以前「議論~転売屋・マスコミ・「自由」というもの そしてゲーム業界は崩壊する」という記事におきまして、「ゲームソフトの中古問題についてはどうお考えですか?」というコメントを頂きましたので、かなり遅ればせながら取り上げさせていただきます。
中古のゲームソフトに関しては、ソニー及びカプコンといった大手メーカーが中古販売の撲滅のためにいろいろと働きかけてきたものの、すべて空振りに終わり、現在、中古販売は当たり前のようになっています。
なぜ中古販売がいけないか?というと、2つ挙げられます。
1.品質の信頼
中古品というのは1度なりとも人が触ったものを言います。もしかしたら開けずして売っている人もいないとは言い切れませんけど。ちなみに未開封で売った商品は「新古品(しんこひん)」と言われますが、まあ販売店はわざわざ区分けするようなことはありません。
それこそゲームソフトというのは、CDの読み込み面、あるいはカードリッジの差込口がゲーム機本体と接続するための大事な境界線です。傷が入ってたり差込口が変形していたりなんてもってのほか。しかも場合によっては、見た目正常そうでも不具合が発見されたり(ゲームに元々不具合があるケースは別とします)して、返品を求める騒ぎになったりするものです。
そうなるともちろんユーザーも、販売店としても、そしてメーカー側としてもあまりいい気分になれることではありません。もちろん販売店が中古であればしっかり確認を怠らないことが大事ですが、それでも人間のすることに万全はないのですから、万が一にもこういう可能性がないとは言い切れません。
2.メーカーの儲けにならない
こちらのほうが重要なことなんですが、中古販売というのは難しく言うと、販売によって発生する「著作利用権に絡む金銭授受」が行われないものとされています。まあ簡単にいいますと、中古のソフトが売れてもそのソフトを販売したメーカーとのお金のやり取りは行われないということらしいです。残念ながら詳しい理由は分かりませんが、おそらく著作権法にのっとって定められているのではないかと思います。
言うまでもないですがメーカーにとっては大問題でして、それこそ発売して1~2週間かそこらで中古だらけになって、新品の売れ行きに響く、なんてことになります。まああまりに早く中古が並びそうなソフトはそれ以前の問題な気がしますけどねw
じゃあ中古販売は販売店にとっては生唾ものなのか?というと、そうとは言えません。なぜなら中古ソフトというのはいわゆる売ったユーザーが「いらない」と判断したからというケースが多く、買い取る販売店側としては不安とも言えます。ましてや中古がヘタに増えるというのは販売店にとっても嬉しくないことです。それこそ中古品が出てもすぐに売れると分かっているソフト(一時期の脳トレシリーズなど)であれば高値でも引き取りますよ!的な感じにはなりますが、原則的には中古が完全に売り捌ける状況はほとんどありません。
まあ以上の2つ。特に後者が、中古販売が問題視されている大きな問題です。正直、ユーザーはほとんど影響を受けてないといえるでしょう。あくまで選択肢が増えただけともいえますし。
そんな私も正直いちユーザーとしては中古販売を利用しまくってる者の1人です。私自身はユーザーとして、いろんな人にゲームに触れることができるというのであれば中古販売も悪くないと思っているからです。しかし企業としては困り者なのは分かっています。私としては、そんな商売という考えだけに凝り固まったゲーム業界にはなってほしくないですけどね。
メーカーの、中古販売の禁止を求める声が通らなかった理由として、著作権法に存在する「頒布権(はんぷけん)」というものが決め手になったそうです。頒布とは「配って広く行きわたらせること」とあります。配布と変わらない気がしますがw
で。著作物のある商品を頒布するには製作者の許諾が必要になります。ゲームソフトであれば著作をもつメーカー(大抵は販売メーカーですが、開発メーカーが著作をもつこともあります)の許諾が必要となるそうです。しかし、中古に関していうと、「配給制度に関係がない」という理由で頒布権は適応されないという結論になっているそうです。配給制度に関係がない、というのは、例えば新品であれば販売店がメーカーから決められた数を発注してもらいます。つまり、どの販売店にどれだけ配給したかというのが分かります。当然その数字をもとに金銭授受も行われるわけです。しかし中古はそもそも決められた数という概念がありませんよね?だから金銭授受もこれといって定めることができないのでメーカーが絡まなくなる。しかし法律上はその時点で頒布権が適応されないということで、最終結論として「中古販売は違法ではない」ということになった、というわけです。ちょっと難しかったと思いますが、分かりましたかね?w
