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Rat Tamer(1995)

2006-12-15 09:51:01 | HJ出演作品レビュー
のち
ヒュー・ジャックマンのデビュー作であり、夫人のデボラ=リー・ファーネスと出会うきっかけともなった、1995年製作オーストラリアTVドラマシリーズ "Correlli" 第一話(もしかしてパイロットかも)。シリーズとしては全10話が放映された。
DVDは米 Amazon にて購入。→こちら
リージョン1・NTSC・英語字幕なし。
シリーズについては IMDb を参照のこと→こちら
"Seasons" の(more)をクリックすれば、全エピソードのタイトルが判ります。

ストーリイ:主人公はブラックストリーム刑務所付き心理担当官(カウンセラー?)ルイーザ・コレッリ(ファーネス)。即ちタイトルは彼女の名前である。
或る日、負傷した状態でこの刑務所に送られて来た囚人 ケヴィン・ジョーンズ(ジャックマン)は、その怪我が原因で脳の一部を損傷したらしく、記憶、運動機能、言語機能に障碍が残っていた。
面談によって彼の記憶の回復を試みるルイーザは、一方で刑務官たちのカウンセリングにも当たっていたが、その中の一人ベンは、仕事のストレスや家族関係の悩みでノイローゼ状態。
以前別の刑務所に務めていた時、親友(mate)だった同僚が自殺したことも、心に深い傷を残していたが、当時その刑務所に収監されていたケヴィンと再会したことで、親友を死に追いやったのは彼だとの思いに駆られ、憎悪を募らせて行く。
やがて迎えたクリスマス。囚人たちと家族の面会日に、事件は起きる──

感想:という訳で、意図した訳じゃないのに、妙に季節に合ってしまいました。
初めに書いた通り、何しろ英語字幕さえないので、この粗筋で合っているかどうか心許ありません。
刑務所内の出来事が語られる一方、離婚して息子と娘を育てているルイーザの家庭の事情や、同僚との恋愛なども描かれています。下の女の子の方は、そんな母親に不満を募らせ、「パパが出て行ったのはママのせい」とまで言う始末。
細かいことですが、彼女が仕事の後でパン等の食料品を買って帰り、「今夜はお魚よ」などと子供たちと話したりするシーンは、何だか身につまされてしまいました(笑)。
演じるデボラ=リー・ファーネスは知的で落ち着いて、有能だけど刺々しくならず、いい感じです。私は彼女の声も好きですね。
所長やその他の刑務官たち、刑務所付きシスターなども、短い描写の中でうまく描かれていたと思います。

余談ですが、このドラマと言い、ヒューもゲスト出演したことのある "Halifax" シリーズ(ブログ内にレビューを上げています)と言い、デイヴィッド・ウェナムの「ダイバー・ダン」が一世を風靡した "Sea Change" シリーズと言い、オーストラリアのテレビシリーズは、仕事にプライベートにひとり奮闘する女性をリアルに描いたドラマが多いんでしょうか。
声高にフェミニズムを謳う訳でもなく、共感できる部分もそうでない部分も合わせて、地に足の着いた描き方がされていますが、その中で、ダイバー・ダンはそういう女性たちにとって、まさに「夢の男」だったんだなぁと思いました。そりゃ人気も出る訳だ……

そして、これが本格的デビュー作だったヒュー・ジャックマン(IMDbでは、これの前にもう一つ作品名があるけど、あちらは何なのでしょうか?)。
当時まだ27歳。この年に Western Australian Academy of Performing Arts を出たばかりで、シリーズものの準主役という幸運なデビューをした訳ですが、なるほど存在感と言い繊細な演技と言い、新人離れしていますね。
特に「ハンサム」である必要もない役ですが、目が綺麗で、役柄ゆえのたどたどしい喋り方や、怯えた子犬みたいな雰囲気も可愛いです。でも、この役には、それだけではない「すごみ」も──

ここでちょっとネタバレ。→ラストシーン直前のケヴィンの「あの行為」は、彼が機能を回復しつつあると言うよりは、そもそも初めから全て偽装であった可能性の方が高いんじゃないでしょうか?それで、ルイーザや他の入所者や刑務官たちから所長に到るまで騙したのだとしたら、可愛い顔してとんだ食わせ物……と言うか、本当はすごい知能犯だったのでは?
実はベンの言っていることは正しかったのかも知れず、それはシリーズが進むにつれ明らかになって行くという展開だったんでしょうか。もしかしたら、無力な若者みたいな顔をして、次第に囚人たちや刑務所内を掌握して行ったりとか。
←ここまで。

そう感じさせるヒューの演技もですが、これはやはり脚本がいいんですね。
ムショの非衛生的な環境を表現する為かと思われていた「あれ」が、ラストの伏線になっていたとは……いや感心しました。
ああ、続きが観たい!ルイーザとの関係の変化も含めて、この先が気になって仕方ありません。豪でBOXセットとか出してくれないかな。

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3 コメント

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続きが見たい! (rukkia)
2006-12-15 12:20:19
展開がきになりますねー。
続きを売ってくれるのでしょうかね。
しかし、主人公をさしおいてあのパッケージは(^^;
返信する
私も見たいです! (マチコ)
2006-12-15 22:16:21
こんばんは!お久しぶりです。

私も『コレリ』見ました!
動くデボラさんって見たことなかったので楽しみにしてたんですが、
デボラさん、声が素敵ですよね~。私も彼女の声好みです。

Qさんが伏字でかかれてたこと、私もそう思ってたのでうんうんうなずいちゃいました。
でも、そういう伏線を張っているドラマを1話だけDVDにするのってどうなんでしょう(笑)。
顔ぼこぼこではない若いヒューを見たいというのもありますが(笑)、
それ以上に第2話以降の話が気になります。
予約していたにもかかわらず、品不足で発送が遅れるぐらいの売り上げだったんですから
ぜひBOXで出してほしいですよね~。
返信する
やっぱり (Q)
2006-12-18 00:23:55
こんばんは。やはり続きが気になりますよね。

>rukkia様
そうそう、表も裏もヒュー。
ジャケットにはヒューの名前(だけ)が、でかでかと書かれていて、あらすじにも「コレッリ」の名前さえ出て来ない!
いくら何でもあんまりだと思います。

>マチコ様
落ち着いた知的な感じの声ですよね>デボラさん
知的だけどセクシーと言うのか……

反転にした「あのこと」については、ルイーザも気づいてしまったみたいだし、やはりあの後どう展開するのか気がかりです。
今回のDVDはUS版ですが、AU版が出ていないのが不思議。現在のヒュー人気を考えたら、本当にBOXで出てもいいのにと思います。
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