#大人の童話 新着一覧
楽園-Eの物語-エダンの樹
「いやあ、お陰で儲かりました。こんなに投げ銭が入ったのは久しぶりです」 座長が揉み手をしてルージュサンに近寄った。「エダンの代役は果たせましたか?」 ルージュサンが尋ねる。「十二分に」
楽園-Eの物語-show time
大通りの端にある小さな空き地には、人だかりが出来ていた。 旅の一座が、大道芸を披露し...
楽園-Eの物語-テントの中では
次の日フレイアは、エダンの大道芸を観に、市へと向かった。 乳母車に乗ったオパールとト...
楽園-Eの物語-リボンの教授
教授はいつものように、正面の椅子に腰掛けていた。 見事な顎髭には、トレードマークとし...
楽園-Eの物語-誰のために
「話を聞きますよ。やはりお酒にしますか?それとも子守唄が良いですか?」 台所で木鉢を洗いながら、ルージュサンがフレイ...
楽園-Eの物語-名付け子のエダン
「王も民に慕われてましたの?」 問いかけるフレイアの眉間には、少し力が入っている。 「はい」 答えるルージュサンは、いつも通り落ち着いて穏やかだ。「この国...
楽園―Eの物語―飴屋のマイカ
「行きつけの飴屋なんです」 そう言ってルージュサンは、小さな木の扉を開けた。 五弁の花...
楽園―Eの物語―パン屋のロッド
百歩ほど歩いたところで、四人はどら声で呼び止められた。「ルー!」 パーティー屋から出てきたのは、丸々とした白髪の男だ...
楽園―Eの物語―小間物屋のガジャ
「この乳母車はあまり揺れませんのね」「バネがいくつも入っているんです」「初めて聞きまし...
楽園―Eの物語―足形ゲーム
翌日、館の住人達はカードゲームに興じていた。 丸く座って、全てのカードを配り終えたら...
楽園―Eの物語―四年前、春には遅く夏には早い楽園で
「只今帰りました」 セランの実家から帰宅したドラは、居間の扉を開けて驚いた。 右手には...