音曲亭ぱつら

ジャズプレイヤー金子雄生の音曲話と与太郎的日常生活におけるその傾向と対策に関する一考察

先日、神戸ポートアイランドで考えた

2007年06月13日 | ライブ/イベント報告
先日、神戸ポートアイランドにある
TOAジーベックホールで行われた
トライやる・ウィーク10周年記念コンサート
「港島ミュージック・サーカス」にゲスト出演してきた。
TOA(株)は1998年のトライやる・ウイーク初年度より、兵庫県が行っている教育の一環として神戸市立港島中学校生徒を受け入れ、生徒達による音楽創作活動から、職業体験まで協力。今回のコンサートに出演するだけでなく、運営、広報など
裏方の仕事までを生徒たちが一週間かけてやるのだ。

今回はトライやる・ウィーク10周年記念コンサートと言う事で
この10年間やって来たものを映像やライブで振り返ると言うもの。
もちろん振り返るだけじゃないがね。。
サウンドアーティストの村井啓哲氏のもと、
リードオルガン奏者の大森幹子さん
ちんどん奏者、華乃屋ケイさん
そしてあたしという面々が集まった。

村井氏のアイディアとして、
この3人がリアルタイムでザッピング効果を出すと言う。
その間には映像も入ってる。
大森さんにはギター、ファゴットを演奏する生徒、
大森さんにはトロンボーン、ホルンの生徒。
あたしの所にはスネアドラムをやっている生徒
2004年にあたしと作った楽器を持って来て参加の生徒とジェンベの生徒。

さて、スタッフ以外、生徒もミュージシャンも初顔合わせと言っていい。
村井氏とは1週間前に電話で話しただけだ。
音を出すまでどうなるのかわからなかった。
しかも、大森さん、ケイさんはホントにそのまま生音でいくのだが
あたしは、2004年に使ったオリジナル曲に乗っかって演奏すると言う
いわばカラオケ状態。ザッピングのタイミングも難しい。
それに、もう音が古い、と自分で感じてしまった。
2004年の音を”再現”する事だけは避けたい。ミュージシャンとしてそれは譲れない。
ここはあたしの腕の見せ所。
この数日、東京から簡単なリズムパターンを書いた宿題も送っておいたが、
やっぱり本番当日、緊張するのだろう。モニターの音が聞こえないらしい。ずれる。

さて、考える。

この、今日あったばかりのこの子たちに何を伝えられるか。。。
いいや、この子たちと何が出来るのか。。。

ここで、思い出す。以前、同じスタッフで別なワークショップをやったとき、
帰り際ひとりの生徒が

『俺ってすごい!』

といいながら帰っていった。

そう。この一言につきるんじゃないか?
今日ここでうまい演奏する必要なんてないじゃないか。
この10年、そんなセコな企画でやってきた訳じゃないはずだよ。
自分がこの一週間、悩んだり、焦ったり、怒られたり、そして、
友達をフォローしながら
大人たちに交じってやってきた。あたしはそれをゲネプロのときみたよ。立派じゃないか。『すごい』よ。
じゃぁ、本番のこの部分は専門家であるあたしがバックアップする。
思いっきりやりな。

ただね、『聴け!』

これだけは口を酸っぱくして言い続けた。
これが職業体験だとするなら君たち、演奏する事も仕事だ。
前言った事と矛盾するかもしれないが
結果でなく、そのアクションをしてほしかった。
本番まで、ジタバタしてほしかったんだ。

本番までたいしたトラブルもなく。
演出効果はさすがジーベック。
そして君たち、一番声出てるじゃないの!

あっという間に本番終了。

終わった後の顔、皆いい顔してたぞ。

さて、もしこのブログを読んでいるあのときの生徒がいたら、

ひとこと。

『もう忘れていい、次だ』








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