以前から言及している、ぜひ紹介したいデイヴィッド・ウェナムのインタビュー記事というのはこれです。
The Sunday Telegraph
「ダイバー・ダン」としてのデイヴィッド・ウェナムは「オーストラリアのセックス・シンボル」とさえ称された訳ですが、それはこのインタビュー記事の冒頭部からも伺えます。
ご本人はそう言われることについて、「笑っちゃうね」と赤くなっていたそうですが。
そして、この「The Star of David」なるインタビュー記事、いろいろな意味で出色と言うか面白いと言うか……
以下、ざっと項目を立ててまとめてみましたが、元記事の記載通りの順番にはなっていないことをご了承下さい。
全訳は DAVID WENHAM JAPAN さんが載せて下さっていますので、全貌を正確に知りたい方はそちらをご覧になった方がいいと思います。
【デイジー the スター】
「ゴージャスで、スターの風格がにじみ出ている」
「はき古したジーンズにフィットした黒いシャツというカジュアルなスタイルでも、彼は通りに出れば十分に人目を惹きつけるだろう」
「鋭い青い瞳とくしゃっとしたストロベリーブロンドは、本物の生きた映画スターが、紛れもなくすぐそばにいることを実感させてくれる」
「その過大なカリスマ性にもかかわらず、ウェナムは親しみ易く、気取った所のない謙虚な人柄である」
「見た目だけでなく、人づきあいもいい」
──等々、読んでいる方が恥ずかしくなるほどの称賛ぶり、興奮ぶりです。
署名を見ると、これを書いた記者さんは女性ですね。どうりで「描写」が細かいはずだ……なんて思ったりして。
【ご家族のこと】
「自分はイージーゴーイングな人間だ」「シンプルな生活を大事にしたい」というのは、ヒュー・ジャックマンもよく口にしていて、これはオージー俳優さんの特性かな?と思います。ご家族と共に過ごす時間を大切にしたいという点も共通しているし。
インタビュー後、デイジーは幼稚園までお嬢ちゃんをお迎えに行ったそうで、同じ幼稚園のお母さん方が羨ましいです(そこか)。
そう言えば、ヒューもNYにいる時、オスカーくんを地下鉄で送り迎えしてるとか言ってました。
しかし、オーストラリアにいるのは、1年のうち3ヶ月くらいって……それは、このインタビューを受けた時点でのことでしょうか?
確かに昨年は、何だかんだと海外に出かけたり、豪と行ったり来たりで、結局忙しそうでしたね。
実は世間(?)で思われているほど豪に引きこもっている訳でもなくて、けっこう世界中回って仕事している人だというのも、次第に判って来ました。
だから、できるだけご家族一緒に、という気持ちは理解できますが、「ずっと放浪生活」を送っていると言っているジャックマンさんご一家を見ると、それはそれで大変そうです。
【ダイバー・ダン】
『Sea Change』が実際に放映されていた頃、デイヴィッドは(確か『Molokai』の撮影で)オーストラリアにいなかったという話は、別のインタビューでも読んだ記憶があります。
それで「ダイバー・ダン現象」が起きているなんて知らなかったのに、帰国してみれば、道を歩いていても「グッダイ、ダン!」とか声をかけられて驚いたそうです。放送から10年近く経った現在も、みんながそれを憶えていることにも。
【『300』と『指輪』】
『300』は、やはりトレーニングに関することですね。
昨日ちょっと触れたように、食事制限については、どうしても「冷えたビールと美味しいワイン」が恋しかったようで。
『指輪』のファラミア大将は、もちろん彼が国際的知名度を得た役ですが、それをきっかけに熱心なファンやサイトが急増した一例として、Wenham Wonderland さんの名前が上がっています!ひ~!
「自分のことをオンラインでチェックなんてしてないよ」
と、ご本人は笑っていたそうですが、数年前には「ワンダーランド、知ってるよ」なんて発言して、あちらのメンバーさんをパニックに陥れていたじゃないですか~!
