛っているように思う。
多分これからの人たちにはもっともっと自由な風が吹いて、ますます「結婚」の意味がわからなくなっていくのではないか。
そんな気がする。
さて、日光は素晴しい観光地だ。
世界遺産に登録されたからなのか日光線の中は、外国人だらけでまるで私達が外国人のようである。
しかし、我々が観光したのは「田母沢御用邸記念公園」「大猷院」家光公廟所と穴場?
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殆ど外国人はいない。
外国人観光客にはこのような日本建築と庭園の美しさを見て欲しいものだ。
どちらの建築も魅力的であった。
建築に興味の深いル・コルビチェ好きのNさんは写真をたくさん撮っていた。
私的には、御用邸の自然が大変素晴らしくまた行ってみたい。
日光は、大変雨が多いという案内人に、道理で自然界が伸び伸びとして年代を刻んでいるわけだ。
クラス旅行はこれで十分、とても有意義な楽しいローカル線での日帰り旅であった。
ただWさんの愚痴話は真に迫っていて何かゴツゴツとしたものを私に残してしまった。
高齢のご両親を続けて亡くしたWさんの奥さんが支柱をなくした寂しさをWさんにぶつけているように思えて仕方がない。
私も母を亡くしたならきっとそんな思いになるんだろうな~と女性側でWさんの悩みを受け止めるしかなかった。
日光は観光地が多いので宿泊して楽しむのが理想的である。
植物園も充実しているし、中禅寺湖を目の前にして早朝に目覚めるのも良さそうである。
できるならまた金谷ホテルに泊まりたいものだ。
調度品やホールの建築美術が魅力的である。