最近読んだ本で我が子たちに読ませたい一冊と思った本があった。
しかも私からの遺言となる一冊でもいいとまで思った新書だ。
ところがネットで書評を見るとまるで人気がなく、「途中で投げ出した」とか「今後この著者のものは読まない」とか「過去の著書の切り貼りが新書と言えるか、帯と書評で選んだが騙された」とか大変なご立腹で溢れかえっているのだ。
編集部にいた友人に聞くと、「最近の本作りはキャッチコピーと広告力が突出しているのでご用心」
とある。
嫌な世の中だなと思う。
というかこの世の中を肯定するにはアンテナをたくさん張り巡らし、情報の選択によほど気をつけないと精神性まで侵されてしまうという気分になっていた。
素直に育ち、生きてきた私たち戦後間も無くの世代は、生きにくい世に突入したということだろうか?
若い世代はきっと最初から疑いを持ってこの世に生きているのかもしれない。
案外快適な世の中だ、などと思っているかもしれない、そう思うことに努力してみた。
それにしてもこの「切り貼りの新書」を読み、私の大事な子供たちに、真摯に自分の今や将来を見据えて幸せな心の持ち方のようなものを取得して欲しいと思うのは流行らないのだろうか。
納得しない「知」はいろいろ理屈をつけてみたところで「情」には勝てないのだから困ったものだ。
出版社も経営である。
理念のありすぎる出版社は儲からない。
経営も立ちいかなくなるとなれば広告力や金の力が良し悪しを決めてしまいかねない。
この出版社は逆に「ベストセラー常連」と元編集者の友がいう。
私にはその意味がわからない。
著者は若い頃から馴染みだった曽野綾子、妹がusedで見つけたというので先に読ませて貰った。
タイトルは「人間の分際」である。
確かに人格発達途上では耳障りのことがたくさん書かれてある。
が、逆に私には、人生そんなに真面目に生きなくてもいいんだよと励まされているような気分にもなる。
宗教心という確固たるものが底辺に流れる著者の揺るぎない生き方なのだと思う。
ネットでは捨てられた用済みの「人間の分際」が溢れていた。
右派とか左派とか宗教、思想にまでに及ぶ。
志、潔さ、思いやりという精神性、人らしさを表現することが人気がないとなるとそれにおもねる出版社が多くなる。
それは本当に怖い世の中である。
何か・・・ストンと落ちないんだな~ブツブツ・・。
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