<新訳>ガリア戦記 | |
中倉 玄喜 | |
PHP研究所 |
【Netflixオリジナル】Roman Empire:Julius Caesar/Master of Rome
戦いで勝利を収め、百戦錬磨の戦士として頭角を表すカエサル。ローマ帝国は領土を広げ巨大な国家へ。領土の拡大に貢献したのは8万キロの道を作った200万人以上の奴隷たちだった。そんな中、スパルタカス率いる奴隷の反乱が起きる。奴隷軍は10万人以上に膨れ上がりローマに迫る。クラッススが軍を立ち上げカエサルが加わる。カエサルは奇襲攻撃すべきと提案する。
※以下、ネタばれあらすじです
カエサルは出世のためだけでなく家族のために戦っていた。彼には妻コーネリアと娘ユリアが待っていた。奇襲攻撃を仕掛けたカエサルの軍はスパルタカスを仕留め、クラッススは2年にも及ぶ戦いに終止符を打つ。だがスパルタカスの遺体が見つかることはなかった。敵の捕虜を磔にして95キロに渡って勝利を見せつける。執政官に任命されると期待したクラッススだったが、ポンペイウスがスパルタカス討伐の手柄を横取りする。兵士に褒美を与えようとしたポンペイウスをクラッススが邪魔しようとする。2人の権力争いは激化していく。
その後10年ほど平和が続いたものの、カエサルに悲劇が訪れる。コーネリアが重い病に倒れ亡くなってしまう。ポンペイウスとクラッススの権力争いが激化し、カエサルに出世の機会をもたらす。議会は膠着状態となり内乱の危機にあった。カエサルは自分を執政官にすれば2人の法案を通すと三頭政治を提案し、信頼を得るため娘をポンペイウスに嫁がせる。カエサルは執政官となり、三頭政治の1人として富を築いていく。高圧的なやり方で法案を通し、減税案や兵士への領地配分も可決する。
上流階級の仲間入りを果たしたカエサルはローマ貴族の人妻セルウィリアを愛人にする。横暴なカエサルは元老院の反感を買ってしまい、ポンペイウスとクラッススは更迭を決意。そこでカエサルは人気を取り戻そうと、軍事力で領地を広げる策に出る。紀元前58年、権力を追い求めるカエサルは元老院の承認を得ず2万人の兵を率いてガリアに侵攻。ガリアの部族が結集する前に次々と勝利を収め進軍を続けた。食糧補給を待たず征服地で調達。そして「ガリア戦記」によりローマで英雄視された。有望な騎兵隊長アントニウスも戦いに加わり、ゲルマニアやブリテンも制圧。
軍事的栄誉を得ようとしたクラッススは中東のパルティア征服に向かい、カエサルはガリア進軍を続けていた。アレシアでウェルキンゲトリクス率いる部族を相手に700人の兵を失ってしまう。ウェルキンゲトリクスは援軍を待つ間、進軍を止めるため兵糧攻めする。食糧を断たれたカエサルは壁を建設し敵の補給路を断つ。一方、クラッススの軍は大惨敗し2万人の兵が犠牲となり、捕虜となったクラッススは溶かした金を流し込まれ死亡。クラッススの死で三頭政治が崩壊し、ローマではポンペイウスが執政官に就任。ガリア連合が迫り、壁を二重にしたカエサルはウェルキンゲトリクスとの戦いに挑む。
内壁は守ったものの外壁を破られるが、カエサルは騎兵軍団に敵の後方から攻めるよう指示。包囲されたと勘違いした敵は撤退していく。ガリア征服を果たしたカエサルはローマ市民を魅了。ポンペイウスはカエサルを葬るべく裁判にかけようとする。カエサルを父親のように慕っていたブルータスもポンペイウス側につく。帰還命令が出されたカエサルは、娘ユリアが出産で死亡したことを知り打ちのめされる。カエサルは軍隊を連れてルビコン川を渡ればローマへの侵略とみなされ、1人で帰還し裁かれれば永遠に国外追放となる。カエサルは謀反を起こし内戦へと発展する。
ポンペイウスと元老院は一旦ローマを放棄し、ギリシャに渡り軍を編成しカエサルと戦おうと計画。ローマは無法地帯となった。カエサルはギリシャの結集を防ごうとする。ブリンディシに到着するが手遅れだった。各地に地盤があるポンペイウスは軍を編成し、カエサルは半分の兵とギリシャへ向かう。兵力で勝るポンペイウスだがカエサルと面会し投降を促す。その後、アントニウスの兵が合流し、カエサルは劣勢でも勝てる策を練る。カエサルは扉のように歩兵を旋回させて騎兵隊をかわし、ポンペイウス軍を圧倒。カエサルは2万人を捕虜にし、ブルータスら議員も捕らえ権力を支配。だがポンペイウスに逃げられローマを支配したとは言えない。