まあでも、日本語サイトまではチェックしていませんよね……
【ロバート・コノリー、デイヴィッドを語る】
「面白いものだよ。自分の仲間(mate)が大きいスクリーンで竜に矢を射る姿を見るのは」
と言うのは、デイヴィッドの盟友にして『The Bank』『Three Dollars』の監督、ロバート・コノリーです。
「でも、それがデイヴィッドのすごい所だ。こちらの投げかけるどんな要求にでも応えてみせる。『3$』のエディーみたいなどこにでもいるキャラクターでも、ファラミアのような或る種ファンタスティックな役柄でもね」
ロブ監督は、この発言の前にも
「役者として、彼は自分が演じるどんな役にでも質問や不満なく没頭する。役者の中の役者だけど、監督がそのキャラクターに何を求めているかということについて、真の洞察力を持っているんだ。一緒に仕事するのにこれ以上の男はいないね」
「信じがたいほど才能ある友人が、(他の監督の作品で)いい仕事をしているのを見るのは素敵だ」
なんてアツく語っていて、まあ彼も相変わらずですね(何がよ)。
【映画『オーストラリア』】
そして、そのデイヴィッドがこれから取り組む仕事こそ、オーストラリア映画界の一大プロジェクト、バズ・ラーマン監督の『オーストラリア』です。
オーストラリア映画史上最高の大作となるであろうこの映画については、
「アメリカの俳優で、これに出られるなら自分の左腕を差し出しても、なんて言っている人たちもいたけど、バズはこのビッグなオーストラリア映画を、オージー・キャストとクルーで作るということを譲らなかった」
ということで、デイヴィッド自身からも、その一員であることへの誇りや興奮が感じられます。
「バズから、これに出てみないか、とオファーがあった時には、二つ返事で引き受けたよ」
豪を代表する花形スターのニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマンと共演できるということも魅力だったようです。
「ニコールもヒューも大スターだけど、素敵な人たちでもあるし、このプロジェクトで一緒に仕事できるのは最高だよ」
既にお伝えしたように、昨年のクリスマス前、スクリプトの読み合わせのために、デイヴィッドもシドニーで彼らと合流した訳ですが、その時も皆さん大いに気分が昂揚していたそうです。
「ニコールなんて、今すぐこの映画をやりたい!って感じだったね(笑)」
「これから少なくとも5ヶ月間は故郷のオーストラリアで過ごす予定なんだ。ニックとヒューは、特にそのことにわくわくしていたよ。読み合わせの時に二人と話したけど、二人とも、そんな長い期間、故郷にいられるのが信じられないって言ってた。思いがけないボーナスみたいなものだね」
そして、その読み合わせの時は、「ハイスクールの同窓会みたいな感じ」だったとか。
以前から親しい人たちと、オーストラリアにいながらにして大作で一緒に仕事できるというのは、そりゃ皆さん嬉しいだろうと思いますよ。
【スティーブ・アーウィン】
昨年亡くなった「クロコダイル・ハンター」スティーブ・アーウィン氏の追悼式で、デイヴィッドがルパート・マッコールの「The Crocodiles Are Crying」という詩を朗読したことは、当時お伝えしましたが、これは夫人のテリーさんのご希望だったのですね。
とてもつらい仕事だったけれど、そう望まれるのは栄誉あることだから、引き受けることにためらいはなかったということです。
「本当に素晴らしい人だった。彼がもういないなんて今も信じられない。彼のような人は二度と現れないだろう」
その他、俳優になりたいという彼の希望をご両親はいつもサポートしてくれたこと、演劇学校在学中、学費のために数々のバイトをしたことなども語っていますが、中でも、故郷の街のタウンホールでのビンゴコールの仕事が、やはり思い出深いようです。
そこで出会った人たちのことは、今でもまざまざと思い出されるそうで、その頃からの「人間観察」が、俳優の仕事の役に立っているんでしょうね。
そして、以前から言っていた「監督」の仕事についても、どうやら目処が立って来たようで、時間が許せば今年中にも取りかかかれそうだとのこと。
それとは別に、俳優としては、海外でもオーストラリア国内でも、良質なプロジェクトを選んで仕事を続けて行きたいとは思っているそうです。ついでにプレミアシップでシドニースワンズが優勝してくれたらもっと嬉しいということで(笑)。
でもファンとしては、彼にはあくまでも「役者」でいてほしいと思ってしまうんですよね。
できれば、豪以外でも公開されるような映画に出て下さると嬉しいです。
そうは言っても、豪ではインディペンデント系映画や問題作に出演、また舞台やテレビの仕事も続ける一方で、ハリウッド系では二、三年ごとに超大作への出演が続いている訳だから、オーストラリア俳優の仕事の選び方としては理想的かも知れませんね。
最後に(記事では中ほどに出て来る話題ですが)小ネタを一つ。
【末っ子】
7人きょうだいの末っ子だから注目を惹きたかったのか(そこから、俳優の仕事に興味を持ったのか)、という問いには、ご本人ちょっとムッとしたみたいですね。
「そんなことは判らないね。たぶん子供の時には、ずっと苦労して来たママのために、居間でショウを見せてあげたかったんじゃないかな。学校でウケたネタとか使ってさ。気をつけて見てみると、俳優には末っ子が多いのが判るよ」
そうなんですよねぇ。
身近なところでは、ヒュー・ジャックマンという末っ子属性全開の人がいるし
ついでに(?)言っておくと、ジェラルド・バトラーもクリスチャン・ベイルも末っ子です。
他にもまだまだいそうだし、面白いものですね。
デイジーの記事は一度にいっぱい出てくるので追いつくのが大変です。私は英語が本当に駄目なんで尚更、こうして紹介してくださると嬉しいです。
ところで、今回と197で言及されているインタビュー絡みの動画があります。
Daily Telegraphのインタビュー記事の写真の上方にある「Video」をクリックして、wenhamで検索すると出てくる5件の最初が「300」について、次が「Australia」についてです。彼の横で300のパネルが揺れるのがなんとも…
ついでに3っつめにはパーカー着てるインタビューが少し。
それでは失礼しました。
寒暖の差が激しいのでお身体を大事になさって下さいね。
『300』と『オーストラリア』関連では、豪メディアに本当に沢山の記事が上がって、とても読み切れません。
自分の心覚えとして、四苦八苦しながら訳してはみるものの、間違いも多そうです……
動画の存在を教えて下さってありがとうございました。
質問と答えの内容は、記事で書かれていることと大体いっしょみたいですね。
「ワンダーランド」さんによると、この時の動画はまとめて見ることも出来るようです。
私のPCでは、『オーストラリア』関連インタビューの途中、いつも同じ個所で固まってしまうのですが、右クリック→保存で、全部見られました。
http://media.dailytelegraph.com.au/wenham1_bb.wmv?clipid=1418_98421&channel=telegraph+tv&category=&site=thedaily%2fvi
『オーストラリア』では悪役ですか?と訊かれて、ちょっと笑いながら「Maybe(発音は「マイビー」)と答えるのが、なんか良かったです