責め立てられる歌に
急かされても 戸惑うばかり
冷えた携帯握りしめ
ホームのベンチから動けない
いくつかのすれ違い
些細な失敗を数えて
記憶の中に ため息を吹き込んでいく
膨れ上がった後悔は
ドライ・ジンに沈ませて
ライムペリエで溶かしてしまえ
十一夜の月に 左手を掲げ
飲み干すことが出来たなら
海より深い眠りに就けるだろう
鉛色の夢の淵で迷うことはなく
鶺鴒がさえずる朝に辿り着けるから
同じ太陽の空だとしても
違う光風に吹かれよう
光風・・・晴れあがった春の日にさわやかに吹く風。 また、雨あがりに、草木の間を吹き渡る風