こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
動物愛護法は5年に1度を目途に改正されることになっています。
前回の動物愛護法改正が可決成立したのが2019年5月でした。
改正法施行から5年を目途に法律の見直し作業が行われるよう規定されているため、次回の法改正は2025年を視野にすでに検討作業が始まっています。
次回の改正点として、緊急性の高い課題として掲げられているのが、虐待された動物の【緊急一時保護制度】の導入や、虐待した飼主の【所有権のはく奪】などに関してです。
現行法のもとでは、動物虐待者や悪質な飼主のもとから強制的に動物を引き離すことができません。
そのため、動物の命が危険にさらされている状況でも救出できないのが実情です。
これが、いわゆる【所有権のカベ】といわれている問題です。
日本の法律では動物は「モノ」と規定されているため、モノの所有権は所有者にあり、所有者が承諾するか所有権を放棄しない限り、動物を勝手には救出できないという問題です。
悪質ブリーダーが動物愛護法違反で刑事告発されることが珍しくありません。
悪質ブリーダーによって動物が虐待されていることが明白であったとしても、そのブリーダーの施設に動物愛護団体等が勝手に踏み込んで救出することはできないのが現状です。
以上のような問題があるため、虐待されている動物の【緊急一時保護制度】の制定が、次回の法改正の眼目となります。
虐待されている動物の命を救うために、動物を所有する資格を欠く者の承諾などは不要とすべきところです。
さらには、虐待している所有者の【所有権の一時停止】【所有権はく奪】に関する法律の制定も俎上に上がっています。
特にブリーダーについていえることですが、動物愛護法違反で罰せられた者や不適切飼養で行政処分を下された者は、二度と動物を飼養できないようにする必要があるところです。
動物保護後進国である日本は、西欧の動物保護先進国に比べて50年は遅れているといわれています。
それでも、遅々とした歩みではありますが、動物を守るべく動物愛護法が改正されてきたことは確かです。
次回の動物愛護法改正に注目したいところです。