チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#29/サラバンド」

2010年11月17日 00時55分54秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第29曲は、
他のバレエのフィナーレ前に置かれる舞曲としては異例な、
"Sarabande"である。まず、
チャイコフスキーによるこのサラバンドは、たとえば、
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/2ef8debfcb917d36bc80934a483e15d3
に記したような、古式ゆかしきスペイン舞踊のサラバンドではない。
今晩飲んでたとこでTVがついてた。
「池上彰の何とか」というものをやってた。が、
整形しまくりでカムバックしたくまきりあさ美女史と
秋野暢子女史と森進一の顔の区別がつかない
拙脳なる私には、池上彰がどんなに解りやすく
解説してもチンプンカンプンである。同様に、
サラバンドにも詳しいはずもない。が、おそらくは、
"社交ダンス"として踊られるようなものではなく、
フランス・ブルボン朝の宮廷で切磋琢磨された舞踊のひとつである。
ドシロウトが踊るようなものではなく、
専門の舞踊手が技巧を凝らして踊る類のものである。そして、
その専門家の一人にしてサラバンドの"権威"が、
ルイ14世だったのである。

[Andante、3/4拍子、無調号(イ短調)]
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第29曲"Sarabande"は、
ティンパニ以下の打楽器は暇を与えられてる。そして、
A主題(8小節単位)とB主題(8小節単位)が、
[A-A-B-b-a-B-b-a]
(a=Aの4小節短縮版、b=Bの4小節短縮版)
と並べられてる。
A=(p)****♪ラーーー、・<ミー>ラー、・>♯ソー<シー、│
     >ラーー、>♯ソ・<ラーーー、<ファーーー、│
     >ミーー、>レ・>ドー、>シー、・>ラ<シ<ド>ラ│
     <シーーー・ーー、【<ミーッ・>ラ>♯ソ<ラッ>Nソッ│
     >ファーーー・ーー、<レーッ・>ソ>♯ファ<ソッ>ファッ│
     >ミーーー・ーー、<ドーッ・>ファ>ミ<ファッ>ミッ│
     >レー<ファー・<ミーッ<レー・ー>ド>シッ>ラッ│
     <シーーー・>シー、>ラッ<シッ・<ド>シ<ドッ<レッ】♪
B=(f)****♪ソーー、<ラ>ソ>♯ファ・<ソー、>ミーッ・>レ<ミ<ファッ<ソッ│
     >ミー<ソー・>ファー>ミー・>レー<♭シー│
     >ラーーー・ー>ソ>ファッ>ミッ・>レーーー│
     ー<ミ>レッ>ドッ・>シ<ド>シッ>ラッ・>♯ソーッ、【<シー│
     >ミ>♯レ<ミッ>Nレッ・……】♪
このように、pとfという対比もなされてるA主題とB主題は、
しかしそれぞれにその後半の約4小節が、
「同じ動機」で構成されてる(Bのほうはカノンになってる)。

A主題は部分的にホルンがわずかに和声を補助するが、
弦楽合奏で弾かれる。vnプリーモが旋律を奏する下で、
チェロとそのオクターヴ下のコントラバスは、
****♪ラー<シー・<ドーーー・<ミーーー│
   <ファーーー・ーー>ミー・>レー>ドー│
   >シーーー♪
というバスを弾く。
♪When I said I needed you♪
なんて、エルヴィスが汗だらけの顔を拭いながら
歌い出してしまうかもしれない。あるいは、
Rocky "The Italian Stallion" Balboa
(イタリアの種馬ロッキー・バルボア)が
起死回生のファイトを始めてしまいそうである。
ともあれ、サラバンドは上記の如く、
A主題の4小節短縮版が型どおりに奏され、
イ短調の主和音で閉じられる。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#28/パ・ドゥ・ドゥー(6)コーダ」

2010年11月15日 00時09分18秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第28曲"Pas de Deux"は、
オロル姫とデズィレ王子によって踊られる。そして、

1)タイトル無し(導入) [Allegretto、6/8拍子、1♯]
2)Entree(アントレ=登場) [Allegro moderato、6/8拍子、1♯]
3)Adagio(アダージョ) [Andante non troppo、6/8拍子、無調号]
4)Variation(ヴァリヤスィヨン)1 [Vivace→Prestissimo、6/8→2/4拍子、無調号]
5)Variation(ヴァリヤスィヨン)2 [Andantino、2/4拍子、3♯]
6)Coda [Allegro vivace、2/4拍子、4♯]

