チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#23パ・ドゥ・カトル/コーダ」

2010年09月08日 00時21分52秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
このところ煎餅焼きがすこぶる順調で、おもしろいようにはかどる。
[この行をば、我が業とぞ思ふ。新月に、書けたることも、あると思へば]
望月という名字は現在の静岡県や山梨県において、それぞれ
上位3番に入るほど多い名字である。
静岡市ではもっとも多い名字とされてる。
全国的には多くない名字がこれほど多い地域は異例である。これは、
天目山の戦いに敗れて武田家が甲斐支配に終止符を打ったとき、
多くの落ち武者は信長の命で殺されたが、当面、
織田の追っ手から逃れた者は、信長自体がすぐに
本能寺で誅されたためにそれ以上の追求を受けずに済んだ。
その中の望月一族が富士山の西側の富士川周辺に
子孫を繁栄させたためである。ちなみに、
人を轢き殺して以来ノイローゼに陥り、先日、その妻が
俳優生活の終止符宣言をした根津甚八は山梨県の都留出身である。
この根津氏は、望月氏や真田氏と同族である。

[リステッソ・テンポ=ヴァリ4ヴィヴァーチェと同じテンポ、2/4拍子、4♯(ホ長調)]
両翼vnが完全ユニゾンのpで、
****♪●●●●・ソー●●│>>ファー●●・<・ソー●●│>>ファー●●♪
という、ダイアモンドの精のヴァリアスィヨンのb主題弾頭の変型を繰り返し、
トライアングルがその休符の間を埋め、
ともにクレッシェンドする。途中から休符がなくなり、
トライアングルも16分音符で快速に刻み、
オーボエ、コルノ・イングレーゼ、クラリネット以外の全奏がffで伴奏の和音を刻むと、
ダイアモンドの精のヴァリアスィヨンのb主題の変型が提示される。
****♪ファーッ<<ソーッ・>>ファーッ<<ソーッ│
   >>ファーッ<<ソーッ・>>ファーッ<<ソーッ│
   >>ファッファッ<<ソッソッ・>>ファッファッ<<ソッソッ│
   >>ファッファッ<<ソッソッ・>>ファッファッ<<ソッソッ│
   <ラッ>ソッ>ファッ>ミッ・<ファッ>ミッ>レッ>ドッ│
   <ラッ>ソッ>ファッ>ミッ・<ファッ>ミッ>レッ>ドッ│
   <シッ>ラッ>ソッ>ファッ・<ソッ>ファッ>ミッ>レッ│
   <シッ>ラッ>ソッ>ファッ・<ソッ>ファッ>ミッ>レッ│
   <ミーッ♪
これが確保されると、ドをソに置換しイ長調に転じて、
****♪ソーッ、>ソ<ラ・<シ<ド<レ<ミ│
   <ファ<ソ<ラ<シ・<ド<レ<ミ<ファ│
   <ソー、>ソ<ラ・<シ<ド<レ<ミ│
   <ファ<ソ<ラ<シ・<ド<レ<ミ<ファ│
   <ソ(をシに置き換えてヘ長調)ー、
    >>シ<ド・<レ>♯ド<レ<ミ│
   <ファ<ソ<ラ<シ・<ド>シ<ド<レ│
   <ド<レ<ミ(をドに置き換えてイ長調)<レ・
    <♭ミ<Nミ<ファ<♯ファ│
   <ソ>ファ>ミ>レ・>ド>シ>ラ>ソ♪
これが繰り返されて、終いはホ長調に戻り、
ファゴットとコントラバスを除く木管と弦楽で、
****♪ド<レ<ミ>レ・>ド<レ<ミ>レ♪
を繰り返して、
****♪ド<レ>ド<レ・>ド<レ>ド<レ│
   >ド<レ>ド<レ・>ド<レ>ド<レ│
   <ミー>>ドー・●●●●(フェルマータ)♪
とホ音のユニゾンで閉められる。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#23パ・ドゥ・カトル/ヴァリ4ダイアモンドの精」

