セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

社長が訊く『罪と罰 宇宙の後継者』 を読んでみました

2009年10月24日 17時12分10秒 | 【旧】ゲーム関連記事
社長が訊く『罪と罰 宇宙の後継者』
『罪と罰 宇宙の後継者』公式サイト

今回は、任天堂の企画開発のメンバーに加え、開発に携わっているトレジャーの方々も交えての対談のようです。


開発の発端は64コントローラ
私は原作ではなくWiiの『バーチャルコンソール』で初プレイだったので分かりませんが、64コントローラの持ち方が従来のソフトの逆だったわけですか。私の64時代はたぶん、左手で3Dスティックを操作する「ライトポジション」しかプレイしことがない…というか、それが当たり前だと思っていました。そこで「レフトポジションをオレたちで使いこなしてやる」というのは、いいですね。熱いゲーム魂ですね。
途中でセンサーを付けるという話も出ていたそうで。そうなれば、まさに今のWiiそのもの…ですね。

後半には、当時も言われていたニンテンドウ64の開発の難しさにも少し触れられています。3Dが入ってきたことで構造が大きく変わったということで…ここらへんの事情も、ニンテンドウ64と初代プレイステーションの、シュア争いの要点になったのかもしれませんね。
ちなみに対談の中で「他社さんのゲーム機で3Dの入門機みたいなもので、3Dのノウハウのようなものも得た」とありますが…セガサターンとかですかね?

ツライ思い出
過去に例の全くないスタイルの作品…となると、プログラムの作成は本当に厳しかったんでしょうね…。しかし逆に、誰もがやったことがないプログラムが作れて、他の人が驚いてくれることに喜びを感じるのもまた、1つだとか。
いいですよね。その挑戦精神。今の時代もその挑戦精神を忘れていないメーカーはとても多いですが、逆にそういうタイトルは斬新すぎて受け入れられづらいという事実もあり、それはそれでまたつらいものです…。

後半には、トレジャーの少人数で制作するという体制について少し触れられています。そこには「大人数だと意見がまとまらない」という理由があるそうで…。なんか、とても分かります。
私の関わっているプロジェクトも一応2桁の人数がいるんですが…それだけいると、全員が全てを把握することは厳しいのです。時間もないし、仕様なんて変わるときはコロコロ変わりますし…。かといって1人で作るのが難しいのは、言うまでもありません。結局は最小限の人数で制作できたほうが、意見がまとまりやすくて、イメージ通りの作品が作れます。もちろんその分、人手が少ない点は体にムチ打つことにはなっちゃうんでしょうけど…。

幻のタイトル『暗黒の不毛地帯』
トレジャー=変な会社という一言から始まっています(笑)
トレジャーと任天堂の間で、超絶高難易度について1年くらいモメにモメたということだそうで…。なんか、きっと苦しかったんでしょうけど、話題としては面白くもありますね。
本来、開発者よがりの作品というのは受け入れられづらかったり、世間的にはに批判される傾向が強かったりします。遊び手のことを考えていないわけですから。しかし、それも含めて「個性」なわけで、それが万人に面白いと言ってもらえるはずがないのは、開発者自身が一番理解しているでしょう。それでも「これがオレたちのゲームだ!」というのを貫き通したのは、そういう人間の集まりであることと、それだけ自信があったからということなんでしょうね。
まあ、自信があればいいというものでもありませんが、事実この作品は結果として、様々な人に受け入れられました。同じように自信をもって打ち出したけど、見事にコケた作品も多いですから、この作品は成功している作品だと言えるんじゃないでしょうかね。
ちなみに私は、イージーでかろうじてクリアしました。それより上のレベルだと…たぶん無理でしょうね(笑)

タイトルについては、最初は「グラスソルジャー」という名前だったようですね。どちらかというと、ありきたりな名前ですね。「罪と罰」という名前もまた、この作品を印象付けた1つの要因と言えそうです。

ジャズセッションのようなものづくり
トレジャーの開発体制の、さらなる内部が見える一文です。開発の第一声が「何でもいいから描いてよ」って…(笑)
しかし、会話にもあるように、実際のゲームの面白さって仕様上ではなかなか判断しづらく、実際に動き始めてようやく全体の感触が見えてきて、色々と仕様の変更や修正などが行われていきます。
おそらくトレジャーでは「どうせ修正するんだから、最初から思うものを適当に作って、そこから修正していけばいい」という作りかたなんでしょうね。ゲーム企業としては、ある種「はみ出しモノ」的な考え方に思えますが、まあ…それでも結果的に面白いゲームが作れるのであれば、いいと思います。というか、凄いと思います。

もっと難しく
前作でモメる原因になった高難易度の話。しかし今作は逆に任天堂からトレジャーに「簡単すぎるから、もっと難しくして」という話になったとのこと。
その理由は、トレジャーの開発スタッフがほとんどコアゲーマーだったために、ゲームキューブコントローラによる操作を中心に難易度を調節していたからだそうです。ガンシューティングであれば、照準をコントローラで移動するより、Wiiリモコンで照準を操作したほうが正確かつ素早く対応できますから、簡単になるのは当然のことだったというわけです。
この点については、トレジャー開発スタッフとしてはいい反省材料になったんじゃないでしょうかね。どのコントローラでプレイしても大差ないか?という幅広い視点を持つことは、様々なコントローラスタイルがあるWiiでは特に大事なことですからね。

60フレームを体験してほしい
普通は1秒=30フレーム=1秒に30枚の絵が描写されているわけですが、今作は倍のフレーム数を使っているので、その分滑らかに動くようです。クオリティの高さが際立つ反面、たぶん処理も重たくなるんじゃないかと思うので、そこの調整が大変だったりするの…かな?ちょっと私はまだDSの開発にしか携わっていないので分からないんですが…。
ちなみにDSは1秒で24フレーム…だったかな?何せ長いこと休んでましたから、忘れているかも…。


以上。
前作の良さをそのままに、開口を広げつつもトレジャーらしさを保ったという、なかなか言葉では分かりづらい魅力です。そこはやっぱり、実際にプレイして感じてもらう他ないんでしょうね。今は一部の店舗で体験できるようなので、気になるかたは行ってみましょう。(対象店舗はこちら
来週発売。ファンのかたはきっと待ち遠しいでしょう。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日のゲーム情報 2009/10/2... | トップ | 今週発売のゲーム 2009/10/29 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
DSのフレームレート (beffell)
2009-10-25 21:59:36
はじめまして。
DSでもソフトによるのではないでしょうか?
ちなみにマリオカートDSが60fpsと聞いたことがあります。
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2009-10-26 22:54:17
>beffellさん
もちろんDSでも様々ですが、メインで使用されているのが何フレームだったかな?ということで…たぶんDSで60フレームは少数タイトルだと思います。24フレームか…30フレームか…どっちだったかな~?
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

【旧】ゲーム関連記事」カテゴリの最新記事