という6つで構成されてる。その6)。
[Allegro vivace、2/4拍子、4♯(ホ長調)]
ピッコロ、そのオクターヴ下のフルート2管、そのまたオクターヴ下のクラリネット2管が、
アオフタクトで[ソ<ラ<シ<ドー]という修飾音をfで鋭く吹く。
高いキンキン声を出してないときのジャパネット高田の声と
森本毅郎の声を聞き分けれない拙脳なる私ゆえ、それと同時に、
オーボエ2管+ファゴット2管が完全ユニゾンのfで、
***♪ソー│ーー・ーー│ーー・<ラー│ーー・ラー│ーー・>ソー│ーー♪
という前奏が吹奏されるときに、さらに、
弦が奏でる音がどうしてもおろそかになってしまう。
vnやヴィオーラは[8分休符に8分音符]という律動を刻む。低弦は、
***♪【ミー│>レー・<ファー│>ミー】、<ファー│<♯ファー・<ソー│>ドー♪
と動く。チャイコフスキーの音楽にしばしば現れる音型である。

【白鳥の湖】1幕で踊られるヴァルスや、
      2幕でオデットの身の上話や、
      3幕で踊られるマズルカなどの主要動機、
【ニコライ・ルビンシテーインの死を悼む】pfトリオの主要主題の主要動機、
【悲愴】の第3楽章のタランテッラの主要動機、

などがそのおもな例である。ともあれ、
上記前奏が2度奏されると、
このコーダの主要動機がmarcatoと指定されて現れる。
***♪ドー│>シー・>ラ<シ│<ドー、<レー│
     >ラー・<シ>ソ│<ドー♪
この音型は楽器(の組み合わせ)やアレンジを替えながら
執拗に繰り返され、ffからfffにまでなる。すなわち、
プチ変奏曲ともいえる。終いは、この音型が、
****♪●●ドーッ・>シー>ラ<シ│<ドーッ、<レーッ♪
となって、タンバリンも加わり、
****♪ドー>シー・>ラー<シー♪
と主要動機の断片を4小節繰り返し、実質ハ長調に転じる。
****♪ミ>(N)レ>(N)ド>シ・<(N)ド>ラ>(N)ソ>♯ファ│
   <(N)ソ>(N)ファ>ミ>♯レ・<ミ>(N)レ>(N)ド>シ│
   <(N)ド>ラ>(N)ソ>♯ファ・<(N)ソ<シ<(N)ド<ミ│
   <(N)ソ<(N)ド<ミ<(N)ソ・<♯ソー●●(ファルマータ)♪
最後の音だけホ長調主和音に戻る。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#28/パ・ドゥ・ドゥー(5)オロル姫のヴァリアシオン」

2010年11月12日 00時21分08秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第28曲"Pas de Deux"は、
オロル姫とデズィレ王子によって踊られる。そして、

1)タイトル無し(導入) [Allegretto、6/8拍子、1♯]
2)Entree(アントレ=登場) [Allegro moderato、6/8拍子、1♯]
3)Adagio(アダージョ) [Andante non troppo、6/8拍子、無調号]
4)Variation(ヴァリヤスィヨン)1 [Vivace→Prestissimo、6/8→2/4拍子、無調号]
5)Variation(ヴァリヤスィヨン)2 [Andantino、2/4拍子、3♯]
6)Coda [Allegro vivace、2/4拍子、4♯]

という6つで構成されてる。その5)。
[Andantino、2/4拍子、3♯]
オロル姫単独で踊られる。
このヴァリヤスィヨンの最高の踊りは、
実演・映像などあらゆる媒体を通じて、
故エカチェリーナ・マクスィーマヴァ
(いわゆるエカテリーナ・マクシーモワ)のものである。

さて、
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」において、
【3♯(イ長調)】は、
プロローグの第1曲「行進曲」における、宮廷の女官や廷臣らの登場、
プロローグの第2曲「踊りの情景」における、リラの精の登場、
第1幕の第7曲「情景」における、成人したオロル姫の登場、
第3幕の第27曲「パ・ベリション」、
などで主に使われてきた。
第27曲のベリ地方は当初はフランス王家の領地ではなかったが、
ヴァルワ朝あたりからフランス王家のものとなった。そして、
国王の近親者(王太子や弟)に与えられ、
"Duc de Berry(デュ・ドゥ・ベリ=ベリ公爵)を名乗った。
ブルボン朝では、ルイ14世の孫シャルル、ルイ16世、
その弟シャルル10世、その次男シャルル・フェルディナン、
などが叙爵した。つまり、
オロル姫がフランス王家(ブルボン家)の子女であることを、
チャイコフスキーは調性で示唆したのである。そして、
次曲「サラバンド」はルイ14世の得意舞踊、そのまた次曲、
終曲の「アポテオズ」では古謡「アンリ4世、万歳」を引用し、
「ブルボン」を固めたのである。