2010年09月03日 01時04分42秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
ごくごく小規模の[a-b-a]形式である。
[ヴィヴァーチェ、2/4拍子、1♯(ト長調)]
fのトライアングルが8分音符で拍を刻む。4小節めから、
フルート2管クラリネット1管と両翼vn+ヴィオーラがユニゾンするa主題が奏される。
****♪(●●)ド>ソ・<ドー●●│●●>シ>ソ・<シー●●│
   <●●ド>ソ・<ドー、>ソ>ミ│<ソー、<ラ>ミ・<ラー、>ソ>レ│
   <ソー、>ファ>レ・<ファー、>ミ>ラ│<ミー、>レ>ラ・<レー、>ド>ファ│
   <ドー、>シ>ファ・<シー、<ラ>レ│<ラー、>ソ>レ・<ソー、ソ>ミ│
   <ソー♪
このa主題が確保されたあと、vnプリーモが奏するb主題になる。
ト長調のミをラと置き換えてニ長調、
****♪●●ラーッ・>>ソーッ<<ラーッ│
   >>ソーッ<<ラーッ・>>ソーッ<<ラーッ│
   >>ソッソッ<<ラッラッ・>>ソッソッ<<ラッラッ│
   >>ソッソッ<<ラッラッ・>>ソッソッ<<ラッラッ│
   <シッ>ラッ>ソッ>ファッ・<ソッ>ファッ>ミッ>レッ│
   <ファッ>ミッ>レッ>♯ドッ・<レッ>Nドッ>シッ>ラッ│
   <ミッ>レッ>ドッ>シッ・<ドッ>シッ>ラッ>ソッ│
   <ラッ>ソッ>♯ファッ<ソッ・<ラッ<シッ<ドッ<レッ│
   <ミーッ♪
このb主題は続くコーダの主題となるものである。
b主題の間、トライアングルは沈黙する。
このb主題が確保されたあと、ト長調に戻り、a主題が
ピッコロ+フルート2管で再現される。トライアングルも戻るが、
打たれる拍が変じられる。再現a主題の確保になると、
トライアングルは律動も主題に則したものに変ぜられる。
終いはホ短調の属和音で閉められ、それが
ホ長調の属和音と置き換えられて、
ホ長調のコーダへと向かう。

ダイアモンドはもっともモース硬度が高い物質である。かつては、
レコード針やガラスを切る道具に使われてた。ともあれ、
ダイアは最外殻電子が「4」個の炭素が共有結合したものである。
いずれの炭素原子も隣接する「4」個の炭素と共有結合をしてる。
ある炭素原子が正四面体の中心(重心)にあると仮定すると、
隣接する4つの原子はその正四面体の頂点に位置する。
ひとつの原子を軸としてあとふたつの原子へ伸びる角度
(結合角)は109.5度である。ちなみに、
この「109.5」という数字は、
いわゆる「出資法」において重要な数字である。
昭和29年にいわゆる「出資法」が施行された際に、
貸金業者の金利の上限が年利109.5パーセントとされた。
現在は29.2パーセンドでに引き下げられたが、
個人間の貸し借りには未だにこの109.5パーセント上限が
生きてるのである。

それはともあれ、というように、
ダイアモンドは「4」の象徴である。野球の内野の塁間を結ぶ形を
ベイスボール・ダイアモンドという。これは芝であるはずなのだが、
ダートな甲子園球場など、プロが使用する球場だというのに、
草野球レヴェルの球場なのである。
雨で開始が遅れたときに、いわゆるボルチモア・オリオールズの捕手
リック・デンプスィーがベイブ・ルースの物真似をして
現実ではありえなかったルースの
インサイド・ザ・パーク・ホウムラン(いわゆるランニング・ホームラン)の
パフォーマンスをしてた頃がなつかしい。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#23パ・ドゥ・カトル/ヴァリ3サファイアの精」

