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創世記34章

2019-03-26 15:52:23 | 聖書
シェケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルの中で恥辱となることを行ったからである。このようなことは、してはならないことである。




ディナはヤコブに愛され、兄たちに愛され、その土地の族長の息子にも愛され、

それでも幸せだっただろうか。



そもそも、自分を凌辱した若者を愛せるだろうか?

凌辱された事実を知りながら、沈黙を通した父を信頼できるだろうか?

復讐だといって、その町の男を根こそぎ殺し、略奪した兄たちに感謝しただろうか?


誰一人、ディナの心に沿った愛し方をしてくれた人がいないではないか。




男たちにはそれぞれの理屈もあったし、多分、自分こそディナを大切に思っていると確信していたに違いない。



けれど、人間の愛は、自分を含めて、かようなほど不完全なものであり、自分勝手なものなのだと、情け無い思いだ。



夫を愛しているのに、些細なことでイラつくし、

子供達を愛しているのに、自分の価値観を押し付けようとする。

親を愛しているのに、その至らなさに腹を立てて、


愛おしくてたまらない犬でさえ、思わぬイタズラに、「所詮は・・・」と興ざめする。




金銭より愛が大事、

出世より家庭が大事と、

世の中では声高に叫ばれているけれど、


かくも不確かな人の愛だけでは、



黙って登場し、黙って消えたディナのような人が増えるばかりだ。



本当の愛は神からのものでしかないのだから。

人間の愛は、かくも不完全なものなのだから。












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