曲は大きく「前半」と「後半」から成る。まず、
「前半」。
vnプリーモが主題をpで奏する。
****♪ソッ<「シッ」<ドッ<レッ・<ミ<ソ<ラ>♯ファ│
   <ソーッソーッ・ソーッ●●│
   >ファー<ソー(フラジョレ)・>ミー<ソー(フラジョレ)│
   (ソ)>レーッレーッ・レーッ●●♪
ちなみに「シッ」の箇所であるが、おかしなことに、
スコアによってはシャープが附されてるものがある。
【3♯(イ長調)】においては、"ソ"はもともと
"♯ソ"なのだから。ドシロウトであるからして、
1次資料(手稿)を見ることができないし、
なぜジョルジュ・サンドはショパンの結核が
うつらなかったのか解らない拙脳なる私には、
この"♯"の理由についても推理する能はない。

ともあれ、
主題の後半は、実質ホ長調に転じる。
クラリネットによる主題の推移はそのままホ長調。
****♪ドッ<レッ<ミッ<ファッ・<ソーッソーッ│
   ソーッソーッ・ソーッ●●♪
主題の再現は提示よりオクターヴ高められて
独奏vnによって奏される。当然に、
"技巧的"に変ぜられる。
「後半」。
実質ホ長調のまま、ffの全奏。タンバリンが加わる。
****♪ソ、>ソ>ミ>レ、・>♭レ>ド、<ド<ミ<ファ<ソ│
   <ラ、>ラ>ファ>ミ、・>レ>ド、<ド<レ<ミ<ファ│
   <ソ♪
リラの精の主題の変型である。次いで、
実質嬰ヘ短調に転じて、
****♪ミ>♯レ<ミ、ミ>♯レ<ミ、・ミ>♯レ<ミ、ミ>♯レ<ミ、│
   ミー<ラー>♯ソー>♯ファー・<♯ソー、●>Nファ<♯ソ<ラ<シ│
  <ド>シ<ド、ド>シ<ド、・ド>シ<ド、ド>シ<ド、│
   ドー<ファー>ミー>♯レー・<ミー♪
という音型が振り出される。この音型は、
1993年に作曲されたpf曲「18の小品集」(op.72)の第5曲、
"Meditasion(メディタスィヨン=物思い)"
の主題にも使われてる。
[Andante mosso、9/8拍子、2♯(ニ長調)]
***♪ソ・<レ>ド>シ│
  <ドーー・ーー、ド・<ファ>ミ>♯レ│
  <ミーー・ーー<ソ、>ラ<レ<ファ│
  >ミーー・ーー、ミ・>♯ファ<ド<ミ│
   ミーー・>レー♪
終いは、クロマティカルな修飾にデコレイトした
[●♭ラ>ソ<シ<ド]
を打ち出し、イ長調の主和音から主音のユニゾンで曲を閉じる。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#28/パ・ドゥ・ドゥー(4)デジレ王子のヴァリアシオン」

2010年10月29日 00時26分31秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
SFジャイアンツが地元で第1戦を勝利した。
テクサス・レインジャーズはせっかく2回までに
リンスカムから2点を先制した。が、3回表、
3番センター・ハミルトンがレフトフライ、続く
4番ライト・ゲレーロがセンターフライ、そして、
5番クルーズがライトフライ、
というような、3、4、5番の外野手連が、それぞれ
絵に描いたような外野フライを打ち上げてしまった。
調子があがらなかったリンスカムにここで
とどめをさしとかなければならなかった。が、
すべてフライアウトの三者凡退に沈んだことが、敗因である。
その裏、ジャイアンツは同点に追いついた。

チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第28曲"Pas de Deux"は、
オロル姫とデズィレ王子によって踊られる。そして、

1)タイトル無し(導入) [Allegretto、6/8拍子、1♯]
2)Entree(アントレ=登場) [Allegro moderato、6/8拍子、1♯]
3)Adagio(アダージョ) [Andante non troppo、6/8拍子、無調号]
4)Variation(ヴァリヤスィヨン)1 [Vivace→Prestissimo、6/8→2/4拍子、無調号]
5)Variation(ヴァリヤスィヨン)2 [Andantino、2/4拍子、3♯]
6)Coda [Allegro vivace、2/4拍子、4♯]

