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ヴィカス・スワラップ「ぼくと1ルピーの神様」

2009年03月07日 19時56分00秒 | ブログ
この小説は、アカデミー賞の「スラムドック$ミリオネア」の原作。
とても処女作とは思えない素晴らしい作品だった。
作者のヴィカス・スワラップは元外交官で、現在はインドの高等弁務官事務所で働いているという。
小説は苦手って人でも簡単な内容なので飽きずに読めると思う。
私は2日で読み終えました。

主人公のラム・ムハマンド・トーマスはムンバイのスラムに暮らすウェイター。
そんな彼がクイズに出場し賞金10億ルピーを手にする。だが警察に連行してされてしまう。
学校にも通ったことがない少年が難問全てに正解できるわけがない、きっと不正を働いたに違いないと、番組の制作会社が彼を訴えるところから始まる。

物語は13の質問を順に振り返りトーマスがなぜ答えを知っていたかを解き明かす形で進んでいきます。
そこでは貧困や虐待、売春、宗教対立など、現代のインドが抱える問題も明らかになっていく。
彼は産まれてすぐ孤児になりますが、知恵と機転で人生を切り開いていく様が魅力。
日本では有り得ないような事件に巻き込まれそうになったり悲しい別れや、苦難を乗り越えていく。
そんな逞しさから勇気をもらうほどです。
実際の人生経験や彼の持つ、運から得た10億ルピーだと思う。それにしては壮絶な人生・・・。

とにかく読み始めたその日から、次は?次は何が起こるの?と止まらなくなった。
それでも最後は「えー!?」もあったけど
納得のいく終わり方だった。

映画では登場人物や設定が違うようだ。
サリムは親友ではなく兄になっているし、どんなストーリー展開か楽しみだ。
アカデミー賞8部門取ったくらいですから、きっと映画も面白いはず。
公開が楽しみだ。

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