正直な話、これも転売屋と同じいわゆる法律のほころびを縫(ぬ)って生まれた方式の1つとも言えそうですが、だからといって転売屋のように別に高値で売りつけるということはありません(一部のプレミア価値がついた商品は除きますが)し、私個人の意見としては、ゲームに若干手を出しやすくなる要因にもなるかもしれないとは思っています。逆に手を出しにくいという考えも多いと思いますが。
ではこれはゲーム業界を崩壊させている要因にはならないのか?というと、残念ながら要因になりえると思います。先ほども言ったように、メーカーが儲からないことでそれが他のソフトの製作に響くのは言うまでもありませんし、そして何より問題なのが、中古問題があることでメーカーに「ボリュームを付け足さなくてはいけない」という強迫観念が生まれたことです。ボリュームを付け足さなくてはいけない、という考え方は、時にはゲームの質を大きく下げることがあります。結果、やはりうまく売れてくれないということになったりします。メーカーにとって中古販売は今でも「敵」なんです。
そういう意味合いもあってかどうかは定かではありませんが、例えば「クラブニンテンドー」。任天堂ハードのソフトに同封されているシリアルナンバーでポイントを溜めて限定グッズと交換できるというサービスですが、シリアルナンバーは1度登録されると2度と使えません。たとえ別のユーザーであってもです。言うまでもないですが、中古品だと、以前の購入者がポイントを使用している可能性が大いにあるわけです。結果、ポイントが欲しいという意識が生まれ、新品に手を伸ばさせる要因になっているわけです。…まあ私なんかはポイント溜まりすぎてるのであまり気にしてませんがw
法律上で裁けない中古問題だけにこれからも残り続けるでしょうが、メーカーは黙ったままとはいかないでしょう。とはいえ、中古あって成り立っている事業だってあるわけですからね。オークションとか。非常に悩ましいところですね。
中古のゲームソフトに関しては、ソニー及びカプコンといった大手メーカーが中古販売の撲滅のためにいろいろと働きかけてきたものの、すべて空振りに終わり、現在、中古販売は当たり前のようになっています。
なぜ中古販売がいけないか?というと、2つ挙げられます。
1.品質の信頼
中古品というのは1度なりとも人が触ったものを言います。もしかしたら開けずして売っている人もいないとは言い切れませんけど。ちなみに未開封で売った商品は「新古品(しんこひん)」と言われますが、まあ販売店はわざわざ区分けするようなことはありません。
それこそゲームソフトというのは、CDの読み込み面、あるいはカードリッジの差込口がゲーム機本体と接続するための大事な境界線です。傷が入ってたり差込口が変形していたりなんてもってのほか。しかも場合によっては、見た目正常そうでも不具合が発見されたり(ゲームに元々不具合があるケースは別とします)して、返品を求める騒ぎになったりするものです。
そうなるともちろんユーザーも、販売店としても、そしてメーカー側としてもあまりいい気分になれることではありません。もちろん販売店が中古であればしっかり確認を怠らないことが大事ですが、それでも人間のすることに万全はないのですから、万が一にもこういう可能性がないとは言い切れません。
2.メーカーの儲けにならない
こちらのほうが重要なことなんですが、中古販売というのは難しく言うと、販売によって発生する「著作利用権に絡む金銭授受」が行われないものとされています。まあ簡単にいいますと、中古のソフトが売れてもそのソフトを販売したメーカーとのお金のやり取りは行われないということらしいです。残念ながら詳しい理由は分かりませんが、おそらく著作権法にのっとって定められているのではないかと思います。
言うまでもないですがメーカーにとっては大問題でして、それこそ発売して1~2週間かそこらで中古だらけになって、新品の売れ行きに響く、なんてことになります。まああまりに早く中古が並びそうなソフトはそれ以前の問題な気がしますけどねw