という6つで構成されてる。その4)。
[Vivace→Prestissimo、6/8→2/4拍子、無調号]
デズィレ王子単独で踊られる。

[Vivace、6/8拍子、無調号(イ短調)]
ファゴット2管+チェロがfで、
****♪●●ミーミー・ミーー>♯レ<ミー│ミーー>♯レ<ミー・ミーー>♯レ<ミー♪
と奏し、それ以外の木管と弦がタンバリンの[タタター]という打突を伴い、
****♪ミーーーミー│>レーーーレー・>ドーーードー│>シーーーシー・
   <レーーーレー│>ドーーードー・>♯ソーーー♯ソー│<ラーーー>ミー♪
というユニットをダブらせる主題を奏でる。
ごく短い中間部は、
[ミ<♯ファ<♯ソ<ラ・<シーー>♯ソ>ミー]というパターンが繰り返される。
踊りではデズィレ王子役がtours en l'air(トゥル・ザンレル)を
4度繰り返す場面である。
また主題が戻る。そして、
→[Prestissimo、2/4拍子、無調号]
とテンポ・アップし、主題が、
****♪ミー●、ミ│>レー●、レ・>ドー●、ド│>シー●、シ・
   <レー●、レ│>ドー●、ド・>♯ソー●、♯ソ│<ラー●、(ラ)♪
というように、拍子が変えられ、さらに歯切れいい律動に変ぜられる。
デズィレ王子役のダンスルは、
grand jete en tournant(グラン・ジュテ・オン・トゥルナン)で
舞台を一回り跳び回る。たいてい、そこで
客席から拍手が巻き起こる。
終いは、イ短調の第3音c(ド)が半音上げられ、
次のオロル姫が踊るヴァリヤスィヨン2の[3♯(イ長調)]を予告、あるいは
それに繋げる意図でか、イ長調の主和音を打ち出して、
a(イ)のユニゾンで閉められる。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#28/パ・ドゥ・ドゥー(3)アダージョ」

2010年10月22日 00時11分21秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
最近、Yahooで検索しても、Googleで検索したのと
似たような結果が出るようになった。
イタリア語の"Mamma mia!(マンマ・ミーア!)"と1990年前後にC級アイドルだった
増田未亜(マスダ・ミア)女史の名前を何度も聞き違え、米良美一と
GLAYのTERUと相良直美女史の顔の違いが今ひとつ判別できない
拙脳なる私でも気づくほどに。そういえば、
相良直美女史がカムバックしたらしい。
♪ふぅ~たりぃのぉ~ためぇ~~~、
 せぇ~かいはあるのぉ~~~♪

チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第28曲"Pas de Deux"は、
オロル姫とデズィレ王子によって踊られる。そして、

1)タイトル無し(導入) [Allegretto、6/8拍子、1♯]
2)Entree(アントレ=登場) [Allegro moderato、6/8拍子、1♯]
3)Adagio(アダージョ) [Andante non troppo、6/8拍子、無調号]
4)Variation(ヴァリヤスィヨン)1 [Vivace→Prestissimo、6/8→2/4拍子、無調号]
5)Variation(ヴァリヤスィヨン)2 [Andantino、2/4拍子、3♯]
6)Coda [Allegro vivace、2/4拍子、4♯]

という6つで構成されてる。その3)。
[Andante non troppo、6/8拍子、無調号]
[A-B-A']という三部形式である
弦楽ピッツィカート、そして、フルート2管の重音による伴奏に乗って、
独奏オーボエが主要A主題を吹く。
****♪●●【ドー、<レー、・<ミー>シー<ドー、│
   <レーーー】、<ミー・>レーーーーー│
   ーー、レー、<ミー、・<ファー>ドー<レー│
   <ミーーー、<ファー・>ミーーーーー│
   ーー、>レー、>♯ドー、・<レー<ミー>レー、│
   >ソー<ラー<シー、・<ドーーーー│
   ーー、ドー、ドー、・(ド<レ>)ドー>シー、<ドー、│
   <ミーーーーー・ーーーー、<ラ、>ソ、│
   >レーーーーー・ー、<ミッ<ファッ>ミッ>レッ>ドッ│
   >シ<ド<レ>ド、>シッ、>ラッ、・>ソ<♯ソ<ラ>ソ>ファッ>ミッ│
   >レ<ラ、>ソーーー・ーーーーーー│
   ーー●●●●(フェルマータ)♪
この主題は、1デケイド少々のちに、スウェーデン人のスィベリウスがその
「交響曲第2番」の終楽章の主要主題に用いた。
**♪●●【ドー・<レー・<ミー│>シー<ドー・<レー】♪
同じくスウェーデン系ながらフィンランド語を話す
アイノとの「パ・ドゥ・ドゥー」、そして、フィン人との
融合「パ・ドゥ・ドゥー」を詠ったのかもしれない。それはともかくも、
この終いで、pfがハ長調の属音から4オクターヴ上の属音まで
グリッサンドを弾きあげる。
第3幕で「100年経った証」として使われはじめたpfが、もっとも
目立つ形で現れるのである。ともあれ、
このA主題は繰り返され、ホ長調へ向かう。そして、
その終いでもpfはホ長調の主音から2オクターヴ上の主音へ
グリッサンドを展開する。さらに、
独奏オーボエ+コルノ・イングレーゼ+クラリネット2管が、
[e-h-gis]→[e-c-a]→[e-h-gis]
とホ長調を確認し、フェルマータ附きの8分休符を挟んでB部に進む。

