肉類を多く食べる男性は、あまり食べない男性と比べ糖尿病を発症する危険性が約4割高いとの大規模調査の分析結果を、国立がん研究センターなどの研究チームが21日発表した。女性の場合は関連はみられなかった。英栄養学専門誌に掲載された。
1995年と98年に45~75歳の男女6万3849人を対象に調査。開始時は全員、糖尿病やがん、循環器の病気はなかったが、5年後に1178人が糖尿病を発症していた。
肉類の摂取量別に発症の危険性を比べたところ、男性は摂取量が多いほど危険性が高まり、最も多いグループ(1日あたりの中央値108グラム)は最も少ないグループ(同23グラム)の1・36倍。肉の種類別では、牛・豚は摂取量が多いほど危険性が高くなったが、鶏肉、加工肉は関連がなかった。
研究チームの黒谷佳代・国立国際医療研究センター臨床研究センター上級研究員によると、肉に多く含まれる鉄分などが、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くしている可能性があるという。女性は体内の鉄の蓄積量が少なく、摂取の影響を受けにくいと考えられる。
糖尿病:がん発症リスク高まる 「生活習慣改善を」両学会が提言
日本糖尿病学会と日本癌(がん)学会は14日、糖尿病が大腸、肝臓、膵臓(すいぞう)の各がんの発症リスクを高める可能性があるとして、生活習慣改善や検診を呼びかける提言を共同で発表した。
米国では2010年、がんと糖尿病の発症に関連を指摘する報告書が公表されている。両学会の専門家でつくる合同委員会(委員長、春日雅人・国立国際医療研究センター理事長)は11年から日本人約33万6000人のデータ分析に着手。運動不足などの生活習慣が原因となる2型糖尿病の人はそうでない人と比べて、肝臓がんの発症リスクが約2倍高いことが分かった。膵臓がんでは約1・9倍、大腸がんでは約1・4倍だった。
それ以外のがんでは明確な関係が得られなかったが、春日委員長は「食事療法と運動療法が、糖尿病とがんの両方の予防に有用である可能性が高い」と説明。提言では、バランスの良い適量の食事や運動、禁煙、節酒など生活改善のほか、糖尿病の人はがん検診を受診するよう推奨した。
アルツハイマー病:脳内遺伝子、糖尿病と同じ状態 九大研究所が発表
九州大学生体防御医学研究所は、アルツハイマー病患者の脳内で、糖の代謝などに関係する複数の遺伝子の量が少なく、糖尿病と同じ状態になることを見つけ、7日発表した。中別府雄作教授(脳ゲノム機能学)は「アルツハイマー病の病態変化の一過程が分かった。脳内での健全な糖代謝やエネルギー代謝の維持が予防や治療で大事になる」としている。
中別府教授らは、九大が福岡県久山町で実施している疫学調査「久山町研究」で、糖尿病患者にアルツハイマー病の発症率が高い点に注目した。08年12月~11年2月、亡くなったアルツハイマー病患者26人を含む88人の脳を調べ、約40人の遺伝子解析に成功した。
中でも、短期的な記憶をつかさどる「海馬」で、アルツハイマー病患者は健常者に比べ、糖代謝を制御する遺伝子や、血糖値を調節するインスリンを作る遺伝子が減っていることが分かった。さらに、アルツハイマー病モデルのマウスを作製し調べた結果、ヒト同様にインスリンを作るのに必要な遺伝子が激減していた。
1995年と98年に45~75歳の男女6万3849人を対象に調査。開始時は全員、糖尿病やがん、循環器の病気はなかったが、5年後に1178人が糖尿病を発症していた。
肉類の摂取量別に発症の危険性を比べたところ、男性は摂取量が多いほど危険性が高まり、最も多いグループ(1日あたりの中央値108グラム)は最も少ないグループ(同23グラム)の1・36倍。肉の種類別では、牛・豚は摂取量が多いほど危険性が高くなったが、鶏肉、加工肉は関連がなかった。
研究チームの黒谷佳代・国立国際医療研究センター臨床研究センター上級研究員によると、肉に多く含まれる鉄分などが、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くしている可能性があるという。女性は体内の鉄の蓄積量が少なく、摂取の影響を受けにくいと考えられる。
糖尿病:がん発症リスク高まる 「生活習慣改善を」両学会が提言
日本糖尿病学会と日本癌(がん)学会は14日、糖尿病が大腸、肝臓、膵臓(すいぞう)の各がんの発症リスクを高める可能性があるとして、生活習慣改善や検診を呼びかける提言を共同で発表した。
米国では2010年、がんと糖尿病の発症に関連を指摘する報告書が公表されている。両学会の専門家でつくる合同委員会(委員長、春日雅人・国立国際医療研究センター理事長)は11年から日本人約33万6000人のデータ分析に着手。運動不足などの生活習慣が原因となる2型糖尿病の人はそうでない人と比べて、肝臓がんの発症リスクが約2倍高いことが分かった。膵臓がんでは約1・9倍、大腸がんでは約1・4倍だった。
それ以外のがんでは明確な関係が得られなかったが、春日委員長は「食事療法と運動療法が、糖尿病とがんの両方の予防に有用である可能性が高い」と説明。提言では、バランスの良い適量の食事や運動、禁煙、節酒など生活改善のほか、糖尿病の人はがん検診を受診するよう推奨した。
アルツハイマー病:脳内遺伝子、糖尿病と同じ状態 九大研究所が発表
九州大学生体防御医学研究所は、アルツハイマー病患者の脳内で、糖の代謝などに関係する複数の遺伝子の量が少なく、糖尿病と同じ状態になることを見つけ、7日発表した。中別府雄作教授(脳ゲノム機能学)は「アルツハイマー病の病態変化の一過程が分かった。脳内での健全な糖代謝やエネルギー代謝の維持が予防や治療で大事になる」としている。
中別府教授らは、九大が福岡県久山町で実施している疫学調査「久山町研究」で、糖尿病患者にアルツハイマー病の発症率が高い点に注目した。08年12月~11年2月、亡くなったアルツハイマー病患者26人を含む88人の脳を調べ、約40人の遺伝子解析に成功した。
中でも、短期的な記憶をつかさどる「海馬」で、アルツハイマー病患者は健常者に比べ、糖代謝を制御する遺伝子や、血糖値を調節するインスリンを作る遺伝子が減っていることが分かった。さらに、アルツハイマー病モデルのマウスを作製し調べた結果、ヒト同様にインスリンを作るのに必要な遺伝子が激減していた。
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