「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

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Titanic Belfast ~タイタニック号の悲劇を伝えるBelfastの博物館

2019-05-13 | ベルファストのスポット
氷山にぶつかり、大西洋に儚く沈んだ豪華客船「タイタニック号 Titanic」は英国北アイルランド首府Belfastで作られました。彼女が沈んで100年以上経った今も、当時世界最大級の船が沈んだ物語は広く語り継がれ、今もなお多くの人々の悲しみを誘っています。そして、彼女の故郷であるBelfastには、彼女が作られた経緯を伝える博物館があります。
それがタイタニックベルファスト Titanic Belfastです。

先日、私にとっては幾度目になるのかよく判りませんが、同居人を連れて久しぶりにTitanic Belfastを訪れました。
私の記憶にあった博物館の内容とあまり変化はありませんでしたが、タイタニック号を建設した造船業の街に建設されている博物館らしく、タイタニック号を建設した時の苦労や処女航海に乗り込んだ乗客に関する様々な事実が展示されており、あらためて色々と勉強になりました。
私自身は沈んだ船のことはあまり好きにはなれませんが、かつて私のラボメイトだったBelfast出身のクリス君が「Belfastが誇るものと言えばTitanic」と語っていたように、今も多くの方々の心をとらえてやまない何かがあるのでしょうね。

ちなみに、Titanic experienceという常設展への入場料はとても高く、休日はなんと大人1枚で19£(約3000円)もします。いくら内容がそれなりに豊富であり、全部を見て回るのに1時間から1時間30分くらいかかるとしても、ちょっと高すぎるような気がします。場所もCity Centreという街の中心地から1.5から2kmくらいでしょうか。それなりに遠いので、歩くと少し疲れるかもしれません。
ただ、まあ、たしかに折角Belfastを訪れたらならば、一度は中を見ていっても良いのかもしれません。もちろん、タイタニック号の物語が好きな方々は必見でしょう。

しかし、こういうダークツーリズム Dark tourismは、私にはよく判りません。
私は、横浜に近い場所で生まれ育ち、船舶には昔からかなり関心がありました。だからでしょうか、海難事故を聞くと、悲しくなるのです。今回のTitanic Belfastについても、沈んでしまった船と亡くなられた方々がまるで見世物にされているかのような心地がして、博物館の中を歩いた時、ちょっと複雑な気持ちになりました。とくに船を設計したトーマス・アンドリューズ・ジュニア Thomas Andrews, Jrのエピソードには涙を誘われました。彼が卒業したベルファスト王立アカデミーは私もよく知っていますから。
世の中には福島第一原発事故やチェルノブイリ原発事故の被災地をめぐるDark tourismもあるそうですが、私はそれらについて悲しみと同時に、ちょっとした苛立ちというか、ある種の悔しさを感じますね。


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