長々と日本武尊、弟橘媛命を御祭神とする神社をリストアップしてきた。地域別に何らかの特徴があるのではないかと考えたからだ。では、それらの神社を地図上に記してみよう。
上の図は、神奈川県内の神社の中から、日本武尊、弟橘媛命を御祭神とする神社のみを示した。その分布といっては失礼だが、結局は古くからの街道筋であるとか、集落があるところであるとか、要するに人が居住するか往来があるかの場所に点在していることになる。
より正確に考察するならば、それぞれの神社の造営年を考慮したり、言われも調べなければならないだろう。他にも考慮しなければならない点はあると思う。だが、研究者ではないのでそこまではやれない。
だが、無いところには全くない。特に真鶴、湯河原、箱根町にはない。逗子市、葉山町にもない。それはそもそも神社自体の数が少ないことも関係しているかもしれないが、日本武尊の東征という物語に関連性が薄ければ、その物語に関わる信仰も薄くなることはあり得るだろう。
赤丸印は、御祭神に日本武尊が含まれる神社を示す。「御嶽神社」が多く見られる点を、どの様にとらえれば良いのかは分からないが、とにかく神奈川県内のミタケと名の付く神社の祭神は、日本武尊が多いようだ。
黄丸印は、御祭神に弟橘媛命が含まれる神社を示す。数は少ないものの、概ね富士山と矢倉岳を結ぶ線上に近い位置に造営されているように思う。
緑丸印は、御祭神に日本武尊と弟橘媛命が含まれる神社を示す。これも数は少ないものの、概ね富士山と矢倉岳を結ぶ線上に近い位置に造営されているように思う。
そして、私は現地確認を行っていないが、千葉県君津市の鹿野山に位置する「白鳥神社」も、ややズレてはいるが富士山と矢倉岳を結ぶ線上に近い。さらに千葉県市原市には「オトタチバナの滝」という名前も見つかる。この滝も、ややズレてはいるが富士山と矢倉岳を結ぶ線上に近い。
こうした日本武尊、弟橘媛命に関係する場が、何らかのかたちで富士山、矢倉岳、走水神社を結ぶ線と関わっているように見えるのは、単なる偶然なのだろうか。
富士山は間違いなくランドマークとして最良である。矢倉岳もランドマークになり得る。浦賀水道を渡るには、幅が狭いという要件からすれば走水を選ぶことはあるだろう。ただ、偶然、それらが直線上だったということだけなのだろうか。
だが丁寧にも、と言っては失礼だが、君津市の「白鳥神社」※までが加わってくることに、やはり富士山展望との関係はあるのではないだろうか、と思わずにはいられない。
※ 「白鳥神社」は、川崎市 麻生区 白鳥にもあることは、下リンク先にリストアップ済み。
「富士山~矢倉岳ミステリー(仮題)」・・・周辺資料7 - ムラカミの公開制作的ブログ (goo.ne.jp)
地図は国土地理院 GSI Maps 利用
次回に続く。
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