あきブラザーズと愉快な仲間たち

コロナの夏。ステイホームとテレワークをしながら
ガーデニングをしてます

セキセイインコの思い出

2013年05月22日 23時20分40秒 | ペットその他
先週のダーウィンは手乗りインコの特集だった。

セキセイインコが
まるで人間みたいに上手にしゃべっている。
懐かしさに胸が熱くなった。


そう、私も手乗りでおしゃべりな、セキセイインコを飼っていた。

名前は
ぴーちゃん。

一人暮らしのきままな休日、
ふらりと立ち寄ったペットショップで
ヒナたちと体をよせあっていたぴーちゃん。


5月の空みたいなブルーに、レモン色の羽色。
ハルクイン種という、少々珍しいタイプだった。

連れて帰ったぴーちゃんに、
ちいさなスプーンで餌をやる。

あっという間に手乗りになり
いつでもまとわり付くようになった。

電話が鳴ると受話器のところに飛んできて
首をかしげながら一緒に耳をそばだてる。

私が食事をはじめると
彼もピンクのカゴの中で一緒にごはん。

テレビを見て涙を流すと
飛んできて涙をくちばしでぬぐう。

なんだかずいぶん人間くさい鳥だった。


そして夏休み、彼を実家に預かってもらっていたときのことだ。

様子をきくと
母が妙なことを言った。

「このトリしゃべるわよ」

そんなはずない

が、
戻ってきたぴーちゃんは、確かにおしゃべりをするようになっていた。

電話がなると
「ぴー、もしもし、ぴー、ぴーちゃん」

そして
「きゃははは~」

と私の笑い声まで真似してくる。

彼は夏の間に、一気におしゃべりインコとして目覚めてしまっていた。


夏が過ぎ
冬が過ぎ
季節はめぐり、
ピーちゃんは目の下の毛羽も荒くなり、
だんだん、おじいちゃんになっていった。

正社員になって
一人暮らしの真夏のワンルームに留守番させるのが不憫で、
晩年の彼は実家で余生を送っていた。

4年目の夏のはじめ、
帰宅すると電話が鳴った。

「ぴーちゃんが天国に旅立った」と母が言った。


その日、私は実家に戻り
動かなくなったぴーちゃんをそっと手のひらにいれ
いつまでもいつまでもなで続けた。

そして
ひっそりと静まり返った夜に、
松の木の根元に
埋めた。

そこは
私が幼いころかわいがっていた動物達を
埋葬していた場所だった。
カメ、ザリガニ、クワガタ、カブトムシ。そしてセキセイインコ。
ぴーちゃんはその晩
彼らの仲間になった。



こんど実家にもどったら
久しぶりにあの場所に行ってみよう。

目を閉じたら、
きっと、あの頃を思いだすだろう。

癒しを、笑いを、愛情を、そして勇気を
くれたぴーちゃん。

ありがとう。
あなたに出会えて
私はほんとうに幸せでした。









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2 コメント

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ありがとう (あきの母)
2013-05-24 22:18:12
ぴっちさん、

ぴっちさんのハンドルネームはピッチからつけていたんですね。白文鳥、かわいかったのでしょうね。

鳥ってほんとに小さいのに、時として犬や猫以上に、
人の心を動かす何かを持っている動物であるような気がしませんか?

今回、記事を書いていて
私も思いっきり泣いてしまいました。

肩身のようにこの写真だけはいつも大切にしていました。
ピッチさんのリクエストをいただいたおかげで、
懐かしい思い出にふれる事ができました。

ありがとうございました。
感謝。

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涙がでました (ぴっち)
2013-05-23 23:56:50
日記を拝読し、涙がでました

ぴーちゃんとの楽しかった思い出、一緒にすごした優しい時間がとてもよく伝わってきました。

私はずっと白文鳥(代々ピッチ)を飼っていました。
小鳥の種類が違っても小鳥との思い出は同じですね

私もピッチに会いたくなりました。
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