遁走記㉑（闘争5483文字）

いやいや

こんだけ正々堂々舐められたのははじめて

それに伴い初めてわかったことばかり

先生が言っていたことはこういうことなんだろうなぁと

ほんとお前ら全員、おれになにしてくれてきたんだよ

全部回収するよ

あほな作業を夜中に延々としている

社員にも顧問弁護士にも誰にも言えない書類をねちねち作ってる

お勉強したいのになぁ

頭に血が上って中断しながら、準える準える備える

ただ、今までの思考が逆転できてきて、

楽にもなるし落胆もする

いやこんなん喰らうなら、独りになっておいて良かったのかもしれない

惨めなところ見せるより、惨めでいた方が自分らしいし

しばらく分人はじっとしてて

主観個人、一人でぶっ倒してやる

そうそう

何となく自分の生きてきた

してきたことを総ざらいして今を見ていたら

絶望していたところ

そうそう

久里浜の病床では、議員を志した

自分の人生を上塗りしたかったから

そうそう

今は毎日せっせとお勉強

無資格、名無しであることに、

一つでも称号が欲しかったから

やっぱこんなもんか

そうそう

そんなこんなで気を抜くと呑んじゃいそうな、まさにそんな時に

「あなたの人生、教えてください」

元々西村先生を推薦してたんだけどおれかい

機妙な縁尋だ

そうだそうだ、そうしてまた一日が終わらせられる