ポンペイウスはローマと同盟関係にあり貸しがあるエジプト王家に助けを求める。プトレマイオス王は姉と結婚したが決裂し、内戦の最中にあった。カエサルが到着するとポンペイウスの首を差し出される。ローマの名将で自分の親戚でもある彼が惨めな扱いを受け憤る。だがカエサルは内戦に巻き込まれ軟禁される。紀元前48年、ローマは政府が機能せず食糧不足で混乱に陥っていた。アントニウスは市民の混乱に対応できず、武力で押さえつけることしか出来ない。その頃、クレオパトラはカエサルと手を組むことで権力を手に入れようとしていた。
紀元前47年、クレオパトラとカエサルの軍はプトレイオス王に包囲戦を仕掛ける。数ヶ月後には王の軍勢を倒し、王は逃亡中にナイル川で溺死。クレオパトラが王座に就き、カエサルが彼女に魅了されている一方でローマの情勢は悪化。紀元前46年、カエサルはローマに帰還し国の建て直しを図る。ポンペイウス派の元老院を召集し、報復はしないと約束し寛大な措置を取る。カエサルは10年間の独裁官に就任。改革を進めるカエサルは新たな配給システムを作り、闘技会の開催も決定。改革より国は安定し市民から支持を得た。カエサルはブルータスを優遇し総督に任命。そんな中、カエサルは癲癇の発作で倒れてしまう。
カエサルは様々な改革を打ち出し、一大建築計画で市民に職を与え、太陽年で新たな暦を作成。更にガリア人に市民権を与え平和を保とうとする。カエサルは後継者としてブルータスと考えていたが、クレオパトラが息子のカエサリオンを連れ現れる。セルウィリアは彼女を敵視しブルータスに元老院を味方につけるよう命じる。王朝を考え始めたカエサルは彫像を作らせ、自分の誕生日を祝日とした。終身独裁官となったカエサルを発作が襲う。カエサルは元老院を病から目をそらすためパルティア侵略を計画。彼の独裁ぶりと帝政への野望、健康上の問題に怒りと不安を感じた元老院が陰謀を企てる。
共和政を選んだローマにとって君主政はタブーだった。紀元前44年3月15日、緊急議会が招集され、元老院はカエサルが将軍として護衛がつく前に暗殺計画が実行に移される。アントニウスがカエサルから引き離されている間に、元老院は次々とカエサルを刺す。民衆はカエサルの暗殺に衝撃を受け混乱が生じる。ブルータスとアントニウスは対立し、戦場でブルータスは敗北し自害。アントニウスは仲間の陰謀によりエジプトへ逃れ、クレオパトラと結婚。エジプトとローマが戦争になるとアントニウスとクレオパトラは心中。カエサリオンはエジプト王となった2週間で殺害。紀元前27年1月16日、カエサルの甥オクタビアヌスがローマ初代皇帝となる。
<登場人物>
◆ガイウス・ユリウス・カエサル/野心家で執政官に上り詰める
◆グナエウス・ポンペイウス/ローマ軍の将軍
◆マルクス・リキニウス・クラッスス/裕福な政治家
◇コーネリア/カエサルの最初の妻
◇セルウィリア/ローマ貴族の人妻でカエサルの愛人
◆マルクス・ブルータス/セルウィリアの息子
◆マルクス・アントニウス/貴族出身の騎兵隊長
◆ウェルキンゲトリクス/ガリアの部族をまとめる族長
◇クレオパトラ/エジプトの女王
「スパルタカス」と「ROME」の不足分を補える内容だったのでとても楽しめました。「スパルタカス」ではクラッススが手柄を横取りされたところまでしか描かれなったので、その後クラッススどうなったのかと思ってました。パルティアで溶かした金を流し込まれて死んだとは〜。これってGOTでヴィセーリスがドロゴに黄金の冠だと言って溶かした金を流し込まれた場面はここからきたのかなと思ったw
実は見はじめたら久しぶりに「ROME」が見たくなってしまい一時中断。ローマ支配と合わせて見ると、オクタビアヌスのことも知れて良いですね。
カエサルの軍事的手腕が見事!いかに劣勢でも軍団をまとめて勝利に導く。ガリア侵攻やポンペイウス討伐での采配は見事でした。
共和政で元老院中心だった政治も独裁官になったことで様々な改革でローマを良くしたのに、終身独裁官になったことが仇になりましたね。最初の宣言どおり10年としていたら違っていたかもなぁー。
ブルータスらの反乱で共和政を守ったはずだったのに、結局は甥のオクタビアヌスが皇帝に就いたのだからカエサルの思想は実現されることになるなんて皮肉。
次は初代皇帝となったオクタビアヌスを描いて欲しいなぁ〜。前作の「血塗られた統治」は17代皇帝なのでだいぶ後の時代になります。
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