クラリネット2管+ファゴット2管+チェロ+コントラバスと、
ホルン4管が、交互に繰り出すヘミオラの伴奏の上に、
両翼vn+ヴィオーラが、オクターヴ上下と休符を織り交ぜた16分音符で
B部前半の動機を提示する。
****♪ド>ド●ド<ド>ド・●ド<ド>ド●ドッ│
   <<レ>レ●レ<レ>レ・●レ<レ>レ●レッ│
   <<ミ>ミ●ミ<ミ>ミ・●<ソ>ソ●ソ<ソ>ソ│
   >レー♪
この律動は、
「白鳥の湖」第2幕第13曲-5の「パ・ダクスィオン」の中間部、そして、
それに続く第13曲-6の、「変イ長調」に調性を変じられた
ヴァルスに現れるものと似てるのである。つまり、
「女と男、二人が愛を契ったあと」ということである。ともあれ、
この終いでまたpfがホ長調の属音からオクターヴ上の属音まで
グリッサンドする。上記動機は繰り返されるが、終いのpfは、
[レ>ド>シ>ラ>ソ>ファ>ミ>レ>ド>シ>ラ>ソー]
初めて下降するグリッサンドを弾く。
オケはホ長調の属和音をクレッシェンドさせて、
弦群が属和音の上昇分散を弾きあげて、さらに
16分音符でホ長調の属和音を打ち据える。
フェルマータ附きの休符を経て、

→[Poco piu mosso]
B部後半はテンポをほんの少し速めて、ハ長調。
****♪ドーーー>ソー・ソーーーーー│ーー♪
この1小節めの第6拍から次小節の第1拍にかけて、
オーボエ2管+クラリネット2管+コルネット2管+トランペット2管によって、
「運命のリズム=タタタターン」が吹かれる。そして、
ホルン4管がユニゾンでA部の主題の断片を吹奏する。
基本的にはその呼応が繰り返され、
細かく転調してホ短調に到達する。そして、
突如またハ長調に踵を返して、

→[Tempo primo]
A部の再現である。
ファゴット1管+ホルン2管+トロンボーン3管と、
オーボエ2管+コルノ・イングレーゼ+クラリネット2管+フォゴット1管+ホルン2管+pfが、
交互に[●♭ラ>ソ<♭ラ>ソ<♭ラ>ソ]というような半音ブレの
16分音符の伴奏を刻む中、
フルート1管+vnプリーモ、そのオクターヴ下のフルート1管+vnセコンド、
そのまたオクターヴ下のヴィオーラ+チェロが、
A部の主題を奏する。このときのpfがまた非常に効果的で、
涙なしには聴けないほどの感動ものである。ともあれ、
全奏のfffでハ長調の属和音が8分音符で打ち据えられる。
フェルマータ附きの休符を挟んでまた、全奏が始まる。
A部の主題をトランペット2管が完全ユニゾンで吹き、
途中からコルネットも加わり、頂点を迎える。そして、収束され、
A主題の断片をオーボエ2管が完全ユニゾンのmfで吹奏し、
他の木管群や弦群がカノる。
主題の断片はさらに短くなり、次第に低音に落ちてく。
木管群のハ長調の主和音がかぶせられ、
pfと弦群のピッツィカートが拍を裏打ちして曲は閉じられる。
バレエの舞台では、たとえどんな拙い踊りでも
大拍手が巻き起こる場面である。
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