2010年09月02日 00時56分35秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
この2日ばかり、煎餅焼きに精を出してた。
明日からもまた注文の煎餅を焼く。が、
プラチナもエメラルドも買えない低収入である。

ごくごく小規模の[a-b-a]形式である。
[ヴィヴァチッスィモ、5/4(2/4+3/4)拍子、調号なし(ハ長調)]
チェロの低音cのfの通奏を下敷きにして、
ファゴット2管+ホルン4管とpfの主和音のユニゾンによるfの
**♪ター・タータ│ター・タータ♪律動に導かれて、
ヴィオーラが第1、2拍を、vnプリーモが第3、4、5拍を、
分割受け持ちでa主題をffで爪弾く(ピッツィカート)。ただし、
第1、2、3拍にはvnセコンドが裏打ちされてるので、
第3拍が重なる形となる。つまり、
第3拍が"増量"されてるのである。
**♪ド<レ・<ミ>ド>ソ│<ミ<ファ・<ソ>ミ>ド│
 <ファ<ソ・>ファ>ミ>レ│>ド<レ・>ド>ラ>ソ│
 <ド<レ・<ミ>ド>ソ│<ミ<ファ・<ソ>ミ>ド│
 <ファ<ソ・>ファ>ミ>レ│>ド<ミ・>ド>♯ファ<ソ♪
これが確保されて、ファゴット以外の木管群がb主題を
スタッカートで吹奏する。a主題の亜型である。
第1拍にトライアングルが入る。
**♪(ド<ミ・>ド)>ソッ<ドッ│
 <ミッ<ファッ・<ソッ>ファッ>ミッ│>レッ<ミッ・>レッ>♭シッ>ラッ│
 <レッ<ミッ・<ファッ>ミッ>レッ│>ドッ<レッ・ドッ>ラッ>ソッ│
 <ミッ<ファッ・<ソッ>ファッ>ミッ│>レッ<ミッ・>レッ>♭シッ>ラッ│
 <レッ<ミッ・<ファッ>ミッ>レッ│>ドッ>ラッ・>ソッ<ラッ<シッ♪
この8小節でb主題は終わり、楽器編成を替えてa主題が戻る。
終いはpfも伴奏から主題奏に加わり、
**♪ド<レ・<ミ>ド>ソ│<ミ<ファ・<ソ>ミ>♯ド│
 <ファ<ソ・>ファ>ミ>レ│>ド<レ・>ド>ラ>ソ│
 <ド<レ・<ミ>ド>ソ│<ミ<ファ・<ソ>ミ>♯ド│
 <ファ<ソ・>ファ>ミ>レ│>ド<レ・>ド>●●♪
と閉める。

サファイアはcorundum(コランダム)という鉱石のひとつを"磨いた"
宝石である。ダイアモンドに次いで(モース硬度では)硬いらしい。
純粋ならば無色透明なcorundum(コランダム)が
酸化クロムを含有して赤くなったものを「ルビー」という。
それ以外が「サファイア」である。もっともポピュラーなのがブルーで、
ブルー・サファイアを通常はサファイアというが、他に
イェロー・サファイア、ピンク・サファイアなど、いろいろある。が、
深い青のサファイアが最高のものとされた。
青い空、青い海、の象徴だからである。
モーセがシナイ山で与えられた十戒はラピスラズリだったが、
それがブルー・サファイアに置き換えられ、
キリスト教の時代になってそれがローマ帝国に浸透すると、
聖パウロの色とされた。ダマスカスに向かう途中、聖パウロは復活したイエスに
「なぜ"生前の"私を迫害したのだ?」となじられて一度盲目になり、
その後、キリスト教徒の祈りで"目から鱗が落ち"て視力が回復した、
という伝説を持つ聖人である。ちなみに、
目の中には水晶体の裏側にジュレ状の「硝子体」が埋まってて
眼球がうまく収納されてる。が、
加齢や疲れなどでジュレが液状化て表にズレて出てきてしまって
目が見えにくくなることがある。おそらく、
それがうまく治ったのだろう。それはともかく、
深い青色は聖母マリアのマントの色として描かれたりして、やがては
聖職者の指輪にもブルー・サファイアが用いられるようになった。
王族もそれに倣ってブル・サファイアを王冠にあしらうようになる。
ダイアモンドの次に硬いので、「愛の固さ」をも意味するようになる。
"世紀の結婚"と言われもてはやされた英国王太子チャールズが
故ダイアナ・スペンサー女史に贈った婚約指輪は、
14粒のダイアモンドで周囲を飾った18カラットのオウヴァル(卵形)な
ディープ・ブルー・サファイアだった。
♪オーーーーウ、プリーーーーズ、ステーーーーイ・バイ・ミーー♪
ともあれ、
corundumは酸化アルミニウムの結晶である。
酸化アルミニウムはAl2O3。
+3価のアルミニウムイオンに-2価の酸素イオンが
結合したものである。なるほど、ゆえに
2拍子+3拍子の5拍子なのである。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#23パ・ドゥ・カトル/ヴァリアスィヨン2銀の精」

