野呂美加さんからのメッセージ http://p.tl/QTht
ふくしま集団疎開裁判【判決直後アクション&5.18新宿デモ】
熱い思い:チェルノブイリへのかけはし(代表者:野呂 美加様)
今の日本の放射能防護政策はチェルノブイリ法(旧ソ連のチェルノブイリ事故対策)よりも、完全に後退したものとなっています。
この裁判で、政府の示した価額基準を覆すことができるのでしょうか?
これは科学で判断しようとすれば、無理が起こります。なぜなら、最初から間違っているからです。
最初の定義として、広島の原爆で100ミリシーベルトという基準を打ち立て、その詳しいデータの根拠が出てこないからです。
私たち国民は、ただひたすらその数字を信じなければいけないでしょうか?あるいはその数字を覆すために闘わなければいけないでしょうか?
根拠のない数字をもとにあれこれ議論することに意味を感じません。
広島・長崎の被ばくは熱線をともなう強烈な被ばくですが、原子力発電所の事故の被ばくは、ジワジワと弱い放射線に長期間さらされるという型の被ばくです。
人体にとってそれがどのような作用を及ぼすか実はまだ未解明なことがチェルノブイリの事例をみても明らかです。
今回は、広島・長崎の被ばく型よりも、チェルノブイリで起こったことを参考にすべきです。
旧ソ連では年間総被曝量1ミリシーベルトという一般公衆の被ばく基準をもとに、事故対応を行ってきました。(外部被ばくプラス内部被ばく併せて年間総被ばく量を計算します)
年間総被ばく量5ミリシーベルトを超えたら強制移住。
しかも、年々緩くなるどころか、厳しく規制を加えてきています。
チェルノブイリの事故対策を厳しくしたために国家財政が破綻して、旧ソ連が崩壊した原因になりました。しかし、旧ソ連は多くの子供たちを救ったのだと今はわかります。
日本はどうでしょう?
チェルノブイリで立ち入り禁止区域であるような0.5μSv/hやあろうことか1μ㏜/hで、福島の子供たちが遊んでいたり、暮らしていたりするのです。
チェルノブイリ救援を20年間続けてきた私たちにとっても、このような非人道的な措置は旧ソ連でさえも目にしたことがありません。
チェルノブイリ原発の放射能の放出量と福島原発の放出量を比べても意味がありません。
旧ソ連の科学者の表現を借りれば「福島は密度濃い汚染」だった。
チェルノブイリはヨーロッパをはじめ世界を汚染しましたが、福島原発は福島県および関東圏を密度濃く汚染してしまったのです。
今、ベラルーシはじめウクライナでとりかえしのつかないことをした…と言われている、事故のとき子供たちに被ばくをさせてしまったということです。それは子供の成長に障害やトラブル、困難をもたらし、生き抜いた子供たちの出産や遺伝の問題をなげかけているからです。
私たちは、汚染を逃れる権利を持っています。
事故の前のような暮らしを望んだら、国がそれを補償すべきです。
放射能を気にして遊べない環境を、「健康で文化的な生活」と言えるでしょうか?事故が起こったからみなで力をあわせて復興したい?それは大人の都合であって、細胞分裂を盛んに繰り返す子供たちには関係のないことです。
科学的にも人道的にも、そして未来の命の姿をねじまげるという倫理に対しても、すべての意味で罪深いことが進行しています。
日本はかつて公害裁判で長引かせ長引かせ被害者が少なくなってから和解という破廉恥なことが続けられてきました。
今回の被害者はこのエネルギー政策に何も罪も亡い子供たちです。安心してのびのび遊び学び、未来を夢見れる環境へ移動させてあげるのが大人の役割だと思います。
原子力産業の力は大きく、時には国家権力さえも自由にでき、裁判で、いったい何が変わるだろうと暗黒時代のように感じることもしばしばです。
しかし、このままでは福島で大量に小児甲状腺癌の子供たちを発症させ、チェルノブイリを超えてしまう。世界になだたる悪国として、歴史に名を残すでしょう。
どうか、子供たちが願う環境で生きる権利を子供たちに与えてあげてください。
国や産業界が間違っていても、裁判でその過ちが正されますように。放射能問題を正すことは、日本の未来を正すことにつながる、そのような裁判であることを祈ります。
最後に私たちは、日本に体調改善のために呼んでいたチェルノブイリ被災児童たちは年間総被曝量1ミリシーベルトを超えるか超えないかの地域でした。そこで、小児甲状腺癌も起こり、さまざまな悲劇が発生していたことをここにお伝えいたします。小学生だった子供たちが成長して出産、妊娠のトラブルに苦しんでいます。
放射能に閾値はありません。
特に子供たちにとって。
今回の子供たちの未来を開くための裁判であって、原子力産業や大人の都合を守る裁判にならないことを祈ります。
裁判しなければ子供たちを安全なところに移住させられないこの国の大きな欠陥を指摘します。
2013年04月01日21:53