The Book of Lost Tales (History of Middle-Earth)Del Reyこのアイテムの詳細を見る |
夏至の日は過ぎましたが、まだまだ日は長く、7時過ぎても明るいです。
ところで夏至って22日だったんでしょうか?それとも21日?関連イベントは22日のものが多かったけれど、それは日曜日だったからということかな。
何にしてもいささか間の抜けた話題になってしまいましたが、夏至と言えば、中つ国に於いても様々な有名イベント(?)が行われた日であり、トールキンファン的にも重要な日なのです。
まずは、22日にも書いた通り、第三紀3019年に於いては、アラゴルン(エレスサール王)とアルウェンが68年の恋を実らせて結婚した日です。
また、第一紀、トゥーリン・トゥランバールとニーニエル(ニエノール)の結婚式が行なわれたのもこの日。ご存知の通り、こちらのカップルはおそるべき悲劇的結末を迎えてしまった訳ですが。
そして、第一紀510年、エルフの隠れ王国ゴンドリンがモルゴス率いる敵の襲来を受けて滅亡したのもこの日と言われています。「夏の門の大祭」が本当に夏至に当たるのかどうかは、議論の分かれるところですが、ゴンドリンの国民(くにたみ)が日の出を待って歌を歌うため城壁に上ったところに、敵の大軍が押し寄せて来る──というシーンは、短い文章にも関わらず、その光景がまざまざと目に浮かぶ描写だと思います。
「ゴンドリンの陥落」については、『シルマリルの物語』でも『終わらざりし物語』でもさわり程度にしか触れられていなくて、J.R.R. トールキンの遺稿をご子息のクリストファー・トールキンが編纂、注釈を加えた『The History of Middle Earth』(通称HoME)の第2巻『The Book of Lost Tales: Part2』でしか読むことが出来ません。
『指輪』関連では今ひとつ手を出す気になれなかったHoMEですが、「The Fall of Gondolin」読みたさに、とうとう買ってしまいました(実は私が持っているのはハーパーコリンズ版ですが、画像が表示されるのはこちらだったので)。
でも、ノルドールの歴史をより詳しく知るには Part1も持ってなきゃだし、そうなったら、それだけで一巻あるという索引本も必携だし……というわけで、数年ぶりにトールキンフィーバーが来ている感じです。まあ、自分としては過去何十年も(!)そういうことを繰り返して来たのだし、中つ国やアルダの歴史、そしてエルフや人間たちとのおつきあいは、この先も一生続くだろうと思っています。
ひとりの人が考え出した架空世界の物語なのに、その歴史や言語、またそこに生きたひとびと(エルフやドワーフ、ホビットも含めて)の姿が、本当に実在したかのように感じられ、引き込まれてしまうのは、やっぱりすごいことです。
「ゴンドリンの陥落」に話を戻すと、これは是非映画で観たいです。クリストファー氏は許してくれなさそうですが。でも、 ジョン・ロナルド・ロウエル氏の文章って、ご本人が絵の描ける人だったせいか非常に絵画的、映像的なんですよね。だから、ついそう思ってしまうのです。
泉のエクセリオンと金華公グロールフィンデルの双璧が並び立つところなんて、実に「絵」になると思うし(笑)。
王冠を捨て、ゴンドリンの滅亡を宣言しつつ、「ノルドリ(ノルドール)の勝利は偉大なり」とも唱えた上級王トゥアゴンが、燃え落ち崩れ去る塔と運命を共にするところなども、映像が目に浮かびます。
また、ゴンドリンの陥落より更に40年ほど前、ニアナイス・アルノイディアド(涙尽きざる合戦)が始まったのも夏至の日でした。これも同様に大スクリーンで観てみたい……悲惨だけど。
ペレンノール野の合戦に到着したローハン軍のごとく、ここぞと言うところで現れるトゥアゴン率いるゴンドリンの軍勢と、それを迎えるフィンゴンの「ウトゥーリエン アウレ!(朝が来た!)」の大音声とか、「アウレ エントゥルヴァ!昼再び来らん!」と叫びつつ、トロル70人(匹)を斬り倒したフーリンとか。
こう書いただけで、血沸き肉躍る気分になってまいります。映像化したら、『300』と同じく別の意味でも血湧き肉躍りそうですが。
でも、エルフ中心の話の映像化となると、出演者も長身でガタイが良くてなおかつ美形、更に長髪も似合う俳優さんを集めなきゃだし、やっぱりいろいろ大変そうです。
画像となった「ゴンドリンの陥落」はジョン・ハウ画伯の見事な絵が知られています。
ご本人のウェブサイトでもご覧になれますので、下記より Portfolio→The Painting of Middle-Earth の3ページ目と進んで下さい。
John Howe :: Illustrator