2010年08月31日 00時13分56秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
ごく小規模の[a-b-a]形式である。
[アッレーグロ・ジュスト、2/4拍子、4♭(変イ長調)]
vnセコンド(ヴィオーラが3度下を重ねる)がpで、
****♪シーーー・ーーーー│ーーーー・ーーーー、│
  <ドーーー・ーーーー│ーーーー・ーーーー、│
  <♯ドーーー・ーーーー│<レーーー・ーーーー、│
  <♯レーーー・ーーーー│<ミーーー・ーーーー♪
と半音上昇を弾く。その間、vnプリーモが
****♪●●(ラ>)ソー・●●(ラ>)ソー♪
というシンコペをpで刻み、グロッケンシュピールが、
****♪●●●●・ソー●●│>ソー●●・<ソー●●│>ソー●●♪
という属音のオクターヴ下降上昇をmfで繰り返す。
という前奏に導かれて、
フルート2管(mp)+pf(mf)のオクターヴ・ユニゾンが、
****♪ソ<ラ<シ<ド│<レーッ、レーッ・>ソーッ<レーッ│
   <ミーッ●●・>ソ<ラ<シ<ド│<レーッ、レーッ・<ファーッ>レーッ│
   <ミーッ●●・>ソ<ラ<シ<ド│<レーッ、レーッ・<ソーッ>ファーッ│
   >ミーッ<ラーッ・>ミーッ<ラーッ│>ファーッ<シーッ・>ファーッ<シーッ│
   >ミーッ<ドーッ♪
というa主題を奏する。主題は確保され、
オーボエ1管+コルノ・イングレーゼ+ファゴット2管+ホルン2管を従えて
クラリネット2管が平行調のヘ短調でb主題を吹奏する。
b主題はa主題の亜型である。
****♪ラ<シ<ド<レ│<ミーッ、ミーッ・ミーッミーッ│
   ミーッ<ファーッ、・>ラ<シ<ド<レ│<ミーッ、ミーッ・ミーッミーッ│
   <ラ>ミ>ド>シ、・>ラ<シ<ド<レ│<ミーッ、ミーッ・ミーッミーッ│
   ミーッ<ファーッ、・>ラ<シ<ド<レ│<ミーッ、ミーッ・ミーッミーッ│
   <ラ>ミ>ド>シ・>ラー♪
a主題はb主題最後のラーから、
****♪ラ<シ<ド<♯ド│<レーッ、レーッ・>ソーッ<レーッ│<ミーッ●●♪
と戻される。今度は、
フルート2管(mp)+pf(mf)のオクターヴ・ユニゾンに
オクターヴ上にピッコロ(mp)が重ねられる。それに併せて、
バスも充実させられてる。曲は
変イ長調の主和音が裏拍で打たれて終止する。

