多摩森林科学園の桜保存林に咲く小さな小さな花のお話の続きです。
桜の樹々の足元の地面を這うように広がり、小さな1cmにも満たない可憐な花がたくさん咲いていたのは
金瘡小草(きらんそう)です。
金瘡小草の「瘡」の文字は、傷やできものの意味を持ちます。 可憐な花姿には似合わない文字ですが、万病に効く薬草として古くから 使われていたことに由来するそうです。 地表を覆うように広がる様子と古くから人々の命を救ってきた薬効から 「地獄の釜の蓋」という俗称も持っていたそうですよ。 弘法大師がこの草が薬草になると広めたと言われることから「弘法草」 という別名も持っています。 | |
「金襴草」とも書くのは、地面を覆うように咲きひろがる様子が、 「金襴(きらん)」という織物を広げたようにも見えるからだそうです。 薬効にはこだわらず、美しい花姿の色彩を表現した名前ですね。 紫の古語「き」と藍色の古語「らん」の2文字から「きらん」と呼ばれ 「金襴」の文字が当てられたようです。 | |
急斜面を見上げると、八重紅枝垂が(やえべにしだれ)が 咲いていました。 近くまでは行けない場所に咲く八重紅枝垂の樹は樹齢の高そうな 気配です。 小さな八重咲きの淡い色の花が愛らしく咲き誇っていました。 |
こうして桜保存林の花々のことを書いていると、小鳥たちのさえずりや小川のせせらぎを聞きながら
のんびりと歩いた日のことをいろいろ思い出します。
あの日から10日が過ぎていきました。
新型コロナウイルス禍の収束の日を、1日も早く迎えることができますように...
多摩森林科学園の桜保存林で撮影をしたのは、4月7日(水)です。
金瘡小草(きらんそう)について
冷たい小雨が降ったりやんだりの週末です。
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