じゃあ中古販売は販売店にとっては生唾ものなのか?というと、そうとは言えません。なぜなら中古ソフトというのはいわゆる売ったユーザーが「いらない」と判断したからというケースが多く、買い取る販売店側としては不安とも言えます。ましてや中古がヘタに増えるというのは販売店にとっても嬉しくないことです。それこそ中古品が出てもすぐに売れると分かっているソフト(一時期の脳トレシリーズなど)であれば高値でも引き取りますよ!的な感じにはなりますが、原則的には中古が完全に売り捌ける状況はほとんどありません。
まあ以上の2つ。特に後者が、中古販売が問題視されている大きな問題です。正直、ユーザーはほとんど影響を受けてないといえるでしょう。あくまで選択肢が増えただけともいえますし。
そんな私も正直いちユーザーとしては中古販売を利用しまくってる者の1人です。私自身はユーザーとして、いろんな人にゲームに触れることができるというのであれば中古販売も悪くないと思っているからです。しかし企業としては困り者なのは分かっています。私としては、そんな商売という考えだけに凝り固まったゲーム業界にはなってほしくないですけどね。
メーカーの、中古販売の禁止を求める声が通らなかった理由として、著作権法に存在する「頒布権(はんぷけん)」というものが決め手になったそうです。頒布とは「配って広く行きわたらせること」とあります。配布と変わらない気がしますがw
で。著作物のある商品を頒布するには製作者の許諾が必要になります。ゲームソフトであれば著作をもつメーカー(大抵は販売メーカーですが、開発メーカーが著作をもつこともあります)の許諾が必要となるそうです。しかし、中古に関していうと、「配給制度に関係がない」という理由で頒布権は適応されないという結論になっているそうです。配給制度に関係がない、というのは、例えば新品であれば販売店がメーカーから決められた数を発注してもらいます。つまり、どの販売店にどれだけ配給したかというのが分かります。当然その数字をもとに金銭授受も行われるわけです。しかし中古はそもそも決められた数という概念がありませんよね?だから金銭授受もこれといって定めることができないのでメーカーが絡まなくなる。しかし法律上はその時点で頒布権が適応されないということで、最終結論として「中古販売は違法ではない」ということになった、というわけです。ちょっと難しかったと思いますが、分かりましたかね?w
正直な話、これも転売屋と同じいわゆる法律のほころびを縫(ぬ)って生まれた方式の1つとも言えそうですが、だからといって転売屋のように別に高値で売りつけるということはありません(一部のプレミア価値がついた商品は除きますが)し、私個人の意見としては、ゲームに若干手を出しやすくなる要因にもなるかもしれないとは思っています。逆に手を出しにくいという考えも多いと思いますが。
ではこれはゲーム業界を崩壊させている要因にはならないのか?というと、残念ながら要因になりえると思います。先ほども言ったように、メーカーが儲からないことでそれが他のソフトの製作に響くのは言うまでもありませんし、そして何より問題なのが、中古問題があることでメーカーに「ボリュームを付け足さなくてはいけない」という強迫観念が生まれたことです。ボリュームを付け足さなくてはいけない、という考え方は、時にはゲームの質を大きく下げることがあります。結果、やはりうまく売れてくれないということになったりします。メーカーにとって中古販売は今でも「敵」なんです。
そういう意味合いもあってかどうかは定かではありませんが、例えば「クラブニンテンドー」。任天堂ハードのソフトに同封されているシリアルナンバーでポイントを溜めて限定グッズと交換できるというサービスですが、シリアルナンバーは1度登録されると2度と使えません。たとえ別のユーザーであってもです。言うまでもないですが、中古品だと、以前の購入者がポイントを使用している可能性が大いにあるわけです。結果、ポイントが欲しいという意識が生まれ、新品に手を伸ばさせる要因になっているわけです。…まあ私なんかはポイント溜まりすぎてるのであまり気にしてませんがw
法律上で裁けない中古問題だけにこれからも残り続けるでしょうが、メーカーは黙ったままとはいかないでしょう。とはいえ、中古あって成り立っている事業だってあるわけですからね。オークションとか。非常に悩ましいところですね。