
杉山古墳は大安寺の旧境内にある墳丘長154mの大型前方後円墳で、後に大安寺の瓦を焼くために前方部に窯が造られてしまったという珍しい古墳です。





お勧め度:

1.基本情報
所在地
奈良県奈良市大安寺4丁目
現況
古墳
史跡指定
国指定史跡
指定日:
出土遺物が見られる場所
2.諸元
築造時期
5世紀後半
墳丘
形状:前方後円墳
墳丘長:154m 後円部径:80m 後円部高:9m 前方部幅:80m 前方部高7m
段築:3段築成か
葺石:あり
埴輪:円筒Ⅳ式、家形埴輪
主体部
出土遺物
周堀
楯形
3.探訪レポート
2021年3月25日(木)
この日の探訪箇所
岩屋山古墳 → 高松塚古墳壁画館 → 高松塚古墳 → 中尾山古墳 → キトラ古墳壁画体験館 → キトラ古墳 → 石舞台古墳 → 大安寺 → 杉山古墳および杉山瓦窯跡群
大安寺の僧房跡からは墳丘がチラッと見えましたが、もう一度大安寺境内にあった説明板の地図を確認してみましょう。

こういう周辺を住宅に囲まれている古墳って意外と近接が困難なんですよね。
でも、どこからかは古墳に行けるはず。
時間の関係で周辺を一周することはできません。
よし、KKDで西側を攻める!
墳丘西側の路地を北進していくと、前方に右手の墳丘方面へ向かう道が付いているような感じの場所があります。
あそこから行けるかも!
あった!

なんだ、意外とちゃんとしているじゃないですか。
おーっ、墳丘だ!

ヤバい、思っていたより立派な墳丘です。
これはまったく迂闊でした。
大安寺に行くことはもちろん知ってはいましたが、まさかこんな古墳が近くにあるとは知らず、全然予備調査をしていませんでした。
これは余裕で100mオーヴァーじゃないですか。
後円部側。

おや?
トイレかと思いましたが、何かの覆屋のようですよ。

説明板があります。

先ほどの大安寺の説明板の地図を見ても分かる通り、杉山古墳の前方部には窯跡が造られていました。
墳丘の高まりを利用して大安寺に使う窯を作ってしまったんですね。
こういう再利用の仕方は斬新だ。
窓から中を覗きます。

へー、凄い。


時間が無いので墳丘へ行きます。
くびれ部分には葺石の復元があります。

先日訪れた愛知県の志段味古墳群にある白鳥塚古墳も一部分だけ葺石を復元していましたが、予算などを勘案するとこういう見せ方もいいですね。
墳丘に登りますよ。
鞍部から前方部を見ます。

後円部を見ます。

前方部から北側を望むと大安寺の杜が見えますね。

墳丘をくまなく歩く時間が無く、地図で見ると東側には造出があるような雰囲気ですが確認できません。

西側の眺望。


あ、なんだ、入口には説明板があるじゃないですか。

うわ、やっぱりでかいですね。
復元すると154mになります。
あー、やっぱり東側には造出があるんだ、というか今はもう削平されて無いのかな?

※帰宅後に奈良市のホームページで確認したところ、大安寺を造営するときに葺石や前方部の土が使われ、前方部がかなり削られてしまったあとに窯を作りました。
集合時刻が迫っているので走ってバスへ戻ります。
駐車場近くまで来ると、反対方向からお客様たちが戻ってくるのが見えます。
私以外の皆様は、塔跡の方へ行ったようです。
でも、もし事前に杉山古墳のことを知っていたとしても、お客様をお連れする時間はありませんでしたよ。
さすがにお客様を走らせるわけにはいきませんからね。
ん?
推古天皇社?

折角なので参拝してからバスに戻りますか。


はい、間に合いました。
お客様も続々とバスに戻ってきます。
というわけで、3日間の大阪・奈良の古墳ツアーもこれにて終了です。
ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました!
新大阪駅に着くと、皆様は普通に東京方面へ帰りますが、私はこのあと、明日から九州4県のツアーを案内するので、単騎博多へ向かいます。
皆様さようなら。
新幹線のホームには東海道新幹線では見られない車両が停まっていますよ。


500系の運転席って戦闘機の水滴型風防みたいでカッコいい。

こちらはN700系。

しかし500系は良いな。

私が乗る電車が来ました。
新大阪駅から乗車して博多駅へ向かうのは生まれて初めてです。
あんまりお腹は空いていませんが、とりあえずカツサンド。

うま。
博多到着後はまっすぐ東横インへ向かいます。
ようやく本格的にお腹が空いてきたので、ホテルの近くで見つけた「牛心」という定食屋で和風ハンバーグ定食をテイクアウトで購入。
部屋に入るとようやく人心地です。
さて、さっそく弁当食べようっと。

お、このハンバーグ美味い!
ご飯大盛にしてもらえばよかった・・・
つぎに博多に泊まった時もまた食べようっと。
コロナが収束したら、お持ち帰りじゃなくてお店でビール飲みながら食べるのもいいな。
それでは、明日からの九州4県ツアーの案内も頑張ります!
(了)
4.補足
5.参考資料
・現地説明板
・奈良市ホームページ
本ブログの管理人は、2016年4月よりクラブツーリズムにてツアーのガイドや講座の講師をやっています。 ツアーに関しては、古墳をはじめとした古代遺跡を中心に、関東の日帰りツアーや列島各地の宿泊ツアーを案内。 講座に関しては、日本書紀や続日本紀、それに東北や関東の古代史、中国大陸の古代史などをやっていましたが、一部をオンライン化しています。 そういった情報に関しては、このブログ内のこちらのページにまとめてあります。 |