この日は子供たちの試合を利用して、レフリー講習会を開催しました。
笛を吹いてくださった各スクールコーチの方、お疲れ様でした。復習の意味で、レフリングのポイントをまとめておきます。(当然これ以外にもたくさんあります)
レフリングのキーワードは「ポジショニング」「スタートダッシュ」「走るコース」の3つです。
トップレフリーでも、密集がごちゃごちゃになってしまった後に正しい判定をすることはできません。ごちゃごちゃになる前、即ちコンタクトが起こる瞬間を近くで見ることが必要になります。そのために、これら3項目が大事になるわけです。
わたくしは、ルールを覚えることは二の次だと思っています。(大事なことですけどね)
ちょっと高度な話ですが、レフリーは悪事(反則)を取り締まる警察官ではありません。悪事が起こる前にプリベント(予防)できるとGOOD!と評価されます。反則の多い試合はおもしろくないですよね。
ポジショニングとコースについてまとめておきます。
AまたはBがレフリーのポジションです。△が体の向きと考えてください。
Aのポジション、体の向きだと密集はよく見えるのですが、バックスラインがまったくケアできません。図のようにオフサイドのプレーヤを見逃してしまいます。
Bのようにディフェンスラインに正対し、しかもボールラインにポジショニングすることが基本と言われています。このポジショニングだと、密集もディフェンスラインも両方確認できます。
一番よいのは、Aのポジションでコンタクトが起こった瞬間の出来事を確認し、ボールの獲得側が決まったらBに移動するという、「寄って引く」という動きです。これができれば100点です。
こんどは密集からボールが展開されると想定した場合のポジショニングとコースを考えてみましょう。
Aのポジションだと、密集を大きく迂回して走らなければなりません。これでは遅れてしまいます。
Aから点線のコースで走ることも考えられますが、ポイントの後方でコンタクトが起こってしまったら、大きく戻らなければなりません。やはり遅れます。
Cのポジションだと、一番早くポイントに行けそうですが、オープンではなくブラインドに回されたら完全にパスの邪魔になってしまいます。
Bのポジションだと、スムーズにボールについていけます。ブラインド攻撃でも邪魔になりません。
ということで、上の図でも下の図でもそうですが、基本はボールラインにポジショニングするということです。次、笛を吹く機会があれば気をつけてみてください。ずいぶん違うと思います。
最後に、レフリーは試合中一番近くで子供たちと接することができる役です。真剣な顔、きつそうな顔、泣きそうな顔がよーくわかります。
岐阜県のレフリージャージに次の言葉が書かれています。
Give it a try. It's the best seat at the game.
(レフリーを)やってみないか、それはゲームの中で最もすばらしい席だよ。
笛が吹けるコーチに任せるのではなく、みなさん、積極的にトライしてみてはいかがでしょうか。