各宗教の教義というものがどのくらい正しいのかという疑問を私は長年抱いていた。正しいという基準は人智による尺度ではなく、宇宙の絶対的な真理に基づいてという意味である。そんなある日、書店でふと目に付いた本があった。その本とは『パワーかフォースか ----- 人間のレベルを測る科学』デヴィット・R・ホーキンズ(著)である。この本の内容はもともと一般向けの出版の為に書かれたのではなく、ホーキンズ博士が行ったキネシオロジー研究の論文として世に発表されたものである。
ホーキンズ博士は「キネシオロジーテスト」によって、人間の意識を測定し、そのレベルを1から1000のレベルで表すことを行った。ホーキンズ博士が行ったキネシオロジーテスト(注:キネシオロジーテストは大村恵昭教授によって開発された「オーリングテスト」と良く似ている)は大量のYES・NOによる二者択一の質問を用意し、腕の筋肉の動きによって一つの答えを導き出していく方法であった。
●意識のレベル
この測定結果によると人間の意識は下記のように分類される
エネルギーレベル20:恥
エネルギーレベル30:罪悪感
エネルギーレベル50:無感動
エネルギーレベル75:深い悲しみ
エネルギーレベル100:恐怖
エネルギーレベル125:欲望
エネルギーレベル150:怒り
エネルギーレベル175:プライド
エネルギーレベル200:勇気
エネルギーレベル250:中立
エネルギーレベル310:意欲
エネルギーレベル350:受容
エネルギーレベル400:理性
エネルギーレベル500:愛(一般的な愛ではない、物事の本質を識別する能力が現れる)
エネルギーレベル540:喜び(聖者や高度な精神の探求者、ヒーラーのレベル)
エネルギーレベル600:平和(「超越」「自己実現」「神意識」1000万人に一人しか到達できない)
エネルギーレベル700~1000:悟り(神と同一視されるレベル。釈迦、キリスト)
ホーキンズ博士は人から命とエネルギーを奪うものをフォースと呼び、人にプラスのエネルギーを与えるものをパワーと呼んでいる。そしてパワーとフォースの境目はレベル200となっている。人類の集合意識のレベルは、何世紀にも渡って190に留まったが、この10年間にほんの少しだが、207にジャンプしたと述べている。
●世界宗教の真実度
さて本題に入ろう。この測定法は普通は数値化できないものを数値で表すことが出来るのである。この本の23章に世界宗教の真実度のレベルが記載されている。本文から引用してご紹介する。
『パワーかフォースか ----- 人間のレベルを測る科学』デヴィット・R・ホーキンズ(著)三五館より引用
第23章 真実を探求する
(前略)
■キリスト教
もともとイエス・キリストが語った真実を測定すると、1000です。これはこの世で達成できる最高のレベルです。二世紀までには、彼の教えを実行した真実のレベルは、930に落ちました。そして6世紀までには、540に低下しました。さらに十一世紀始めの十字軍の時代から現在に至るまでには、498に落ちています。西暦325年に大きな衰えが起きたのはニカイア協議会が意図的にキリストの教えをねじまげた解釈をし、それが普及したことが原因だったのが明確となります。(中略)
新約聖書に関しては、ラムサ翻訳が750で測定され、欽定英訳聖書は640で測定されることは注目すべきです。さまざまな翻訳における真実レベルがちょうど広範囲にわたるように、異なるキリスト教の教えも広範囲にわたります。ローマカトリック主義、英国教会主義、クリスチャンサイエンス、そしてクエーカーなどの多くの宗派は500レベルの高位で測定されます。(中略)
■仏教
仏陀の教えの真実のレベルも元々1000でした。六世紀までに真実のレベルは実際に平均900に落ちました。これらの、ほかのどんな宗教ほども悪化しませんでした。小乗仏教は、今でも890にて測定されます。大乗仏教は960で測定されます。禅は890です。
■ヒンズー教
主クリシュナの教えは、1000で測定され、時が経つにつれて弱りましたが、現在の教えの真実はまだ850を維持しています。
■ユダヤ教
アブラハムの教えは985で測定されました。モーセ時代の教えであるトーラーの真実レベルは770で測定されます。現代のユダヤ教の教えは499です。カバラ(ユダヤ教の神秘思想)は720です。ゾハールは730です。
■イスラム教
モハメッドの意識のレベルは740です。コーランは720で測定されます。イスラム教信仰の真髄は、愛を受け入れることと、内なる平和の表現ですが、実用的な教義の発展は領土拡大という政治的理由で、始めからジハド(聖戦)の体制をとるか、あるいは宗教戦争がからんでいました。イスラム教の教えの真実は、十字軍遠征の終わりごろには、ひどく下がっています。現代とパラノイアと異教徒排斥によって特徴づけられる愛国主義的な宗教運動勢力の増加によって、この信仰のスピリチュアル的な本質は急速にむしばまれてしまいました。現在では戦闘的なイスラム原理主義の教えの真実レベルは130です。
世界の主な宗教の真実のレベルの低下を見ると、最も表に現れ難い奥義のような「陰」的なものは、昔からずっと比較的そのままで残っていますが、世俗的なことに関係する表に現れる「陽」的なものは、最も攻撃的な宗教の中のさらに好戦的な過激派によって、誠実さのレベルの200という臨界点よりさらに著しく退行したのに気づきます。
宗教的心が二元的であればあるほど(訳者注:たとえば「神と悪魔」という構図)、誤認される危険性も大きくなるように思われます。二元性は信仰と行動のひずみを大きくし、真実の水準を分別する力を失わせます。これが起こると、スピリチュアル的本質は、物理的な表現へと切り替わり、混乱を招くことがあります。たとえば「クリスチャンソルジャー」(キリストのために全力を尽くして闘う)という精神的な概念を「文字どおり」訳すと、「自己を正当化した戦場の殺し屋」という風に曲解されます。
ヒンズー教は解釈の紛らわしい間違いは犯しませんでした。なぜならば「バガヴァッド・ギータ」の冒頭で解説されている戦いの内容は、主クリシュナが信者に実際に戦争に従事すればよいというようには、一度も誤訳されなかったからです。
仏陀から観ると、すべての苦悩と苦しみの原因は無知であり、それが唯一可能である「罪」であり、そして人間の義務とは、他人に対して慈悲深く、彼らのために祈ることと説きました。これは前述のような歪みにはほとんど影響されることはないでしょう。
高度な精神的教えの没落のすべては、覚醒していない者によって誤訳されたことが原因です。自らの制限された知覚と理解力を事前に定めてしまうのは、各々の意識のレベルです。人間が自ら覚醒するか、意識のより高い状態を少なくとも経験するまでは、すべての精神的教えは伝聞されたまま残るので、その結果として、歪みと誤解が生まれやすいのです。
(引用終了)
注:ちなみにこの23章の真実度のレベルは880であるそうだ。
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