音曲亭ぱつら

ジャズプレイヤー金子雄生の音曲話と与太郎的日常生活におけるその傾向と対策に関する一考察

「この空をやる!!」

2007年04月29日 | 徒然
ひさしぶりの雲ひとつない青空。
気分も晴れやかになって体の中を巡るリズムも違うように感じたり。
今まで、空をゆっくり眺める事ってなかなかなかったけど
今朝、橋をゆっくり渡りながら空を見た。

いいな、っておもった。

空と言えば、忘れられない事があるんだけど、
それは、随分昔にテレビで放送された旅の番組。
テレビ的にはタレントが外国を旅して、
現地の人達と交流を図る、っていうアレね。

その時は、ミクロネシアのどこだか覚えて無いんだけど、あそこらへんの島。
タレントが皆と一緒になって漁をしたり畑耕したり、といつものパターン。
ただ、ちょっと違ったのは帰り際、涙のシーンの前にあったんだよね。

その島の長老だか、泊めてもらった所の親父さんかはもう定かじゃないけど、
きっとそこでは権力を持っているひとだから長老にしとく。
タレントに、
「お前が気に入った。私の娘(孫娘?)もお前が好きらしい。
娘をやるからここに残ってほしい」

娘が遠くでモジモジしながら見ている。

困るタレント。日本で仕事が待っているとか、言い訳を並べ立てている。
だが、向こうは大マジだ。

ここだ!
ここで長老、ものすごいことを言う。
「じゃぁ、娘と結婚してここに残ってくれたら、
  この空をやる!!
ここから見える空は全ておまえのものだ!!」

こりゃぁ、テレビを見ててぶっ飛んだね。


唖然とし、オロオロするタレント。

そして長老、もう一発かました。

「この海もやる!見える所まですべて!!」

いいやがったね。


これを読んで、
「自然は誰のものでも、、、、、」
なぁんていってる人がいたら、、あなた、野暮ですよ。

こんな事を言い切れる人なんてそこらじゃお目にかかれませんよ。
いいねぇ。

広い空なんだろうな、大きい海なんだろうな。

もし、あたしがこんなこと言われちゃったら、
ひょっとして残っちゃうんじゃないかな。って
この話を思い出すたんびに考えちゃうんですよ。

ねえ、今度空を見上げて想像してみなさいって。

「私の空」

ロマンチックな気分になりますよ~









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2 コメント

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青森 (がじょう)
2017-08-21 05:07:16
今の嫁を貰いに青森まで行った26年前、私も「娘さんをくだ。。。」なんて挨拶を考えながら「手討ちにするぞ?!」ってな修羅場を覚悟して新幹線に乗ったですよ、
暗く淋しいバス停から歩いてると前からドッドッとスクーターが。それが義父でした。

肝心の口上は「いいから飲め」と日本酒をコップに注がれてそれを息を止めて一気飲みして(当時はビールと薄い水割りしかダメだった)すべてなし崩し、それから三ヶ月後には家族になってました。陰と陽の違いはあるけど「この空をやる」と言った親父さんと恐らく同じくらいスゲーお父さんでした。
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Unknown (Joe Katti)
2022-12-17 10:20:42
面白い話ですね。
やる、と言っても、具体的に飛行権とか漁業権とか、そういう現代社会の法的権利みたいなものではないんでしょうね、たぶん。

以前よんだ、アメリカ先住民(インディアン)が、裁判で述べた彼らの自然観を思い出しました。

現代社会の前に、人間がどういう自然観、所有権をもっていた社会でくらしていたのか?ということを想像させてくれます。そしてそこに、今の閉塞感のある社会を変えてゆく要素がひそんでいるのかもしれない、とも。。。
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