進めウエトレ道

2020年はパワリフ・ベンチ大会出ません

今存在するもの

2012年12月05日 | Weblog
夜は時間があるので、色々考える事も多い。思ったより退院後のダメージが大きくて、その原因となっている「出血性ショック」について復習してみた。判定にはあらゆる角度から総合的な検査結果の数値を元に緊急性により治療方針を決める。その際に使うのが、結果(数値)を当てはまる点数の位置を決めながら足算していく。手っ取り早く脈拍数を血圧(上の方)で割ってみると「1.5以上で危険」。1.5なら1500cc の出血量で体重50kgなら8%の4000cc が全血液量で20%の800cc 以上を失うと出血性ショックに該当。自分は210÷64=3.28。という事は出血量が3280cc となり、体内の82%の血液を失っていて、手を施す間も無く死んでいたはずである。ヘモグロビンも6しか無かったので、全身に血液も酸素も循環できなくなる多臓器不全で、こっちの方向からも死んでいて当然の結果だった。唯一、例外的な症状として重度の出血性ショック状態になると意識傷害が出てきたり、呼吸数が1分で40を超えるみたいだが、何故か2つの危険サインは出ていなかった。病院側は重篤な状態という事で、身内に緊急連絡を入れて何とか間に合わせるように処置も並行して行う。手術台の上ではERの放射線科の先生に悪態の付き放題なぐらい元気だったわけで、今までのブログネタに「綺麗な花畑も見える事は無かった」と書いていたけど、考えてみると1度目の手術が終わり、モルヒネで「ぼ~~」っとしながら安静解除になり、車椅子でトイレに行って用を足した後、頭の中が白い霧で覆われて、確かにあの時1回死んでいたかもしれない。30分経過しても戻ってこなかったからナースが探しにきて、ベッドに戻るまで40分。その間、腹腔内出血が進行を続けて容態は急降下していて、バイタルを計測する時には既に手遅れな状態までひどくなっていた。緊急で輸血8パック(3200cc )と血小板輸血2パック(800cc )を全開で落としながらカテーテルバルーンで止血に成功したから今も生きている訳だけど、すっかり他の人と血は全て入れ替わっている。輸血の中身は半分は輸液だから1600cc 分は自力で造ったかも知れないけどね。すると、今存在している自分は、一旦生まれ変わってから元の人間の姿を借りて生きている「自分のようなもの」と考える事もできる。専門家の医師でさえ「信じられない」という発言を連発したり、退院後もやっているカンファレンス(医療会議)でも、はっきりした事は何もわからないと言われたりしている事から、あの日に起きたアクシデントは地味ながら人間以外の科学では説明がつかない事件があったに違いない。

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