銀(Ag)は金(Au)や銅(Cu)などと同じく第11族元素である。
元素記号にもなってるAgはラテン語のargentum(アルゲントゥム)が
もとになってる。ラテン語は相当数
古代ギリシャ語由来の言葉で成り立ってる。
argos(アルゴス)である。古代ギリシャ語はインド・ヨーロッパ語である。
サンスクリット語でもアルジュナである。それらはすべて、
銀が金属の中でもっとも光を反射させる性質があることから、
「輝く」「白い」というような意味を持つ。
万葉集(5-803)山上憶良
[銀母、金母玉母、奈尓世武尓、麻佐礼留多可良、古尓斯迦米夜母]

ちなみに、
モーツァルトのスィングシュピール「魔笛」では、
タミーノには魔法の笛、パパゲーノには魔法の銀の鈴(グロッケンシュピール)が
与えられてた。モーツァルティアーナなチャイコフスキーは、
バレエ「眠れる森の美女」の銀の精のpfが奏でる主題に
フルート(ピッコロ)とグロッケンシュピールを与えた。
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「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#23パ・ドゥ・カトル/ヴァリアスィヨン1金の精」

2010年08月25日 00時40分16秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
[アッレーグロ(テンポ・ディ・ヴァルス)、3/4拍子、3♭(変ホ長調)]
ファゴット1管+第3トロンボーンとそのオクターヴ下のファゴット1管+コントラバスが、
***♪ドー・ーー・>ソー│<ドー・ーー・>ソー♪
という低音の伴奏をffで反復させ、
オーボエ2管+トランペット2管+そのオクターヴ下のクラリネット2管+トロンボーン2管が、
***♪●●・ソー・ーー│●●・ソー・ーー♪/***♪●●・ミー・ーー│●●・ミー・ーー♪
とffで重ねるのに乗じて、
フルート2管+両翼vnとそのオクターヴ下の
コルノ・イングレーゼ+ヴィオーラ+チェロが、
***♪ドー・ーー・ーー│<レー・ーー・>シー│
  <ドー・ーー・ーー│<レー・ーー・>シー│
  <ミー・ーー・>ドー│<ファー・>ミー・>レー│
  <ミー・>レー・>ドー│<レー・>ドー・>シー♪
という主題をffで奏する。主題はそのまま確保され、さらに、
推移せずにホルン4管のユニゾンに受け継がれる。そして、
***♪●ソ・<ラ>ソ・>ファッ>ミッ│
  <ソ>ファ・>ミ<ファ・>♯ドッ<レッ│
  <ファ>ミ・>レ>(N)ド・>シッ<ドッ│
  <ミ>レ・>♯ド<レ・>ラッ<シッ│<ドッ♪
というフレイズが両翼vnの3度重ね、次いで、
ヴィオーラとチェロの3度重ね、で奏されて、
***♪●ミ・>レ<ミ・>ド<ミ│レ<ミ・>ド<ミ・>レ<ミ│>ド♪
が反復されて、終いは、
***♪ドー・<ミー・<ソー│<ドー・●●・●●(フェルマータ)♪
と閉められる。わずか65小節の曲とはいえ、
チャイコフスキーとしてはめずらしく、
平行調への転調さえなくいっさい転調せずに、
終始変ホ長調で押し通す。
金(Au)はその輝きだけが魅力的なのではない。
展延性に富み、熱や電気をよく伝導させる。が、なにより、
標準電極電位が高く(+1.520V)、腐食しにくい、つまり、
溶けにくい金属であることに、最大の価値がある。その性質を
チャイコフスキーは「調性不変」で示したのかもしれない。

【cf】金はハロゲン系溶媒(たとえばヨードチンキ)、シアン系溶媒、王水には溶ける。
王水=HNO3(濃硝酸)+3HCl(濃塩酸)←→NOCl(塩化ニトロシル)+Cl2(塩素)+2H2O(水)
Au(金)+NOCl+Cl2+HCl→H[AuCl4](テトラクロロ金酸という錯体)+NO(一酸化窒素)↑

自然界で金は3価をとることが多い。なるほど、
この「金の精のヴァリアスィヨン」は3拍子のワルツなのである。
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